はい、ウマキです。
今回は、大学院進学時に行う、学歴ロンダリングのメリット・デメリットについて私の体験談を基に、詳細に記載します。ネット上で、学歴ロンダリングと検索すると、根拠の無い情報ばかりで、私も実際に大学院試験の時はかなり困惑した為、そのような方に対して、少しでもお役に立てれば幸いです。
【2019/02/18 追記・画像追加】
本エントリーについては、まず、学歴ロンダリングについて詳しく記載した後、実際のメリットや、多くの人が勘違いしている点についても記します。
また、本エントリーについては、大学が理系で、その後理系就職を考えている方を対象に書いています。文系の方は対象外なので、その点は注意して下さい。
では、いってみましょう!
目次
学歴ロンダリングとは
大学院試験時に、自身の卒業大学の大学院ではなく、 旧帝大の様な高偏差値の大学院試験を受け、そこに入学する事を指します。
最終学歴が、修了した大学院になるため、資金洗浄を表す『マネーロンダリング』にかけ、ネットスラングとして、学歴をごまかす、『学歴ロンダリング』と言われています。
ネガティブなイメージが強いですが、大学院試験をきちんと受験し、合格した後に入学している為、『マネーロンダリング』とは違い正規の手法となります。
良く聞く例としてはMARCH*1出身者が東京大学大学院に進学する例です。
学歴ロンダリングのメリット
本項では、学歴ロンダリングを行うメリットについて詳しく説明していきます。
様々な点から見ても、非常に利点が多い学歴ロンダリングですが、それらメリットを一つ一つ詳細に記載していきます!
多くの推薦、採用の可能性がある
言うまでも無く、この点が一番大きなメリットです。旧帝大ともなれば、企業からの推薦面接が多く用意されており、また、通常選考でも学歴フィルターに引っ掛かる事もありません。
下記で詳しく説明しますが、学歴ロンダリングだからと言って、学部から高偏差値の大学に通っていた方と差別される事は皆無で、同じように、推薦を受ける事が可能です。
その為、大学院進学後、博士課程を考えていない方にとっては、学歴ロンダリングを行った方が、確実に就職活動の幅が広がり、楽になります。
大学院試験は難易度が低い
まず、大学院試験は難易度が大学入学試験の時とは比較にならないほど簡単です。出題される範囲についても、センター試験や大学別の試験で多くの科目を学習しなければいけませんでしたが、大学院試験の場合、科目数は多くて4つほどです。
また、過去問と似通った問題が頻出している為、過去問を全て網羅し、解法を学習すれば、旧帝大の大学院試験であろうと、容易に突破する事が出来ます。実際に私が旧帝大大学院試験を受験した時は、学習期間は3ヶ月ほどでも、余裕をもって突破する事が出来ました。
勉強にかける時間が圧倒的に少ないにも関わらず、その後、就職活動で得られるアドバンテージは非常に大きい為、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
企業が見るのは最終学歴
この項目はよく勘違いしている人が多いです。私は就職活動中、様々な大企業から内定を頂きましたが、自身の出身大学の学部が影響した事は、一度もありませんでした。企業が気にしているのは、最終学歴です。
※就職活動の話については、以下のエントリーに詳細を記載しています。
大学院試験を他大学で考えている方は、一度は、『企業は出身学部で学生を見る為、学歴ロンダリングをしても無駄』などと言う記載を見た事があるかも知れませんが、全くのでたらめです。
私は現在勤務している企業でリクルーターをしていますが、人事から出身学部について重要視するなどの話を一度も聞いた事がありません。また、本記事を書く為に、他企業でリクルーターや人事をしている、大学院時代の同期に連絡を取りましたが、学歴ロンダリングを軽視し、出身学部を重要視している企業は皆無でした。
これは考えたらすぐに分かる事ですが、例えば、以下のようなA君とB君が志望者として、企業に面接に来たとしましょう。
【A君:旧帝大学部卒、同旧帝大大学院修了予定】
- 大学入試では努力したが、大学ではなんとなく過ごし、回りに流され大学院にそのまま進学。
- モチベーションは高くなく、主体的に行動できない。
【B君:MARCH卒、旧帝大大学院修了予定】
- 大学受験に失敗したが、努力し、大学院試験を突破し、旧帝大大学院に合格。
- 研究熱心で、モチベーションが高く、主体的に行動できる。
さて、企業はどちらの人材を欲しがるでしょうか。いえ、企業で無くとも、あなたなら、どちらの人材が会社に貢献すると判断しますか。
旧帝大学部卒だから、A君と答える方はいないはずです。なぜなら、企業は『昔』のあなたを気にしないからです。『今』のあなたがどれほど会社に貢献出来るのかだけを考えています。
その為、学歴ロンダリング後は、そのロンダリング先の他大学院生と遜色ない学歴を入手出来、あなたの頑張り次第で、就職活動を非常に有利に進める事が出来ます。
就職する気であれば、大学院の研究内容は関係ない
企業が重要視する点は、志望者のポテンシャルであり、行動力であり、主体性です。研究内容を重要視するリクルーターや人事など、よほど専門性の高い技術職を募集していない限り、ほぼいません。
その為、博士課程に進学し、アカデミックな道を目指す気が無いのであれば、正直研究など、自分が楽しめ、修了出来れば何でも良いです。
私の場合は、大学院では人口知能の研究を行っており、JavaやC+を用いてプログラムを組んでシミュレーションを行っていましたが、現在の業務では微塵も使っていません。
大学院の研究と、実際に入社してから携わる業務が一致する事は、非常に稀で、基本的には入社後一から勉強し直す必要があります。
その為、学歴ロンダリングを行い、研究内容が変わろうと、失うものはなく、単純に高学歴のみを享受する事が出来ます。
回りのレベルは意外と低い
学歴ロンダリングをするに当たり、気になる点の一つとして、高偏差値の大学の同期に学力の面でついていけるのかと、不安があるのではないでしょうか。
しかし、その心配はほとんど必要ないです。
きっと、あなたが大学院試験の為の勉強を始めたら、何故旧帝大なのに、こんなに問題が簡単なんだろうと疑問を持つはずです。その答えは簡単で、旧帝大に4年間通っている学生の平均レベルがその程度で、それ以上難しくすると、落第者が大量に出てしまう為です。
大学生活で、学力を受験期以上に向上させられる人は稀で、大抵の人はぬるま湯の生活が続き、学力が低下します。私が実際に大学院に通う様になって感じた事は、回りの同期が思ったほど、理解力が高く無く、プログラミング能力についても私と同レベル程度でした。
中には信じられないほど優秀な方も居ましたが、絶対数としては、非常に少なかったです。
学歴ロンダリングのデメリット
メリットの裏には、必ずデメリットがあります。
上記では学歴ロンダリングのメリットを記載しましたが、本項ではそのデメリットについても深く説明していきます。
1.回りに同期が居なくなる
これが考えられる唯一のデメリットです。学部時代とは別の大学院に進学する為、新しい研究室で、新しい仲間と共に頑張らなければいけません。その為、人間関係を構築するのに時間がかかる方にとっては、初めは苦痛な作業になるでしょう。
その苦痛を少しでも軽減させる為に、研究室訪問を事前に積極的に行い、研究室の雰囲気を掴みましょう。また、教授との相性も重要になります。あなたが興味ある研究を行っていようが、その研究室の教授と馬が合わない場合、大学院2年間は、非常に苦痛なものになるでしょう。
どの点を優先するかは人により異なりますが、人間関係も軽視しないよう、入念なヒアリングを行う事を推奨します。
2.大学院試験対策が難しい場合がある
通常、自分の通う大学から大学院に進学する場合は、友人などと一緒に試験対策が行え、過去問も簡単に入手できるため、勉強のモチベーションを保ちつつ、比較的容易に試験を突破することが出来ます。
しかし、学歴ロンダリングを行う場合は、周りに他の大学院を受ける方が少ないため、孤独との戦いになります。
また、その大学に通っていなかったため、教授が出題する問題の傾向なども掴みにくい場合があり、大学院試験について、内部生より、周到な準備が求められることも事実です。
基本的に学歴ロンダリングを行わない学生は、上記の事項が非常に手間だと感じて、簡単に進学できる母校の大学院に進む傾向があります。
しかし、大学院試験対策で手間をかけた分、受かった後のメリットは非常に大きいため、その点も鑑みて進学先を決定しましょう!
3.文系の場合はあまり学歴ロンダリング
冒頭にも記載したように、文系の方は理系の学生ように、学歴ロンダリングのメリットが少ないです。
もし、アカデミックな道に進もうと考えている文系の大学生であれば、学歴ロンダリングをしたことにより、研究環境が変わり、より深く学術について学べる利点があります。
しかし、大学院修了後、就職を考えている文系大学生は、他の4年制大学卒業者より2年ビハインドを持つことになるため、就活がやや厳しくなります。
学歴ロンダリングに関する勘違いとは?
以下、大学院進学の際に良く学生が勘違いしている点です。私自身も学生の時は誤った理解をしていました。
1.研究室のコネなど無いに等しい
よく、 就職に強い研究室や、企業とコネがある研究室があると言われていますが、はっきり言って、そのような研究室は存在しません。
確かに、教授とリクルーターが顔見知りで、採用情報が早めに入ってくるなどの利点はありますが、その程度です。リクルーターは人事から研究室単位ではなく、研究科単位で推薦活動する様に言われているので、その研究室のみに情報を流す事は絶対にあり得ません。
実際に私は、大学院時代、私以外院生がいない過疎研究室でしたが、就職の情報に困る事は一切なく、他研究室の同期と同様に推薦面接も受ける事が出来ました。
もし、研究室のコネに惹かれて、したくも無い研究を続けている学生の方は、一度身の振り方を考えましょう。研究とは自身が本当に興味を持ち、追求したい事を調査するものです。2年間という長い時間を有意義なものにする為に、何が研究したいのかを、よく自分自身に問い直し、コネなど気にせず、したい研究をしましょう。
大学院試験を効率よく突破する為
本項では大学院試験を効率よく突破する方法について記載します。大学受験と異なり、試験は非常に単純なものなので、対応策もシンプルなもので事足ります。
過去問を暗記するほど解く
重要な対策はこの一点に尽きます。ネット上で公開されている過去問があるので、志望大学院の過去問は全て網羅的に解き、解法を完全にマスターしましょう。
また私の場合は、友人と過去問を基にオリジナルの問題を作り出し、それをお互いで解き合っていました。教科書や問題集などは、基本的には既に学部時代に購入しているもので事足りると思いますが、必要に応じて買い揃えましょう。
志望する大学院により、出題範囲が異なる為、一概におすすめの参考書を提示する事は難しいですが、過去問を軸として勉強を進める様、心掛けましょう。
出題の傾向を探る
大学院試験の過去問を網羅すると、大凡出題される重要ポイントがつかめるはずです。
そのため、過去問の学習が完了したら、出題の傾向を絞って、より深く、ピンポイントで勉強を進めてみて下さい。
大学によっては、驚くほど傾向が偏っているところもあるため、この勉強法により、短時間で合格点に達することができます。
もちろん、試験を作成する教授が変更になった場合は、出題範囲も一新されるため、あまり他の分野を勉強しないのは問題ですが、要点をしぼり、そこから広げるように勉強することで、より深く知識の習得が図れるはずです!
まとめ
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
もしあなたが、大学院卒業後、博士課程への進学を考えておらず、就職を希望している場合は、学歴ロンダリングをする事で、間違いなく、よりよい職場にマッチする可能性が広がります。
私も進学時、ネット上の情報に踊らされましたが、実際に大学院試験を突破し、就職活動時に、学歴ロンダリングの凄さを体感しました。また、リクルーター活動を通して、人事は学生の学部など微塵も気にしていない事が分かりました。
理系の方で、理系就職を目指して大学院試験を希望している方は、是非一度、もっと視野を広く回りを見渡してみて下さい。きっと、もっと最良の選択がある事に気づけるはずです。
あなたの、よりよい研究活動を祈って。
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ウマキ
*1:「M: 明治大学」「A: 青山学院大学」「R: 立教大学」「C: 中央大学」「H: 法政大学」、それぞれの頭文字を取った造語。