はい、ウマキです!
本記事では、マツダ(7261)株の中期見通しと投資判断について、詳細に記載していきます。
まず、最初に結論からお話した後、財務指標やテクニカル分析、レンジ予想やシナリオ分析を実施します。
目次
マツダ(7261)株の中期見通しと投資判断(2025年4月時点)
結論として、現時点のマツダ株は「買い」推奨と判断します。以下、その理由を明確に述べます。
割安度が際立つ
PER3~4倍台、PBR0.3倍、配当利回り6%以上という水準は、仮に業績が多少悪化しても依然として割安圏です。
たとえ関税で利益が半減(PER倍増)しても、なおPERは7~8倍程度に留まります。他社と比べても過度に売り込まれており、価値に対する悲観が行き過ぎている可能性が高いです。
財務・配当の下支え
自己資本が厚く有利子負債も少ないため、短期的な業績悪化にも耐えうる企業体力があります。
直近決定された年55円配当は維持の方針であり、仮に一時減配しても長期的には安定した配当が期待できます。高配当利回りは株価の下値を支える要因ともなります。
中長期成長戦略
マツダは今後に向けた構造改革と電動化投資計画も進めています。インセンティブ抑制や全社的なコスト削減に着手しており、2030年までに1.5兆円規模の投資を効率的に行う計画もあると報じられています。
ラインナップ強化(新型SUV群や将来的なEV投入)による商品競争力向上も図っています。足元の逆風を乗り越えれば、中長期には収益力の回復・向上余地があります。
見直し買いの余地
現在の株価水準には最悪シナリオが織り込まれていると考えられ、逆に言えば今後のニュース次第でポジティブサプライズが出やすい状況です。
例えば関税問題が妥協点を見出す、あるいは想定より業績悪化が軽微となれば、割安放置されていた分だけ大きなリバウンドが期待できます。
マツダ(7261)株の業績動向と財務指標
マツダは直近まで堅調な業績を上げており、2024年3月期(2023年度)には売上高4兆8,276億円(前年+26.2%)、営業利益2,505億円(+76.4%)、当期純利益2,077億円(+45.4%)といずれも過去最高を記録しました。
しかし、最新の2024年4~12月期(2025年3月期第3四半期累計)では状況が一変し、純利益は前年同期比45%減の906億円と大幅減益に転じています。
北米での販売台数増など収益拡大要因もありましたが、米国での販促費(インセンティブ)増加や原材料・物流コスト上昇が利益を圧迫しました。
現在の株価(4月10日終値付近837円)は、52週安値723円(4月7日)からやや持ち直した水準ですが、依然としてバリュエーションは極めて割安です。予想PERは約3.8倍、PBRは0.30倍と市場平均を大きく下回り、株価純資産倍率0.3倍は解散価値の3割程度に評価されている計算です。
また配当利回りは約6.5%(年間配当予想55円)に達しており、高配当利回り銘柄となっています。
この利回り水準は、2024年度に業績好調を受けて年間55円配当を維持する方針が示されたことによるものです(配当性向は約25%)
加えて、財務健全性にも注目すると、自己資本比率は高く有利子負債依存度も低いため(D/Eレシオ約0.3)、負債過多による倒産リスクは低いと考えられます。
総じて、マツダ株は「低PER・低PBR・高利回り」という、典型的なバリュー株の様相を呈しています。
マツダ(7261)株の株価動向とテクニカル分析
株価推移を見ると、2024年後半~2025年初めにかけて一時1,800円近くまで上昇した後、トランプ関税の懸念浮上とともに下落基調へ転じました。
2025年3月25日には年初来高値1,115円を付けましたが、その直後に米関税表明が伝わると急落し、4月7日には年初来安値の723円まで一気に売り込まれました。
わずか2週間で約35%下落した計算で、マーケット心理は極端に悪化していました。しかし、4月8日以降は自律反発の動きもみられ、4月9日には前日比+13%の急反発(807円→915円)も記録しています。
これは短期的な売られ過ぎに対するテクニカルリバウンドと考えられます。
テクニカル指標を確認すると、14日RSI(相対力指数)は20%前後まで低下しており、一般的な売られ過ぎ水準(30%以下)を大きく下回っていました。
実際、4月9日時点の分析ではRSIは21%、25日移動平均線との乖離率は-18%と複数のオシレーター系指標が極端な「売られ過ぎ」シグナルを示していました。
一方、トレンド系指標では弱気シグナルが継続しています。株価は50日線・200日線といった長期移動平均を大きく下回り、MACDも3ヶ月線がシグナル線を下回る売りシグナルが点灯中です。
4月に入ってからの急落で下向きのモメンタムが強まり、一時的な反発後も下降トレンド継続の可能性には注意が必要です。
今後、短期的な下値支持線は直近安値723円付近、上値抵抗は直近高値1115円や心理的節目の1000円あたりと考えられます。
マツダ(7261)株のシナリオ分析(今後1年を左右する要因と複数の展開)
マツダ株の今後1年(2025年4月〜2026年4月)を考えるにあたり、マクロ政治要因(関税問題)と業績動向の不確実性から複数のシナリオを想定する必要があります。以下では主要な2つのシナリオを分析します。
シナリオ1:貿易戦争激化(悲観シナリオ)
米国の追加関税がこのまま恒久化し、カナダ・メキシコ・EUなどからの報復関税合戦に発展するケースです。
米国向け輸出に依存するマツダは、関税コスト増により大打撃を受けます。マツダの米国販売台数の約7割は日本・メキシコからの輸入で占められており、関税政策変更の影響を極めて受けやすい構造です。
ゴールドマン・サックスの試算によれば、関税発動によりマツダの利益は約59%減少する可能性があるとのことです。
実際、輸入関税25%が課されれば、低価格帯モデルの値上げは難しく販売台数の落ち込みや価格転嫁できない分の粗利益圧迫が避けられません。
さらにこのシナリオでは、景気減速や円高進行のリスクもあります。大和証券は、2026年3月期について「豪ドルやカナダドルに対する円高が進めば500億円規模の減益要因となり、関税問題も相まって利益率維持は難しい」と分析しています。
為替面ではリスクオフで円高に振れれば輸出採算が悪化します。ただし現在のところ、ドル円相場は1ドル=150円弱まで円安が進行しており、円安が一定のクッションになる可能性もあります(弱い円は輸出採算を改善し、関税分を一部相殺)。
総じて、悲観シナリオでは、マツダの業績は大幅悪化(最終利益ゼロ近辺も想定)も考慮する必要があります。
株価も再び安値圏(700円を割り込む可能性)に沈む展開が考えられます。
シナリオ2:貿易摩擦緩和(楽観シナリオ)
米国と各国の交渉により、関税措置が一部緩和・撤回される、もしくは自動車各社が対策を講じて影響を最小化するケースです。
例えば、米との協議で関税が引き下げられたり、マツダが米国生産比率を高める戦略(既にアラバマ新工場で「CX-50」の現地生産開始)を加速させることで、関税コストを低減できる可能性があります。
また、北米市場自体は堅調であり、仮に関税問題が解決すれば販売台数の追い風が戻るでしょう。足元では北米でのSUV「CX-90」「CX-50」など新商品が好調で、販売奨励金も減少傾向に転じています。
このシナリオでは、2025年度(2026年3月期)の業績は持ち直しから再成長軌道に乗る可能性があります。会社計画では世界販売133万台(+7.2%)を見込んでおり、関税リスクが和らげば十分達成可能でしょう。
為替も円安基調が続けば利益押し上げ要因です。
楽観シナリオでは、マツダの利益水準は前年並み~微増を確保し、株価も大きく反発(1000~1300円台回復)が見込まれます。
特にPBR0.3倍という割安放置状態が解消に向かえば、PBR0.5倍(理論株価約1,400円)程度までは評価されても不思議ではありません。
実際の今後1年は上記二極の中間に位置する現実的シナリオとなる可能性が高いです。
関税は当面維持されるものの各社が対応策をとり、マツダもコスト削減や値付け戦略で影響を最小化するベースシナリオです。
この場合、業績への打撃はある程度出るものの壊滅的ではなく、営業利益2000億円→1500億円規模への減少で踏みとどまるとの見方もあります。
そうなれば一時的に利益は落ち込んでも財務や配当を維持でき、投資家心理も徐々に安定するでしょう。
マツダ(7261)株の今後1年間の株価レンジ予想
以上を踏まえ、2025年4月~2026年4月のマツダ株の予想レンジを示します。
ベースシナリオ(関税の悪影響を織り込みつつも最悪回避)では、株価はおおむね800~1,200円のレンジで推移すると予想します。
下値側では、直近安値の723円が意識されるものの、PERやPBR面での割安感から、700円割れは限定的とみます。
反対に上値側では、まず1,000円前後が心理的節目として意識され、その上はアナリスト目標平均の1,207円あたりが目標となります。
現在株価から+43%の上昇余地があるとの見方です。
なお、ボラティリティの高さにも留意が必要です。関税や外交に関するニュース一つで株価が日々乱高下する可能性があります。
短期的にはテクニカルな過熱感の解消から反発局面もあり得ますが、完全なトレンド転換には材料待ちの状況です。
今後の四半期決算で北米事業の収益改善が確認できればポジティブ材料となり得ますし、逆に関税長期化や中国市場低迷など新たな悪材料が出れば一段安も警戒すべきでしょう。
最終的な結論
以上の点から、たとえ短期的な乱高下があっても腰を据えて中長期保有する価値がある銘柄と評価します。
もちろん、リスク要因である貿易摩擦の行方によっては予想が外れる可能性も十分あります。最悪の場合にはさらなる株価下落のリスク(損失リスク)も抱える点を認識した上で、明確に「買い」スタンスを取りたいと思います。
過度な楽観は禁物ですが、現在のマツダ株は「安いところを恐れず拾う」逆張りの好機と判断されます。仮に予想が外れても、それだけ明確に割り切って臨む価値のある局面でしょう。
レポートの分析・予想は2025年4月10日時点で入手可能な最新情報に基づいており、将来の市場変動や業績変化を保証するものではありません。投資にあたっては想定外のリスクにも十分留意してください。
本記事はAIによる分析と筆者の個人的見解をもとに構成されています。投資にはリスクが伴いますので、最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。