今回の記事では、私の就職活動時の経験を踏まえて、就活で後悔しない為の2つの方法を紹介します。
リクルーターとして、幾人かの志望者と面談するうちに、就活中の自分を思い出しました。この記事は自身が大手病(大企業中心の就活しかしていない人)であるなと感じている人が、今後の就活を考える際のきっかけになればと思い書いています。
【2016/9/10 追記】
【2016/12/31 追記】
【2017/05/31 追記】
以下、目次となります。
目次
就活で後悔しない為に、試してもらいたい2つの事
結論から書きます。もし私が新卒に戻り就活をやり直せるのであれば、以下の事を徹底して行います。
- 自分に嘘や偽りをつかない、自己分析
- 徹底的なOB、OG訪問
以下に、何故上記2点が必要なのかを詳細に記載いたします。
自己分析、OB・OG訪問の必要性
1.せっかく入社した会社を辞めない為
自身を把握出来ていないまま入社すると、実際に与えられた仕事は自身の想定とかなりかけ離れており、「こんなはずではなかった。」となります。何百倍にも及ぶ競争に勝ち抜き、大企業に内定したにも関わらず、入社3年も経たずに辞める人がいるのはその為です。
2.自身の妥協点を正確に把握する為
あなたの欲求を完全に満たす職はまずありません。どこかしらに必ず妥協点は存在します。自己分析を行うことで、その妥協点を正確に把握することが出来、またOB・OG訪問を行うことにより、入社後の業務を正確に把握出来、業務のミスマッチを防ぐことが出来ます。様々なサイトで自己分析の重要性について書かれていますが、結論は上記に尽きると思います。
本当に自己分析は出来ていますか?
就活中は非常に多忙の為、内定をもらう事のみを優先した行動を取りがちになります。人気の本も「内定者が語る~」や「面接で使える~」等々。しかし自己分析は自分自身の特性を振り返り、今までの自分を棚卸しするのが目的となります。内定をもらう為に実施するものではないです。
リクルータとして、自己分析シートを拝見する機会が何度もありましたが、以下のような不十分な自己分析になっている方が多いです。
- 会社の志望理由や、自己PR記載用の自己分析している。
- 自分の負の欲求には目を瞑って、自己分析している。
元来、人間は怠惰な性格です。あなたの自己分析シートにキラキラした経歴やポジティブなことばかり書いてあるならば、確かにそれは面接では効力を発揮しますが、結局、入社後のミスマッチを起こし、非常に後悔することになるでしょう。
なぜなら、私はよく真面目な性格だと言われますが、本当は疲れた時は寝たいし、さぼりたい時だってあります。朝会社に行きたくない時なんてしょっちゅうです。可能であるならば、カフェ等でマックブック片手に、おしゃれに働きたいし、またチャレンジングな事に挑戦もしたいです。
ほら、こんな感じで沢山思う事があるでしょう。人間は我儘なのです。ただ全てを満たすことは不可能なので、自己分析を行う事で自分の欲求にきちんと向き合い、それらを点数付けすることで、取捨選択する必要があるのです。私は上記で記載した欲求より、大企業で安定して働ける方が強かっただけの話です。
自己分析方法
【用意するもの】
- 自己分析用ノート(ただの大学ノートで問題ないです。)
- 忌憚ない意見を言い合える人
自己分析で本当に必要なものは上記2つのみです。そして自己分析用に必要な自身への質問も、基本となる以下の5つの質問で十分です。
- 「自分自身の性格」
- 「好きなこと、嫌いなこと」
- 「得意なこと、不得意なこと」
- 「やりたいこと」
- 「やりたくないこと」
その代り、上記については、とことん深堀りしましょう。なぜ好きなのか、なぜ嫌いなのかと、書き出したことに『なぜ』を加えていきましょう。そして、やりたいこと、やりたくないことについては、それぞれに対してどの程度やりたいのか、やりたくないのかの点数をつけましょう。
そしてその結果を友人に話し、率直な意見を交わしましょう。人は自分を振り返る時、中々奥まで踏み込んでいけないものです。あなたのいい点も悪い点も全て教えてくれるような近しい友人と徹底的に口論しましょう。
あなたのこれからの長い人生において大きな分岐点となる時ですので、頭が焼けるほど考えて下さい。
※よく様々なシートを使い、多角的な質問で自身を捉えようとする人がいますが、質問が増えれば増えるほど、全体像がぼやけていきますので、あまりおすすめしません。正直、上記の質問をきちんと考えるだけでもかなり時間を要しますので、上記質問の回答が自分なりに纏まったら、今度はきちんと企業分析を行いましょう。
より詳細な自己分析方法については、以下のエントリーに記載があるので、参考にして下さい。
OB・OG訪問
OB・OG訪問を受けた時、よくあるパターンとして、訪問は就活の延長で自分のアピールの場だと勘違いしている方が散見されます。
OB・OG訪問はその会社を知る為の、貴重な機会です。
訪問対応者が、今後の面接に関係してくるという懸念もあるかもしれませんが、もしそうでない場合は、「給与」「待遇」の他にも「やめたくなったことはあるか」「本当に仕事にやりがいを感じているか」等、もっと深く突っ込んだ質問をしていきましょう。
実際に会社で働かなければ分からない事が沢山あります。OBは既に会社で働いている貴重な情報元です。採用活動を手助けすることも業務の一部なので、遠慮せず、なんでも聞きましょう。
もし、あまり友達やOB・OGのネットワークがなく、いきたい会社に先輩社員がいるかどうか分からない時は、以下のようなサイトもあります。
登録している、OB・OG先輩と、上記サイトを介してコンタクトを取り、会社訪問や相談を出来るサイトです。私もOBとして登録していますので、是非活用してみて下さい。
自己分析を怠った人の具体例
では、実際に自己分析を怠った人がどうなるのかを、具体的に挙げてみます。2名紹介しますが、どちらも私の大学の友人で激しい就活戦線を勝ち、何百倍にも及ぶ倍率から大企業への入社を果たしました。
Aさん(某大手IT、総合職)
『人物』
工学部でしたが、大学院から転部し情報科学を専攻。快活な性格。部活は4年間アメフトをやっており、体力には自信あります(アメフト部は強豪ではなかったので、大会で成績を残してはいない)。研究については、国際学会に発表も行っていて、また旅行好きな性格から、海外にもよく行っていて、英語が堪能です(TOEIC 800点台)。他ビジネスコンクールにも参加しており、そちらでは大きな大会で結果を残しています。
『退職時期』
入社から1年半後。退職後ITベンチャー企業に就職。
『退職理由』
企画の業務が行えなかったから。彼はアイデアがよくでる人物で、企画職を志望していました。しかし、初めに配属された部署は法人向けの相対エンジニアの部署でした。その会社は総合職採用であったので、部署は入社後に確定します。ジョブローテーション制度も取り入れている会社でしたので、何年後かには企画職に移れる可能性がありましたが、それを待たずに彼は転職しました。
『振り返り』
彼は就職活動中、もし希望部署に行けなくても、ジョブローテーションがあるから問題ないと言っておりました。しかし、彼のやりたいこととして、新しい製品・アプリの企画が、彼自身も気づかないほど非常に大きかった為、転職に至りました。嫌いな事や興味のない仕事を何年も行い続けるのは、想像以上に大きな苦痛を伴います。彼はその認識が甘く、また自己分析を十分行っていなかったことにより、業務のミスマッチがおこりました。
Bさん(某大手自動車メーカ、開発)
『人物』
温和な性格で、コツコツ真面目に勉学に励んでいました。留学生援助のサークルに入っており、人の世話をするのが好きな性格です。バイトは塾講師を行っており、趣味は読書で、年間100冊以上は読む読書家です。(変わった本が好きでしたが・・・。)
『退職時期』
入社から1年未満
『退職理由』
書籍関係の仕事をしたかったから。彼は自分の研究の延長で、それを生かせそうな会社を選びましたが(志望動機が書きやすいので)しかし、実際に業務が始まると、やはり違和感しか感じず、その仕事を後40年続ける自信がなくなった為退職しました。
『振り返り』
彼は同様に出版関係の企業も受験していましたが、採用されず結局はメーカに入社することになりました。しかし、彼の興味はやはり本にあり、それは大企業の給与や対偶と比べても勝っていた為、転職するに至りました。Bさんは就活中の自己分析の結果、自分のやりたいことは趣味で行い、仕事はお金を稼げて安定していればそれで良い、と考えていました。しかしそれは間違いであったことに彼は入社してからようやく気付きます。
上記の人たちは、きちんと自己分析を行っていれば、入社した会社がいかに自分の欲求とかけ離れているかを、就職活動中に理解出来たはずです。適した会社に入社出来ていれば、ミスマッチも発生せず、転職の手間もかかりませんでした。
はっきり言って、自分の将来と、新卒のカードを舐めていたとしか言いようがないです。自分の就活の軸を確定せずになんとなく回りに流されて、内定を貰っていては企業もその人も不幸になるだけです。
最後に
内定はゴールではなくスタートです。
そこから後40年ほど、あなたの会社人生は続きます。その事実に目を背けず目先の内定に捉われない自己分析及びOB・OG訪問をもう一度してみましょう。取りあえずその場凌ぎで内定をもらった会社だと、入社後に待っているのは非常に辛い現実です。
日本の就活戦線において、新卒は何より強く、人生一度きりの貴重なカードです。この文章を読んで、一人でもそのカードを無駄遣いしない人が出たら、これ以上嬉しいことはありません。
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