はい、ウマキです!
今回はSE(システムエンジニア)とNE(ネットワークエンジニア)を比較した記事を書きます。NEは文系からの就職にも向いていますので、文系でIT系を目指して就職活動している方の選択肢の一つになれば幸いです。
まず始めに、NEという言葉を聞いたことはありますか?
SE(システムエンジニア)なら聞いた事あるけどNEは聞いた事ないな・・・って人が多いのではないでしょうか。
NEはネットワークエンジニアの略称で、主にルータやスイッチ等のネットワーク関連機器を用いてネットワーク設計、構築を行います。
【2019/12/11 追記・リンク修正】
私も就職するまでその業務内容について詳しくは知りませんでした。
現在、私は大企業でネットワークエンジニアとして働いていますが、このマイナーな職種の利点を少しでも多くの人に知ってもらえればと思います。
- 文系の方で就職活動中、SEに興味が湧いた方
- 転職活動を考えていて、他分野からSEを志望する方
など、システムエンジニアとして働こうかな・・・と漠然と考えている方は、ちょっと視野も広げてネットワークエンジニアも含めて考えてみては如何でしょうか。
目次
ネットワークエンジニアについて
ネットワークエンジニアの業務内容
ネットワークエンジニアとは、個々のコンピュータをスイッチやルータといわれる専用機器に接続しそれを介して、データを快適に送受信できるネットワークシステムを作るエンジニアを指す。そのネットワークシステムの設計、構築、運用がネットワークエンジニアの仕事である。
ここでルーターというと皆さんは一番馴染み深い、無線LANルーターを思い浮かべるかも知れません。よく見かけ、家庭でも設置してあるのは以下のような製品ですよね。
例:Buffalo製の無線LANルーター
しかし、ここで指しているルーターとは一般的にCisco社のルーターを指します。
例:CISCO 1921/K9
上記のルーターは現在かなり広く普及しており、企業のサーバールームには必ず何台か設置してあるはずです。
無線LANルーターとは機能も全く異なり、ルーティングプロトコルの制御を行う事が可能です。
ネットワークエンジニアの業務内容は、これらルーターやスイッチなどの機器を使い、企業のネットワークを設計し、正常な通信を提供する事が主になります。
詳細については、以下のネットワークエンジニアの仕事内容や年収を書いた記事を参考にしていただければ幸いです。
ネットワークエンジニアとシステムエンジニアの違い
システムエンジニアは、様々なプログラミング言語を用いて「システム」開発を実施します。ネットワークエンジニアはネットワーク機器を用いて通信を実現させるのが仕事になります。
端的に言えば、担当しているレイヤが異なると言えるでしょう。
さて、ちょっと難しい言葉になりますが、『OSI参照モデル(※)』という言葉はご存知でしょうか。
※OSI:Open Systems Interconnection の略称
基本的にPC同士で通信を行う際は、上記のようなそれぞれ独立した7つの層を順番に通ってデータをやりとりします。(詳細な説明は長くなるので、今はそうなのだと理解して下さい。)
層がそれぞれ独立しているという所がポイントになります。
システムエンジニアはアプリ開発や、ソフトウェアの企画や設計などの上位レイヤを担当し、ネットワークエンジニアはネットワーク機器を扱う下位レイヤを担当しています。
なので、同じようなエンジニアに見えるかもしれませんが、全く違う層を扱っているので、業務内容や必要知識も完全に異なる訳です。
さて、上記のような図だと、下位レイヤを担当するNEがSEの下請けのように見えますが、それはありえません。各々独立した業務となります。
※分かりやすさ重視の為、かなり簡略化及び曲解して説明しています。
NE(ネットワークエンジニア)のおすすめポイント!
機器的に縛りがある
アプリやシステムは自由度が高い為、基本的にお客様から無茶ぶりを振られても、『不可能である』とは言えません。
しかし、上記で説明したレイヤが下に行けばいくほど機器的な縛りがある為、『それは機器の仕様的に不可能ですという』という言葉が使えます。
一見何のことはないように思えますが非常に重要です。
SEの方ならば、お客様に殺意を覚えるような無茶な要求を幾度となくされていると思います。
プログラムを組んだことがある人ならば分かるかと思いますが、基本的に設計次第で何でも出来ます。その為、涙を飲み激務に耐えながらお客様の無茶ぶりに答える事が多々あるわけです。
しかし、NEは機器ベースでの話になるので、機器にその機能が携わっていないと、実現が難しいと言い切る事が出来ます。
お客様の無茶ぶりで涙を流す回数は、おそらくSEよりは少ないはずです。
資格取得が超簡単
システムエンジニアの入門資格に、基本情報技術者試験や、応用情報技術者試験があります。それに該当する、ネットワークエンジニアの入門資格はCCNA(Cisco Certified Network Associate)やCCNP(Cisco Certified Network Professional)となります。
このNEの入門資格、実は非常に取得が簡単で、私の場合は、CCNAは2週間ほどで、CCNPは2ヶ月ほどで取得出来ました。
この資格、テストセンター形式で受験するのですが、出てくる問題がほとんど以下のサイト(クラムメディア)のままなので、丸暗記するだけで取得出来てしまうのです。
資格取得の具体的な方法は、以下のエントリーに詳細に記載していますので、参考にして下さい。
初心者の方でも、非常に取得しやすい資格となっています。
文系の人でもなりやすい
SEは、一般的に「理系」の方が有利だと言われています。勿論文系でも大丈夫ですが、プログラム自体は理系的な論理思考が役立つことが多いと言われています。NEについては、それが全くないと断言できます。
何より、大学などで、ネットワークの知識について深く勉強した事がある人は非常に少なく、新卒であれば理系だろうが文系だろうが、同じスタート地点から出発できる点が魅力的です。
SEの場合、理系は既に大学でプログラミング技術を習得している人が多く、文系から見れば、スタート地点にかなり差が出ます。
新卒であれば、職種をNEで探せば良いですし、もし転職を考えている方であれば、まずはネットワークエンジニアの中でも『保守・運用』を行っている部門に入り、そこで経験を積み、フロントにでる事が良いと思います。
空洞化しにくい
SEは上流に行けばいくほど、技術の空洞化が怒り易くなります。コードを理解していない、なんちゃってSEが巷にゴロゴロいるのが現状です。
しかし、NEでルータのコンフィグ*1が作成出来ない人は、ほとんどいません。
大型案件で、NEの手が回らない場合は下請けベンダにコンフィグ作成を任せたりもしますが、基本的にはNE自身でコンフィグを作成し、構築を行います。
その為、技術力が定着しやすい点も魅力です。
簡単な関連資格で重宝される
ネットワークエンジニアが触る機器はルータやスイッチが多いのですが、それ以外にもファイアウォールや、ロードバランサーなど他機器も構築することがあります。
その中で、一つでも良いので、何か関連資格を取得すると、非常に重宝される人材になる事が出来ます。
なぜならNEで、CCNAやCCNP(ルーターやスイッチの関連資格)を取得している人は多いですが、それ以外の機器の資格を取得している人は圧倒的に少ないからです。
私はその中でもWAN高速化装置のベンダ資格を取得していますが、社内でもその資格を取得している人はほぼおらず、非常に重宝されています。
ニッチなベンダ資格を一つ取るだけで、活躍の場が広がり転職にも有利になります。
お客様へフロント活動も出来る
私はリクルーターなので、よく学生の話を聞くのですが、フロントSE(提案等を行う、一番お客様に近い職種)になりたいという方が、非常に多いです。
では、NEもフロント活動があるのかと言えば、勿論あります。というか私は構築などバック側に近い部分もやりますが、基本的にはフロントのNEです。
フロントSEの場合は新しいアプリ、システムの提案や企画を行うなど、想像がつきやすいかも知れませんが、NEの提案活動もそれと同様です。
NEの場合は、ネットワークの提案を実施します。お客様からヒアリングを行い、クラウドの提案や、高速化の提案、よりセキュアなNW環境の提案など、様々です。
ここでよくある網切り替えの、例をあげましょう。
お客様は最近他会社と合併し、新たに九州支店が増えました。
しかし、合併した会社とお客様が使用している網(ルーターが繋がる先で、他の遠くのルーターと通信出来るものだと考えて下さい。)は異なり、東京⇔九州で通信する際はデーターセンターを経由せねばならず、通信速度も落ち、無駄に費用がかかっています。
そこでNEはこのような提案をします。
見た目的にもすっきりしましたね。全てのルータがA社の網につながっているので、東京⇔九州もデータセンターを経由せず通信が可能になりました。
また、この切り替えを機にクラウドの提案をしたり、リプレイス(古くなった機器の交換)の提案をしたりもします。
技術の寿命が長い
ネットワークはIT業界の中では、非常に新技術の導入について慎重です。例えばアプリであるなら、頻繁にアップデートがありますが、ネットワークの場合、例えばルータを導入したならば、基本それをEoL(end of Life:機器メーカーがその機器のサポートを終了する日)まで使い続けます。
なぜか?
理由は簡単で、機器停止をした時に与える影響が非常に大きいからです。
OSI参照モデルの図を見てもらえれば分かると思いますが、下のレイヤが止まると、それより上のレイヤは全て通信不可になります。
影響範囲が大きすぎて、そうやすやすと交換したり止めたり出来ないのです。
また機器についても、例えば10年前のルーターはCisco1800シリーズを使っていました。そして現在はCisco1900シリーズが主流です。
※Cisco1841 約10年前にはほとんどの企業に導入されていた
機器が違うだけで、使用している技術は一緒でエンジニアに求められる技術も同じです。10年間同じ技術・知識だけで食べていけるIT職は中々存在しないかと。
現在はクラウド化が進んでおり、最近ではSDN技術*2も注目を集めています。
サーバー等の知識も必要とされてきていて、NEはSIerに近い形になっていますし、新技術によりNEの仕事も多様化しています。しかし、ベースとなるルーターやスイッチの知識は10年前と変わらず、現在も必要とされています。
まとめ
以下、簡単にネットワークエンジニアのおすすめポイントについて纏めます。
- 機器的な縛りがあり、お客様の無茶ぶりに答える事がSEより少ない
- 資格の取得が非常に容易
- 文系も、理系と同じスタート地点で始められる
- 技術力が定着しやすい
- 簡単な関連資格で非常に重宝される
- フロント活動も可能
- 技術の寿命が長い
以上です。これで少しはネットワークエンジニアの職の良さが伝わったでしょうか。
また、この仕事はやりがいも大きく、私の担当するお客様が、海外約100拠点の大規模切り替えを行いました。私は1年ほどPMとして関わっていたのですが、構築が完了した時の達成感は本当に大きなものでした。
※私と同業のネットワークエンジニアの人は、本記事について色々突っ込みたいこともあるかも知れませんが、NEを知らない方を対象に、分かりやすさ優先で書きましたので、大目に見て頂けると幸いです。
どうでしょうか!
もし、文系の方でエンジニアになりたいなと思っている人や、転職で新たにSEを目指している人は、その選択肢の中に是非NEも追加してみて下さい。
私は元々SE志望でしたが、何故か今はネットワークエンジニアです。しかし、こちらの方が性にあっていたようで、現在も楽しく働いています。
この記事を読んで、もしNEに少しでも興味を持ってくれる人がいたならば幸いです。
『追記』
システムエンジニアの場合は略して「SE」、プログラマーは「PG」と名称がありますが、ネットワークエンジニアの場合は略して「NE」なのですが一般的にそのように呼ばれることはあまりありません。
また、ネットワークエンジニアの場合は、提案 ・ 設計 に従事している技術者を「SE」、構築 ・ 保守に従事している技術者の事を「CE」と定義しています。
SEはシステムエンジニアと同様の略ですが、ネットワークシステムのエンジニアという観点からネットワークエンジニアでも「SE」と定義しているのです。
今回、差別化しやすくする為、NEという名称を使いましたが、実は私は社内ではSEと呼ばれています。この分野について知らない方は非常に混同しやすいと思うのですが・・・。ネットワークシステムのエンジニアなので『SE』となります。
エンジニアにおすすめのサイト紹介
以下、現役ネットワークエンジニアの私が重宝しているサイトを紹介します。業務を手助けしてくれたり、自身のスキルを伸ばしてくれるサイトなので、興味のある方は、是非チェックしてみて下さい!
teratail(テラテイル)
エンジニア特化型のQ&Aサイトとなります。Yahoo!知恵袋などのエンジニア版と言えば、分かりやすいでしょうか。
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個人的にサイトデザインも気に入っていますので、未チェックの方は、是非一度『teratail』の公式サイトを覗いてみましょう。
また、teratail(テラテイル)の利用方法やメリットを、以下の個別エントリーで詳しく書いているため、そちらも参考にして下さい!
ネットビジョンアカデミー
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未経験・文系からエンジニア転職を考えている方へ
未経験や新卒で文系の方で、SEやNEなどのエンジニアに興味を持つ方も多いのではないでしょうか。
本項では、私が実際に利用したエンジニア向けの転職エージェントを紹介します。以下のエージェントは全て、担当者の対応が非常に丁寧でしたが、特に【ワークポート】は親身になって、キャリア相談に乗ってくれました。
20代であれば、たとえ未経験でも、企業が広く門戸を開いており、実際にエージェントとお話すれば、意外なほど採用枠がある事に気づくはずです。エンジニアの世界に興味があるけれど、不安な要素が多い方や、現在の自身のキャリアパスを見直したい方は、是非一度相談に行ってみましょう!
1位 ワークポート
IT業界に強い転職エージェントの中でも、特におすすめの会社です。エージェントの対応が非常に良く、私の場合、初回面談で2時間以上キャリア相談に乗って頂けました。
『熟考して、転職をしないという選択も、転職の一つの選択肢』
と、担当者から言って頂けたことが非常に印象的でした。
このように、エージェントの利益にならない提案も行ってくれたのは、本エージェントが初めてでした。
紹介される求人も殆ど正社員のものばかりで、ユーザーによって、納得いくまでキャリアの相談に乗ってくれる点も非常に好印象でした。
より詳細については、以下個別エントリーを参考にして下さい!
文系の方で、SEへの転職に悩んでいる方は、是非一度面談してみましょう。きっと丁寧なヒアリングで悩みが解消されるはずです。
2位 株式会社ギークリー
【ワークポート】と同様、特化型転職エージェントのため、業界の主要企業との太いリレーションを持っている点が、大きな魅力です。
また、実際に面談してみて分かったのですが、エージェントは業界に非常に詳しく、何より丁寧でした。
リクルートキャリア社の「紹介求人案件満足度部門」と「カウンセリング・対応満足度部門」で1位を獲得しているのですが、それも頷けるほどでした。
より詳細については、以下個別エントリーを参照して下さい。
担当者はかなり求人紹介に積極的なため、早期でエンジニアの転職を考えている方にとって、おすすめのエージェントとなります。
3位 レバテックキャリア
レバレジーズ株式会社が送る、エンジニア特化型転職エージェントです。上記2社と比較し、まだ歴史は浅く、求人数については、やや弱い印象ですが、その分、熱のこもったサポートを受ける事が出来ます。
担当者の熱意やフォロー姿勢については、本エージェントが一番強いように感じました。またヒカラボなどのエンジニア向け勉強会も無料で開講している為、それらを利用するだけでも、自身の知見が大きく広がるかも知れません。
利用体験談については、以下個別エントリーを参考にして下さい。
レバテックキャリアに登録して、エージェントの面談を受けたい方は、以下から無料会員登録を行いましょう。
4位 マイナビエージェントIT
IT系志望であるならば、まずは大手であるマイナビには登録しておいた方が良いです。前評判で担当者の当たり、外れが大きいと聞いていたのですが、私が転職活動をした時は、中々要求を飲みこんでくれないエージェントでした・・・。
※友人が転職活動した際は非常にお世話になったそうですが。
中小向けの案件はかなり多い印象ので、NE求人もチラホラありました。
次点 株式会社ジェイック(研修制度がおススメ)
こちらは20代の第2新卒、既卒、フリーターに絞った範囲で就活をサポートして貰えます。かなり営業職に強い印象でした。無料で受けられる、営業体験の研修は中々面白く為になりました。(私がやったことない分野であったので)。ただ、確かに全て正社員の求人でしたが、ちょっと微妙という・・・。
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