宮部みゆきのおすすめ本23選|ランキングで紹介!

今回は、宮部みゆきのおすすめ本をランキング形式にて紹介していきます。

多くの名作を出版している著者ですが、数が多すぎて、どれから読み進めれば良いのか分からないという方は、ぜひ参考にして下さい!

以下、目次となります。

宮部みゆきとは?略歴を語る!

1960年生まれ。東京都出身。東京都立墨田川高校卒業。法律事務所等に勤務の後、87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。

1992年 「龍は眠る」で第45回日本推理作家協会賞長編部門、同年「本所深川ふしぎ草紙」で第13回吉川英治文学新人賞。

1993年 「火車」で第6回山本周五郎賞。

1997年 「蒲生邸事件」で第18回日本SF大賞。

1999年 「理由」で第120回直木賞。

2001年 「模倣犯」で毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞 、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門をそれぞれ受賞。

2007年 「名もなき毒」で第41回吉川英治文学賞受賞。2008年 英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award 受賞。

(引用:宮部みゆき | 『大極宮』公式ホームページ

日本を代表する推理小説家の一人です。

デビュー以後、精力的に活動を続けており、サスペンス小説に留まらず、様々なジャンルの作品を世に送り出しています。

また、テレビゲーム好きを公言しており、それが高じて、ゲームのノベライズなどの著書もあります。

宮部みゆきのおすすめ本ランキング|1位~10位

1位:模倣犯

  • 発行日:2001年3月
  • 発行元:小学館
  • 受賞歴:毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門受賞
  • 備考 :映画化及びドラマ化済

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、「犯人」は「右腕は鞠子のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。

ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった――。未曾有の連続誘拐殺人事件を重層的に描いた現代ミステリの金字塔、いよいよ開幕!

(引用:宮部みゆき 『模倣犯〔一〕』 | 新潮社

宮部みゆきの代表作となる一冊です。

私同様、本書をきっかけとして、彼女の小説にハマった方も多いのではないでしょうか。

上下巻で1400ページにも及ぶ長編大作ですが、そのページ分量を苦痛に感じさせないほど、読者をぐいぐいと物語へと引き込みます。

劇場型犯罪をテーマとした小説の中で、一番の傑作と言えます!

2位:ソロモンの偽証

  • 発行日:2012年8月~10月
  • 発行元:新潮社
  • 備考 :映画化済・第10回本屋大賞第7位

クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。

謎の死への疑念が広がる中、「同級生の犯行」を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった。

拡大する事件を前に、為す術なく屈していく大人達に対し、捜査一課の刑事を父に持つ藤野涼子は、級友の死の真相を知るため、ある決断を下す。

それは「学校内裁判」という伝説の始まりだった。

(引用:宮部みゆき『ソロモンの偽証』|特設サイト|新潮社

1冊700ページ超で3部作という、超大作サスペンス小説です。

宮部みゆきが9年の歳月をかけ書き上げた傑作であり、その熱量の高さと、卓越した筆致を堪能することが出来ます。

物語終盤の中学生が裁判するシーンは、やや違和感がありましたが、それ以上に伏線が一気に回収される様は圧巻で、大きなカタルシスを感じることが出来ました。

映画化作品も、中々良い出来なので、気になる方は、そちらもチェックしてみましょう!

3位:ぼんくら

  • 発行日:2000年4月
  • 発行元:講談社
  • 備考 :NHKドラマ化済

長編時代ミステリー。長屋からひとりずつ人が消えていく。

店子を襲った殺し屋、差配人の出奔、謎の新興宗教騒ぎ。

江戸下町の長屋で連続する事件の裏の陰謀に、同心・井筒平四郎と超美形少年・弓之助が挑む。

(引用:『ぼんくら』(宮部 みゆき)|講談社BOOK倶楽部

現代ミステリーが有名な宮部みゆきですが、時代劇作品も多く扱っています。

本書はその中でも江戸を舞台として、主人公平四郎を中心に、人情味あふれたキャラクターが物語を彩ります。

時代考証も完璧なため、読み進めるうちに、江戸の長屋が眼前にあるかのような錯覚を覚えるでしょう。

もし、本作が気に入った方は、シリーズ続編である「日暮らし」、「お前さん」もチェックしてみて下さい!

宮部みゆきの時代物の入門編としても、おすすめの作品です!

4位:魔術はささやく

  • 発行日:1989年12月
  • 発行元:新潮社
  • 受賞歴:日本推理サスペンス大賞受賞
  • 備考 :ドラマ化済(2回)

それぞれは社会面のありふれた記事だった。

一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。

何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。

さらに魔の手は四人めに伸びていた・・。

だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。

(引用:宮部みゆき 『魔術はささやく』 | 新潮社

高い構成力と、複雑に絡み合ったプロットを楽しめる、極上サスペンス小説です。

タイトルに「魔術」という記載があるように、催眠やサブリミナル効果を扱った作品のため、他の推理小説にはない、独特の読み味に仕上がっています。

スピード感ある物語なので、読み始めると、一気にラストまで行けるはずです!

5位:龍は眠る

  • 発行日:1991年2月・1995年1月
  • 発行元:出版芸術社・新潮文庫
  • 受賞歴:第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞
  • 備考 :テレビドラマ化

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。

「僕は超常能力者なんだ」。

その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ・・。

(引用:宮部みゆき 『龍は眠る』 | 新潮社

サイキック能力に焦点を当てた、傑作サスペンス小説です。

物語としては、雑誌記者である高坂と、超能力を持つ少年が出会い、事件を解決していくのが大筋の流れとなります。

本書でも、宮部みゆきの筆力が遺憾なく発揮されており、超能力者の描写も綿密で、まるで実在するかのように、リアリティがありました。

また、異形の能力を持つ人の苦悩や葛藤も、余すことなく語られており、より深く感情移入することが出来ました。

宮部みゆき氏は本作以降も、超能力をテーマとした著書を多く出版しているため、そのジャンルの入門書としても、おすすめです!

他、超能力を扱った作品としては「クロスファイア」などが挙げられます。

6位:火車

  • 発行日:1992年7月、1998年1月
  • 発行元:双葉社、新潮文庫
  • 受賞歴:第6回山本周五郎賞
  • 備考 :テレビドラマ化

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――。

なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?

いったい彼女は何者なのか?

謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。

(引用:宮部みゆき 『火車』 | 新潮社

哀しく、しかし強く惹きつけられる、本格的な社会派ミステリーの名作です。

物語の流れとしては、失踪した関根彰子と名乗る人物を、休職中の刑事である本間俊介が追うストーリーとなります。

最初は単純な捜査のように描写されますが、情報を収集するうちに、様々な真実が浮かび上がり、それらが濃厚に絡まり合います。

また何より、物語が進めば進むほど、「関根彰子と名乗る女性」の真実が浮き彫りになる構成が素晴らしかったです。

社会の闇をまざまざと描いた傑作です。ラストも秀逸で必見です!

7位:名もなき毒

  • 発行日:2006年8月
  • 発行元:幻冬舎
  • 受賞歴:第41回吉川英治文学賞受賞
  • 備考 :杉村三郎シリーズ2作目・TBSオンデマンド化

編集者・杉村三郎はアシスタントの身上調査のため、私立探偵のもとを訪れる。

そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。

(引用:名もなき毒 | 株式会社 幻冬舎

本作は、杉村三郎シリーズの2作目に当たり、他作品については以下の通りになります。

  • 誰か Somebody
  • 名もなき毒(本作)
  • ペテロの葬列
  • ソロモンの偽証(文庫版下巻収載の書き下ろし中編「負の方程式」に収録)
  • 希望荘
  • 昨日がなければ明日もない

前作「誰か Somebody」を未読の方でも、本作から楽しめますが、本作に前作のネタバレが出てくるため、両方楽しみたい方は、素直に前作から読んだ方が良いでしょう。

ラストまで読めば、タイトルの「毒」の意味が深く理解できるはずです!

8位:ブレイブ・ストーリー

  • 発行日:2003年3月
  • 発行元:角川書店
  • 受賞歴:英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award 受賞
  • 備考 :漫画化、アニメ映画化、ゲーム化済

僕は運命を変えてみせる。

両親の離婚を受け入れられない11歳の少年は、その現実を覆すため、怪物たちの棲む異世界へと旅立った!

波乱万丈の物語。

(引用:ブレイブ・ストーリー 上 宮部 みゆき:文芸書 | KADOKAWA

宮部みゆき著のファンタジー小説の中でも、代表的な一作です。

「幻界」という異世界を舞台として、主人子ワタルと、その仲間であるキ・キーマや、ミーナとの冒険譚を描きます。

読むと、まるでRPGの世界に入り込んだかのような錯覚を受けるため、ゲームが好きな読者は、ワクワクして読み進めることが出来るでしょう。

前半はやや冗長ですが、ワタルが幻界に到達した後、物語は加速します!

9位:孤宿の人

  • 発行日:2005年6月
  • 発行元:新人物往来社

北は瀬戸内海に面し、南は山々に囲まれた讃岐国・丸海藩。

江戸から金比羅代参に連れ出された九歳のほうは、この地に捨て子同然置き去りにされた。

幸いにも、藩医を勤める井上家に引き取られるが、今度はほうの面倒を見てくれた井上家の琴江が毒殺されてしまう。

折しも、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩へ入領しようとしていた。やがて領内では、不審な毒死や謎めいた凶事が相次いだ。

(引用:宮部みゆき 『孤宿の人〔上〕』 | 新潮社

宮部みゆきの他の時代小説とは異なり、「丸海藩」という架空の藩を舞台にした物語です。

重苦しい雰囲気が漂う背景描写の元、主人公ほうを中心とした様々な人物の人間模様が描かれます。

痛切な描写が多く、読み進めるうちに切なさが募りますが、そのような陰鬱とした著書だからこそ、ほうの純真さが輝いて見えました。

悲惨な境遇にも負けず、必死に生き抜く「ほう」の生き様に、きっとあなたも胸を打たれるはずです!

10位:この世の春

  • 発行日:2017年8月・2019年11月
  • 発行元:新潮社・新潮文庫

それは亡者たちの声?それとも心の扉が軋む音?

正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。

目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。

悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。

21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!

(引用:宮部みゆき 『この世の春 上』 | 新潮社

やや高すぎる順位かもしれませんが、宮部みゆきの作家生活30周年を彩る記念碑的作品のため、本順位としました。

精神障害と、江戸の舞台を掛け合わせ、宮部みゆきが調理すると、このような仕上がりになるのかと、思わず唸ってしまうストーリーでした。

もちろん、彼女の得意とする、謎が謎を呼ぶ複雑なプロットは本作でも健在であり、より円熟味を増しています。

ミステリアスかつ、重厚で読み応えのある時代物を探している方は、ぜひ手に取ってみましょう!

宮部みゆきのおすすめ本ランキング|11位~20位

11位:ステップファザー・ステップ

  • 発行日:1993年3月・1996年7月
  • 発行元:講談社・講談社文庫
  • 備考 :ドラマ化済

学生の双子の兄弟が住む家に落っこちてきたのは、なんとプロの泥棒だった。

そして、一緒に暮らし始めた3人。まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。

(引用:『ステップファザー・ステップ』(宮部 みゆき):講談社文庫

明るく、軽快なタッチで描かれる、コメディ色の強い疑似家族の物語です。

両親が駆け落ちし、二人で生活している双子の元に、泥棒である「俺」が遭遇し、父親役を演じるという、何とも突拍子もない設定ですが、宮部氏の手腕により、上手く仕上がっています。

ミステリーや重めの小説に疲れ、息抜きできる作品を探している方は、ぜひ手に取ってみて下さい!

続編がないのが惜しまれる作品です。

12位:理由

  • 発行日:1998年6月
  • 発行元:朝日新聞社
  • 受賞歴:第120回直木賞
  • 備考 :映画化・ドラマ化済

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか。

東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。

ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった。

ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。

(引用:宮部みゆき 『理由』 | 新潮社

高級マンションでの殺人事件を発端として、様々なキャラクターが絡まり合う名作です。

ジャーナリストが関係者にインタビューし、その発言から、前後関係や複雑な背景が浮き彫りになるという、社会派小説と、ミステリ小説を掛け合わせたような形態をとっています。

登場人物がやや多いため、慣れていない人は少し混乱するかも知れません。

13位:スナーク狩り

  • 発行日:1992年6月
  • 発行元:光文社カッパ・ノベルス
  • 備考 :TBSドラマ化、漫画化

その夜。関沼慶子は散弾銃を抱え、かつて恋人だった男の披露宴会場に向かっていた。すべてを終わらせるために。

一方、釣具店勤務の織口邦男は、客の慶子が銃を持っていることを知り、ある計画を思いついていた。

今晩、銃を奪い、「人に言えぬ目的」を果たすために・・。いくつもの運命が一夜の高速道路を疾走する。

人間の本性を抉るノンストップ・サスペンス!

(引用:スナーク狩り 宮部みゆき | 光文社文庫 | 光文社

ルイスキャロルの散文詩から引用された題名を持つ、ノンストップサスペンス小説です。

たった一夜の物語ですが、並行的な時間軸の元、各キャラクターが錯綜し合い、読者を惹きつけます。

まるで、ブレーキを失った暴走車のように、高いテンションのまま物語は進行するため、一度読み進めると、中々手を止めるのが難しいでしょう!

あまり有名ではない本書ですが、個人的にはおすすめの一冊です!

14位:パーフェクト・ブルー

  • 発行日:1989年2月・1992年12月
  • 発行元:東京創元社・創元推理文庫
  • 備考 :テレビドラマ化済

地元の高校球児のスター・諸岡克彦が、謎の死を遂げた。

それは、全身にガソリンをかけられ、火だるまになるという残忍で奇怪な事件だった。

偶然その場に居合わせた、弟の進也、蓮見探偵事務所の加代子、そして「俺」は、その死の謎を解き明かすべく捜査を開始する。

(引用:宮部みゆき 『パーフェクト・ブルー〈新装版〉』 | 新潮社

宮部みゆきの単行本の記念すべき第一作となります。

元警察犬「マサ」の視点により、事件を描くという非常に珍しい方式を取った小説です。

初期作品のため、以降の著書と比較して、やや拙い点も目立ちますが、それでもプロットの巧みさや、ラストの展開は、やはり宮部みゆきを彷彿させる出来となっています。

もし、本書を気に入ったのであれば、続編である「心とろかすような―マサの事件簿」も手に取ってみましょう!

15位:希望荘

  • 発行日:2016年6月
  • 発行元:小学館
  • 備考 :杉村三郎シリーズ4作目

今多コンツェルン会長の娘である妻と離婚した杉村三郎は、愛娘とも別れ、仕事も失い、東京都北区に私立探偵事務所を開設する。

ある日、亡き父が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調べてほしいという依頼が舞い込む。

依頼人によれば、父親は妻の不倫による離婚後、息子との再会までに30年の空白があったという。はたして本当に人殺しはあったのか――。

(引用:文春文庫『希望荘』宮部みゆき | 文庫 – 文藝春秋BOOKS

杉村三郎シリーズの4作目に当たる、現代ミステリー小説です。以下、4編の事件から構成される短編集で、比較的読みやすい点が特徴です。

  • 希望荘(表題作)
  • 聖域
  • 砂男
  • 二重身

どの短編もしっかりと作りこまれており、トリックもよく出来ていました。

ぜひ前作「ペテロの葬列」を読了した後に、読んでみて下さい。

16位:我らが隣人の犯罪

  • 発行日:1990年1月
  • 発行元:文藝春秋
  • 受賞歴:第26回オール讀物推理小説新人賞受賞(我らが隣人の犯罪)

僕たち一家の悩みは隣家の犬の鳴き声。そこでワナをしかけたのだが、予想もつかぬ展開に・・・。

他に「この子誰の子」「祝・殺人」などユーモア推理の名篇四作の競演。

(引用:『我らが隣人の犯罪』宮部みゆき | 文庫 – 文藝春秋BOOKS

記念すべき、宮部みゆきのデビュー作となる、「我らが隣人の犯罪」が収録されたミステリー短編集です。表題作を含めて、以下5編にて構成されています。

  • 我らが隣人の犯罪
  • この子誰の子
  • サボテンの花
  • 祝・殺人
  • 気分は自殺志願

全体的にほっこりした話が多く、誰も死なないミステリーのため、その点でも安心して読み進めることが出来ます。

宮部みゆきの原点になった作品ですね!

17位:クロスファイア

  • 発行日:1998年10月
  • 発行元:光文社カッパノベルス
  • 受賞歴:1999年「このミステリーがすごい!」15位
  • 備考 :漫画化・映画化済

青木淳子は常人にはない力を持って生まれた。念じるだけですべてを燃やす念力放火能力――。

ある夜、瀕死の男性を「始末」しようとしている若者四人を目撃した淳子は、瞬時に三人を焼殺する。

しかし一人は逃走。淳子は息絶えた男性に誓う。

「必ず仇はとってあげるからね」

正義とは何か!?裁きとは何か!?哀しき「スーパーヒロイン」の死闘を圧倒的筆致で描く!

(引用:クロスファイア[上] 宮部みゆき | 光文社文庫 | 光文社

パイロキネシスの能力を持つ、青木淳子を主軸として展開する、SFサスペンス小説です。

宮部みゆき著作の中では珍しいダークヒーロー的な話ですが、各キャラクターの深堀がしっかりとされており、感情移入して読み進めることが出来ました。

超能力系の話が好きな方にとっては、間違いなく満足できる作品です

18位:楽園

  • 発行日:2007年8月
  • 発行元:文藝春秋
  • 備考 :WOWOWドラマ化

 『模倣犯』の中で大活躍したフリーライター・前畑滋子が再び登場。

現在はフリーペーパーのライターをしている滋子のもとに、萩谷敏子という女性が現れる。

事故で死んだ12歳の息子が、実は予知能力者かも知れないので、その真偽を調べて欲しいという依頼だった。

彼は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、自分が描いた「絵」でそれを予言したという・・。

(引用:『楽園 上』宮部みゆき | 単行本 – 文藝春秋BOOKS

「模倣犯」のフリーライター・前畑滋子が活躍するスピンオフ作品です。

初めは、超能力の話が主題になりますが、読み進める内に、どんどん物語は醸成され、奥深いストーリーへと変化します。

模倣犯を読んでいなくても、問題なく読めますが、前畑滋子の背景を知るためにも、ぜひ前作を読んでからチャレンジしましょう!

最後まで読めば、表題の「楽園」の意味が分かるはずです。

19位:レベル7

  • 発行日:1990年9月
  • 発行元:新潮社
  • 受賞歴:第44回日本推理作家協会賞(長編部門)候補
  • 備考 :ドラマ化済

レベル7まで行ったら戻れない――。謎の言葉を残して失踪した女子高生。

記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。

少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。

二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。

ミステリー・サスペンスの最高峰、著者初期の傑作。

(引用:宮部みゆき 『レベル7(セブン)』 | 新潮社

宮部みゆきが描く、初期の傑作サスペンスです。

導入部分の緊迫感は完璧ですが、後半にやや失速したため、本順位としました。

しかし、最終盤の伏線回収やどんでん返しは、宮部みゆきならではであり、十分に読みごたえがありました。

エンターテインメント寄りのミステリーが好きな方であれば、ツボにはまる作品になるでしょう!

20位:長い長い殺人

  • 発行日:1992年9月・1997年5月
  • 発行元:光文社・光文社カッパ・ノベルス
  • 備考 :WOWOWドラマ化・TVドラマ化・映画化

轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。事情聴取を始めた刑事は森元の妻、法子に不審を持つ。

夫を轢いた人物はどうなったのか、一度もきこうとしないのだ。

隆一には八千万円の生命保険がかけられていた。しかし、受取人の法子には完璧なアリバイが・・。

刑事の財布、探偵の財布、死者の財布――「十の財布」が語る事件の裏に、やがて底知れぬ悪意の影が!

(引用:長い長い殺人 宮部みゆき | 光文社文庫 | 光文社

擬人化された財布が主軸となり、ストーリーテリングを行うという、一風変わった手法の名作サスペンス小説です。

財布の視点で語られるため、ミスリードを招きやすく、その点でも読み応えのある小説と言えます。

面白い試みの小説なので、ぜひ楽しみつつ読んでみましょう!

宮部みゆきのおすすめ本ランキング|21位~23位

21位:ICO -霧の城-

  • 発行日:2004年6月・2008年6月
  • 発行元:講談社・講談社ノベルス
  • 備考 :ゲームをノベライズ化

ソニー・コンピュータエンタテインメントが送る名作ゲーム、ICOを、宮部みゆきがノベライズした作品となります。

生贄として、霧の城に幽閉された主人公イコは、不思議な少女ヨルダと出会い、脱出を試みるという物語です。

私と同様に、原作ゲームをプレイした方であれば、情景がより鮮明に思い浮かぶため、没入感を持って、読み進めることが出来るでしょう。

しかし、原作未プレイの場合、本作独特の空気感を掴むことが出来ず、物語に入り込めない可能性が高いため、注意が必要です。

原作ゲームが好きな方は、ぜひ手に取ってみましょう!

22位:誰か Somebody

  • 発行日:2003年11月
  • 発行元:実業之日本社
  • 備考 :杉村三郎シリーズ1作目

財閥会長の運転手・梶田が自転車に轢き逃げされて命を落とした。

広報室で働く編集者・杉村三郎は、義父である会長から遺された娘二人の相談相手に指名される。

一見地味で小さな事件でも、関わるすべての人々の悩みは深い。

そうした悩める人々の生きざまを、著者ならではの温かいまなざしで見つめて描いた、傑作長編ミステリー!

(引用:誰か Somebody|実業之日本社

現在も続く、杉村三郎シリーズの記念すべき1作目となります。

彼女の他ミステリー作品にある劇的なスピード感や、深刻な話はありませんでしたが、詳細な心理描写の元、物語はゆっくりと丁寧に進みます。

ミステリーだけでなく、ヒューマンドラマ作品としても楽しめる一冊のため、凄惨な事件を扱う小説に疲れた方は、息抜きに読んでみると良いでしょう!

23位:昨日がなければ明日もない

  • 発行日:2018年11月
  • 発行元:文藝春秋
  • 備考 :杉村三郎シリーズ5作目

『希望荘』以来2年ぶりの杉村三郎シリーズ第5弾。

中篇3本を収録する本書のテーマは、「杉村vs.『ちょっと困った』女たち」。

自殺未遂をし消息を絶った主婦、訳ありの家庭の訳ありの新婦、自己中なシングルマザーを相手に、杉村が奮闘します。

(引用:『昨日がなければ明日もない』宮部みゆき | 文藝春秋BOOKS

シリーズ5作目となる、杉村三郎が主人公の小説で、以下の3つの中編から構成されます。

    • 絶対零度
    • 華燭
    • 昨日がなければ明日もない

安定の面白さと読みやすさで、手を止めずにどんどん読み進めることが出来ますが、後味が悪い話が多かったのが、玉に瑕でした。

 

宮部みゆきの本が好きな方におすすめの他作家の作品!

宮部みゆき作品が好きな方に向けて、他作家のおすすめ作品を紹介していきます。

どの小説も、宮部氏同様、切り口の鋭い名作サスペンスなので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。

13階段(高野和明)

  • 発行日:2001年
  • 発行元:講談社
  • 受賞歴:第47回江戸川乱歩賞受賞
  • 備考 :映画化済

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。

その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。

処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

(引用:『13階段』(高野 和明):講談社文庫

宮部みゆき氏も絶賛している、ミステリ小説の大傑作です。

高野和明の長編デビュー作となりますが、その異色の完成度から、発売当時、非常に話題となりました。

劇中には常に高いテンションが渦巻き、読み始めると手を止めることが出来ないほど、物語に引き込まれます。

私が知るサスペンス小説の中でも、トップ5に入るほど素晴らしい作品です。

十角館の殺人(綾辻 行人)

  • 発行日:1987年9月
  • 発行元:講談社

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。

館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。

ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!

(引用:『十角館の殺人 <新装改訂版>』(綾辻 行人):講談社文庫

宮部みゆきが、仲の良い友人で、ライバルだと語る、綾辻行人の代表作となるミステリー小説の一つです。

往年の名作と言われているだけあり、伏線の張り方は見事で、トリックのレベルも非常に高いです。

ミステリ好きなら、外せない一冊になるでしょう!

まとめ

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。宮部みゆきのおすすめ作品について、まとめて紹介しました!

この中に、一冊でも気になる本があったのであれば、これ以上嬉しいことはありません!

宮部みゆき氏の著作は多く、まだまだおすすめ作品はあるため、本記事については、機会を見て追記していきます!

他、本関連のエントリーはこちらです!