略語の正式名称74選!食パン・カラオケ・NASAの意外な正式名称を分野別にクイズつきで解説

「カラオケ」「教科書」「NASA」。この3つに共通点があると言われて、すぐにピンとくる人は少ないかもしれません。実はどれも、正式な名前を省略した「略語」なのです。

私たちが普段なにげなく使っている言葉には、略語がたくさん紛れ込んでいます。正式名称を聞くと「そうだったの!」と驚くものや、思わず人に話したくなる意外な由来を持つものも少なくありません。

この記事では、身近な日本語からアルファベットの略語、ビジネス用語まで、74個の言葉の正式名称を分野別にまとめました。各項目に由来やちょっとした雑学も添えているので、読み終わるころには立派な「略語ツウ」になれるはずです。記事の後半には略語クイズも用意したので、ぜひ挑戦してみてください。

略語は、知れば知るほど「言葉って面白い」と思えてきます。さっそく見ていきましょう。

実は略語だった!意外な日本語の正式名称

辞書で言葉の正式名称を調べるイメージ

まずは、略語だと意識せずに使っている日本語からです。漢字やカタカナの裏に、こんなに長い正式名称が隠れていたのかと驚くものばかりを集めました。

カラオケ=空(から)オーケストラ
歌だけで生演奏のないオーケストラ、という意味の言葉です。「空(から)」は中身がないことを表す日本語で、そこに英語の「オーケストラ」を組み合わせた造語になっています。今では「karaoke」として世界中で通じる立派な国際語です。

教科書=教科用図書
学校で使うあの教科書は、法律上の正式名称を「教科用図書」といいます。文部科学省の検定を通った図書という意味で、ニュースや法律の条文では今もこの正式名称が使われています。

食パン=主食用パン
菓子パンに対して、主食として食べるパンだから「主食用パン」を略して食パン、という説が有力です。ほかに、デッサンで使う消し具の「食パン(消しパン)」と区別するために呼んだという説もあり、由来は諸説あります。

経済=経世済民(けいせいさいみん)
「世を経(おさ)め、民を済(すく)う」という意味の四字熟語が語源です。お金もうけのイメージが強い経済という言葉ですが、もともとは政治や社会全体をよく治めるという壮大な意味を持っていました。

軍手=軍用手袋
あの白い作業用手袋は「軍用手袋」の略です。もともと軍隊で使われた手袋だったことが名前の由来で、今では園芸や引っ越しの定番アイテムになっています。

割勘=割前勘定(わりまえかんじょう)
「割前」とは各自が負担すべき金額のこと。それを「勘定(精算)」するので割前勘定、略して割勘です。江戸時代の戯作者・十返舎一九が実践していたという逸話も残っています。

合コン=合同コンパ
複数のグループが合同で行う「コンパ」の略です。さらにコンパの語源は、仲間や会社を意味する「カンパニー(company)」やドイツ語の「コンパニー」だとされています。略語の中に略語が入っている二重構造です。

チューハイ=焼酎ハイボール
焼酎を炭酸で割った「焼酎ハイボール」の略です。ハイボールはもともとウイスキーのソーダ割りを指しますが、焼酎版が縮まってチューハイとして定着しました。

リストラ=リストラクチャリング(restructuring)
英語で「再構築」という意味です。本来は事業の組み替え全般を指す前向きな経営用語ですが、日本では人員削減の意味で使われることがほとんどになりました。

デパート=デパートメントストア(department store)
「department」は部門を意味する英語で、衣料・食品・家具など部門ごとに売り場を分けた大型店という意味です。日本では「百貨店」という立派な訳語もあります。

バス=オムニバス(omnibus)
ラテン語で「すべての人のために」を意味する「omnibus」が語源です。誰でも乗れる乗合馬車を指したのが始まりで、頭が取れて「バス」になりました。複数の物語を集めた「オムニバス映画」も同じ語源です。

ピアノ=クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ
「弱音(ピアノ)も強音(フォルテ)も出せるチェンバロ」という意味のイタリア語です。それまでの鍵盤楽器は音の強弱がつけられなかったため、画期的なこの楽器に長い名前がつき、やがて「ピアノ」だけが残りました。

演歌=演説歌
明治時代、政府への批判を演説の代わりに歌にのせて街頭で歌った「演説歌」が語源とされています。取り締まりを逃れるための表現手段が、のちの大衆歌謡へとつながっていきました。

生協=生活協同組合
大学や地域でおなじみの生協は「生活協同組合」の略です。組合員が出資し、共同で運営する非営利の組織で、大学生協は教科書や食堂でお世話になった人も多いはずです。

特急=特別急行
「特別急行列車」の略です。急行よりさらに停車駅を絞った速い列車という意味で、鉄道の正式な種別名としても「特別急行」が使われています。

ボールペン=ボールポイントペン(ball-point pen)
ペン先に小さな金属のボール(球)が入っていて、それが回転してインクを紙に転写する仕組みです。この「ボールポイント(球の先端)」が名前の由来になっています。

シャーペン=エバー・レディ・シャープ・ペンシル
大正時代、後に家電メーカー「シャープ」を創業する早川徳次が考案した繰り出し式鉛筆の商品名「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」が由来です。ちなみに英語では「mechanical pencil」と呼び、シャーペンは和製英語なので海外では通じません。

電卓=電子式卓上計算機
机の上で使う電子計算機なので「電子式卓上計算機」。これを縮めて電卓です。登場した当初は家が一軒買えるほど高価な精密機械でした。

コンビニ=コンビニエンスストア(convenience store)
「convenience」は便利・好都合という意味の英語です。長時間営業で生活に必要なものがそろう「便利な店」というそのままの意味になっています。

スマホ=スマートフォン(smartphone)
「smart」は賢いという意味で、パソコンのように賢い機能を持った電話、というのが語源です。略し方が国によって違い、英語圏では「smartphone」をそのまま使うことが多いです。

リモコン=リモートコントローラー(remote control)
「remote(遠隔の)」+「control(操作)」で、離れた場所から機器を操作する装置のことです。テレビとともに各家庭へ普及しました。

エアコン=エアコンディショナー(air conditioner)
「air(空気)」の「condition(状態を整える)」機械、という意味です。冷房だけでなく、温度や湿度を含めた空気の状態をまるごと調整する装置を指します。

ファミレス=ファミリーレストラン
家族連れで気軽に入れるレストラン、という意味の和製英語です。英語では「family restaurant」とは言わず「casual dining restaurant」などと表現します。

デジカメ=デジタルカメラ(digital camera)
フィルムではなくデジタルデータで画像を記録するカメラのことです。スマホのカメラに押されつつも、画質や望遠性能で根強い人気があります。

プレハブ=プレファブリケーション(prefabrication)
「pre(前もって)」+「fabrication(製造)」で、工場であらかじめ部材を作り、現場で組み立てる建築工法を指します。工期が短く、仮設の事務所や住宅で活躍します。

インフラ=インフラストラクチャー(infrastructure)
道路・電気・水道・通信など、社会や生活を支える基盤のことです。「下部構造」という意味の英語で、目立たないけれど無くてはならない土台を表しています。

普段使っている日本語が、こんなに長い正式名称の略だったとは驚きですよね。次はアルファベットの略語です。

知ってるようで知らないアルファベット略語の正式名称

アルファベットの略語が並ぶイメージ

続いては、ニュースや日常で飛び交うアルファベットの略語です。頭文字をつなげて一語のように読む「頭字語(とうじご)」と呼ばれるタイプが多く、正式名称を知ると意味がぐっと分かりやすくなります。

NASA(ナサ)=National Aeronautics and Space Administration
アメリカ航空宇宙局のことです。アポロ計画や火星探査で知られる組織で、頭文字をつなげて「ナサ」と一語で読む、頭字語の代表格です。

PCR=Polymerase Chain Reaction
日本語では「ポリメラーゼ連鎖反応」。ごく微量の遺伝子(DNA)を増やして検出する技術で、新型コロナの「PCR検査」で一気に身近な言葉になりました。

DVD=Digital Versatile Disc
「versatile」は多用途・万能という意味です。登場時は映像用の「Digital Video Disc」とされましたが、データ保存など用途が広がったため「多用途ディスク」を意味するVersatileが正式名称になりました。

ATM=Automated Teller Machine
「teller」は銀行の窓口係のこと。つまり「自動化された窓口係の機械」という意味で、人間の代わりにお金の出し入れをしてくれる機械を表しています。

USB=Universal Serial Bus
「universal(共通の)」「serial(直列の)」「bus(伝送路)」で、さまざまな機器を共通の規格でつなぐ接続口という意味です。今やケーブルの世界標準になっています。

LED=Light Emitting Diode
日本語では「発光ダイオード」。電気を流すと光る半導体で、長寿命で消費電力が少ないため、照明や信号機が次々とLEDに置き換わりました。

GPS=Global Positioning System
「全地球測位システム」。人工衛星からの電波を使って地球上の現在地を割り出す仕組みで、スマホの地図やカーナビを支える基盤技術です。

TOEIC(トーイック)=Test of English for International Communication
「国際コミュニケーションのための英語テスト」という意味です。ビジネスシーンでの英語力を測る試験として、就職や昇進の場面で広く使われています。

UNESCO(ユネスコ)=United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization
「国連教育科学文化機関」。教育・科学・文化を通じて世界平和を目指す国連の専門機関で、世界遺産の登録を行うことでも知られています。

WHO=World Health Organization
「世界保健機関」。世界の人々の健康を守るために活動する国連の専門機関で、感染症対策などのニュースで頻繁に登場します。

UFO=Unidentified Flying Object
「未確認飛行物体」。正体が分からない飛行物体すべてを指す言葉で、必ずしも宇宙人の乗り物という意味ではない点がポイントです。

LASER(レーザー)=Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation
「放射の誘導放出による光の増幅」という意味です。普段カタカナで書くので忘れがちですが、レーザーもれっきとした頭字語なのです。

SNS=Social Networking Service
「社会的なつながりを作るサービス」という意味です。ちなみに英語圏では「SNS」より「social media」と呼ぶことの方が多く、SNSという略し方は日本で特に定着したものです。

OPEC(オペック)=Organization of the Petroleum Exporting Countries
「石油輸出国機構」。産油国が集まって石油の生産量や価格を調整する組織で、原油価格のニュースでよく名前を見かけます。

NATO(ナトー)=North Atlantic Treaty Organization
「北大西洋条約機構」。アメリカやヨーロッパの国々による軍事同盟で、国際情勢のニュースに欠かせない言葉です。

PDF=Portable Document Format
「持ち運びできる文書の形式」という意味です。どの端末で開いてもレイアウトが崩れないため、契約書や資料のやり取りで世界中で使われています。

ETC=Electronic Toll Collection System
「電子料金収受システム」。高速道路の料金所で止まらずに支払いができる仕組みで、頭文字をそのまま「イーティーシー」と読みます。

LCC=Low-Cost Carrier
「格安航空会社」。サービスを絞って運賃を安く抑えた航空会社のことで、旅行のハードルを大きく下げた立役者です。

ビジネスで使う略語の正式名称一覧

会議やメールで当たり前のように飛び交うビジネス略語。意味をあいまいなまま使っていると、いざというとき恥をかきかねません。正式名称とあわせて押さえておきましょう。

CEO=Chief Executive Officer
「最高経営責任者」。会社の経営における最高責任者を指します。アメリカ式の役職名で、日本の「社長」と必ずしも同じではない点に注意が必要です。

CFO=Chief Financial Officer
「最高財務責任者」。お金まわり、つまり財務や経理の最高責任者です。CEOを支える重要なポジションとされています。

COO=Chief Operating Officer
「最高執行責任者」。CEOが決めた方針を、現場で実際に動かしていく責任者です。経営トップを「Chief ◯ Officer(CxO)」と表す呼び方の一つです。

IR=Investor Relations
「投資家向け広報」。企業が株主や投資家に向けて、業績や経営方針を発信する活動を指します。決算説明会などがその代表例です。

M&A=Mergers and Acquisitions
「合併と買収」。会社どうしが一つになったり、ある会社が別の会社を買い取ったりすることをまとめてこう呼びます。「アンド」の部分も略さず読みます。

KPI=Key Performance Indicator
「重要業績評価指標」。目標達成までの進み具合を測るための、数値化したものさしのことです。「今月のKPIは…」のように使われます。

PDCA=Plan-Do-Check-Action
「計画・実行・評価・改善」の頭文字です。この4ステップをぐるぐる回して仕事を改善していく手法を「PDCAサイクル」と呼びます。

ASAP(アサップ)=As Soon As Possible
「できるだけ早く」という意味です。メールで急ぎの依頼をするときに使われますが、相手によっては催促が強く響くこともあるので使いどころに注意です。

OEM=Original Equipment Manufacturer
「相手先ブランドによる製造」。他社のブランド名で販売される製品を製造することを指します。コンビニのプライベートブランド商品などが身近な例です。

FYI=For Your Information
「ご参考までに」という意味です。メールの件名や文頭につけて、急ぎではないが知っておいてほしい情報を共有するときに使われます。

TPO=Time, Place, Occasion
「時・場所・場合」。実はこれ、アパレルブランドVANの創業者・石津謙介が考えた和製英語で、英語圏では通じません。服装などを場面に合わせることを表します。

NDA=Non-Disclosure Agreement
「秘密保持契約」。業務で知った機密情報を外部にもらさないと約束する契約のことです。企業どうしの取引でよく交わされます。

ビジネス略語は、正式名称を知ると「なるほど、そういう意味か」と腑に落ちますね。会議でドヤ顔できるかもしれません。

IT・パソコン・ネット略語の正式名称

パソコンとIT略語のイメージ

パソコンやスマホを使っていれば毎日のように目にするIT略語。意味を知ると、デジタル機器の仕組みが少し見えてきます。

PC=Personal Computer
「個人用コンピューター」。もともと大型で高価だったコンピューターが、個人で持てるサイズと価格になったことを表す言葉です。

OS=Operating System
「基本ソフト」。WindowsやmacOS、iOS、Androidなど、機器全体を動かす土台となるソフトウェアのことです。アプリはこのOSの上で動いています。

URL=Uniform Resource Locator
「統一資源位置指定子」。インターネット上のページがどこにあるかを示す住所のようなものです。「https://…」で始まるあの文字列がURLです。

HTML=HyperText Markup Language
「ハイパーテキストを記述する言語」。Webページの骨組みを作るための言語で、見出しやリンク、画像の配置などをタグで指定します。この記事もHTMLで書かれています。

AI=Artificial Intelligence
「人工知能」。人間のような知的な処理をコンピューターで実現する技術の総称です。近年の生成AIブームで、一気に生活へ浸透しました。

IoT=Internet of Things
「モノのインターネット」。家電やセンサーなど、あらゆるモノをインターネットにつなぐ仕組みです。外出先からエアコンを操作できるのもIoTのおかげです。

QRコード=Quick Response Code
「素早い読み取り」を意味します。日本のデンソーウェーブが開発した二次元コードで、バーコードより多くの情報を高速で読み取れるのが特徴です。「QR」は登録商標です。

CPU=Central Processing Unit
「中央処理装置」。計算や命令の処理を一手に担う、パソコンの頭脳にあたる部品です。性能が高いほど処理が速くなります。

IP=Internet Protocol
「インターネットの通信規約」。ネットにつながる機器を識別する「IPアドレス」のIPがこれです。データを正しい相手に届けるためのルールを定めています。

ID=Identification
「識別・身分証明」。ユーザーIDや社員IDなど、誰なのかを見分けるための番号や記号を指します。パスワードとセットで使うのが基本です。

食べ物・商品名の意外な正式名称と由来

毎日のように口にする食べ物や、おなじみの商品名にも、知られざる正式名称や由来が隠れています。ここはちょっとした雑学の宝庫です。

Suica(スイカ)=Super Urban Intelligent Card
JR東日本の交通系ICカードで、「都市生活に役立つ超高機能カード」といった意味です。さらに「スイスイ行ける」イメージと果物のスイカをかけており、後から頭文字に意味を持たせた言葉遊びにもなっています。

モスバーガー=Mountain Ocean Sun
「MOS」は山(Mountain)・海(Ocean)・太陽(Sun)の頭文字です。「山のように気高く、海のように深く広い心で、太陽のように燃える情熱を持って」という創業者の思いが込められています。

ソフトクリーム=ソフトサーブアイスクリーム(soft serve ice cream)
やわらかい状態で提供するアイスクリーム、という意味の「soft serve」が語源です。「ソフトクリーム」という言い方自体は和製英語で、英語圏では「soft serve」と呼びます。

コンビーフ=corned beef(コーンドビーフ)
「corn」はトウモロコシではなく、粒状の岩塩を意味します。つまり「塩漬けにした牛肉」が正式な意味で、コンビーフにトウモロコシは一切入っていません。

ペペロンチーノ=アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ
イタリア語で「ニンニク・オイル・唐辛子」という意味のフルネームです。日本では最後の「ペペロンチーノ(唐辛子)」だけを取って料理名にしていますが、本場では具材を並べた長い名前で呼ばれます。

実は略語じゃない!勘違いされやすい言葉

略語だと思われがちなのに、実はそうではない言葉もあります。よく知られた「正式名称」が、後から作られた俗説だったというケースです。ここを正しく知っていると、ちょっとした物知りになれます。

よくある勘違い
これから紹介する3つは、もっともらしい「正式名称」が広まっていますが、いずれも後付けの俗説です。正しい由来を押さえておきましょう。

Wi-Fi=(実は何の略でもない)
「Wireless Fidelity(ワイヤレス・フィデリティ)の略」と紹介されることが多いのですが、これは誤りです。Wi-Fiを名付けた業界団体の関係者は「Wi-Fiは何の略でもない」と明言しています。高音質を意味する「Hi-Fi」に語感を似せて作られたブランド名で、後から宣伝文句として「Wireless Fidelity」が添えられたにすぎません。

NEWS=(東西南北の略ではない)
「North・East・West・South(北・東・西・南)の頭文字」という説が有名ですが、これは学校などで広まった俗説です。正しくは「new(新しい)」を複数形にした言葉で、「新しい出来事=新しいこと(new things)」が語源とされています。フランス語やドイツ語でも「新しい」を表す語からニュースを意味する単語ができており、これが言語学的な通説です。

SOS=(Save Our Soulsの略ではない)
遭難信号のSOSは「Save Our Souls(我らの魂を救え)」の略と言われますが、これも後付けです。本来は、モールス信号で「・・・―――・・・」と打つと分かりやすく覚えやすいという理由だけで選ばれた符号です。意味のある略語ではなく、後から語呂のいい言葉が当てはめられました。

このように、本当の略語ではないのに、頭文字に後から意味を持たせた言葉を「バクロニム(backronym)」と呼びます。Suicaのように、企業が意図的にバクロニムを作る例もあります。

遭難信号やモールス信号についてもっと知りたい方は、以下の記事もどうぞ。

「Wireless Fidelityの略」と自信満々に言っていた人、ドキッとしたかもしれませんね。正しい知識でそっと訂正してあげましょう。

略語クイズに挑戦!正式名称を当ててみよう

ここまで読んだ知識の総まとめです。次の略語の正式名称(または由来)が分かるか、クイズ形式で挑戦してみてください。答えは各問題のすぐ下に隠れています。

第1問:銀行やコンビニにある「ATM」。この「T」は何を表しているでしょう?

答え:Teller(テラー=銀行の窓口係)。ATMは「Automated Teller Machine=自動化された窓口係の機械」という意味でした。

第2問:大学生のおなじみ「生協」。正式名称は何でしょう?

答え:生活協同組合。組合員が出資して共同運営する非営利団体です。

第3問:「カラオケ」の「カラ」は何を意味しているでしょう?

答え:空(から)。演奏が空=中身がないオーケストラ、という意味の「空オーケストラ」が語源です。

第4問:「コンビーフ」の「corn(コーン)」は、トウモロコシではなく何を指すでしょう?

答え:粒状の塩(岩塩)。塩漬けにした牛肉という意味で、トウモロコシは入っていません。

第5問(難問):「NEWS」の本当の語源は何でしょう?「東西南北」ではありません。

答え:new(新しい)の複数形。「新しい出来事」が語源で、東西南北の頭文字という説は俗説です。

略語に関するよくある質問

Q. 頭字語(とうじご)とは何ですか?

複数の単語の頭文字をつなげ、それを一つの単語のように発音する略語のことです。NASA(ナサ)やUNESCO(ユネスコ)のように一語で読むものを指します。一方、USB(ユー・エス・ビー)のように一文字ずつ読むものは「頭文字語(イニシャリズム)」と区別されることもあります。

Q. バクロニムとは何ですか?

もともと略語ではない言葉に、後から頭文字の意味をこじつけたものを「バクロニム(backronym)」と呼びます。「back(後ろ)」と「acronym(頭字語)」を組み合わせた造語です。SOSの「Save Our Souls」や、Suicaの「Super Urban Intelligent Card」が代表例です。

Q. なぜ言葉は略されるのですか?

いちばんの理由は「言いやすさ・短さ」です。長い正式名称を毎回口にするのは大変なので、自然と短く縮められていきます。特に日本語は、外来語や長い熟語を4文字程度に縮める習性が強く、「スマホ」「コンビニ」のような略語が次々に生まれます。

Q. 和製英語と略語の違いは何ですか?

略語は「長い正式名称を短くしたもの」、和製英語は「日本で独自に作られた英語風の言葉」です。ただし「シャーペン」や「ソフトクリーム」のように、和製英語であり略語でもある言葉もあります。海外で通じるかどうかが気になる方は、和製英語をまとめた記事もあわせてどうぞ。

まとめ:略語の正式名称を知ると言葉が面白くなる

身近な日本語からアルファベット、ビジネス用語まで、74個の言葉の正式名称を見てきました。

「カラオケ=空オーケストラ」「経済=経世済民」のように、漢字やカタカナの裏に意外な意味が隠れていたものは、由来を知るだけで言葉への見方が変わります。

NASAやPCRのようなアルファベット略語は、正式名称が分かるとニュースの理解度がぐっと上がります。

そして「Wi-Fi」「NEWS」「SOS」のように、広く信じられている正式名称が実は俗説だったというケースもありました。正しい知識を一つ持っておくだけで、会話のちょっとした場面で役に立つはずです。

気になった略語があれば、ぜひ家族や友人にも出題してみてください。「これ何の略か知ってる?」の一言が、盛り上がる雑学トークのきっかけになります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。これであなたも立派な略語ツウです。

この記事の作成にあたり、以下の公式サイトを参考にしました。