曜日の由来!日月火水木金土の意味と順番・七曜と英語の曜日の関係を解説

毎週やってくる月曜日の憂うつ、待ち遠しい金曜日の解放感。私たちは「曜日」を生活のリズムそのものとして使っていますが、いざ「なぜ日月火水木金土なの?」「どうしてこの順番なの?」と聞かれると、答えに詰まる方がほとんどではないでしょうか。

じつは曜日の名前には、古代バビロニアの天文学、東洋の陰陽五行思想、そしてギリシャ・ローマ神話から北欧神話までが、一本の糸でつながる壮大な物語が隠れています。火曜日の「火」が火星を指し、その火星が英語ではゲルマンの軍神に置きかわっている。そんな世界規模の偶然と必然を、この記事ではやさしく解きほぐしていきます。

「月火水木金土」って、よく考えると不思議な並びですよね。今日はこの謎を根っこから掘り下げます。

読み終わるころには、カレンダーを見るたびに少し賢くなった気分になれるはずです。それでは、曜日の由来をめぐる旅に出かけましょう。

曜日とは?七曜(太陽・月・五惑星)が名前の由来

七曜のもとになった惑星(木星・火星・土星)

曜日とは、ひとことで言えば「七曜(しちよう)」が守護するとされた日のことです。七曜とは、古代の人々が肉眼で見ることのできた、空の7つの天体を指します。

その7つとは、太陽・月・火星・水星・木星・金星・土星です。太陽と月、そして肉眼で見える5つの惑星(水星・金星・火星・木星・土星)を合わせて、ちょうど7つになります。望遠鏡が発明される前の時代、天王星や海王星はまだ知られていませんでした。

「曜」という漢字には、もともと「光り輝く」という意味があります。つまり七曜とは「空に光り輝く7つの星」という意味で、それぞれの天体が一日ずつを受け持つと考えられました。これが「日曜・月曜・火曜……」という曜日の正体です。

面白いのは、この七曜が東洋の陰陽五行思想とぴったり重なる点です。太陽(陽)と月(陰)で「陰陽」を、火星・水星・木星・金星・土星が「火・水・木・金・土」という「五行」を表しています。曜日の名前は、天体の名前であると同時に、東洋哲学の世界観そのものを映した言葉でもあるのです。

一週間が7日になった理由|月の満ち欠けと古代バビロニア

月の満ち欠けを描いた古い天文図と一週間の由来

そもそも、なぜ一週間は7日なのでしょうか。365日でも10日でもなく、7日という半端な区切りには、ちゃんとした天文学的な理由があります。

そのルーツは、紀元前の古代バビロニア(メソポタミア文明)にあるとされています。バビロニアの人々は、月の満ち欠けを暦の基準にしていました。新月から上弦の月、満月、下弦の月へと、月の姿はおよそ7日ごとに節目を迎えます。月の満ち欠けの周期である約28日を4つに分けると、ちょうど7日ずつになるわけです。

さらに、当時知られていた天体がちょうど7つだったことも重なりました。人々は「7つの星の神が、一日ずつ順番に世界を支配している」と考え、7日を一つのまとまり、つまり一週間としたのです。7という数字は、古代から多くの文化で神聖な数とされてきました。

月の動きと、肉眼で見える星の数。この2つの「7」が重なったのが一週間の始まりなんですね。

この「7日で一巡り」という考え方が、占星術とともにエジプトやギリシャ・ローマへ広がり、やがて世界中のカレンダーの土台になっていきました。

日月火水木金土|7つの曜日の意味と各天体の由来

満天の星空と天の川

ここからは、日曜日から土曜日まで、それぞれの曜日がどの天体に対応し、どんな意味を持つのかを一つずつ見ていきましょう。日本語の曜日は、すべて天体の名前そのままで付けられています。

日曜日|太陽(サン・Sol)

日曜日の「日」は、もちろん太陽を表します。七曜の中心であり、陰陽でいえば「陽」を象徴する存在です。ラテン語では「太陽の日(dies Solis)」と呼ばれ、英語のSundayも「Sun(太陽)の日」がそのまま語源になっています。多くの文化で、一週間の特別な日として扱われてきました。

月曜日|月(ムーン・Luna)

月曜日の「月」はそのものです。太陽(陽)に対して「陰」を象徴します。英語のMondayは「Moon(月)の日」が変化した言葉で、ラテン語の「月の日(dies Lunae)」とも一致します。太陽と月だけは、世界中のどの言語でも「天体の名前」で共通している点が特徴です。

火曜日|火星(マーズ・Mars)

火曜日の「火」は、五行の「火」であると同時に火星を指します。火星はその赤い色から、古代では戦いや争いの星とされてきました。英語のTuesdayは、北欧・ゲルマン神話の軍神ティウ(Tiw、北欧名ティール)に由来します。じつはローマ神話でも火星は軍神マルス(Mars)の星であり、東西で「火星=戦いの神」というイメージが一致しているのは見事な偶然です。

水曜日|水星(マーキュリー・Mercury)

水曜日の「水」は五行の「水」であり、水星を表します。水星は太陽のすぐそばを素早く動くことから、俊敏さや知恵の象徴とされました。英語のWednesdayは、北欧神話の最高神ウォーデン(Woden、北欧名オーディン)に由来します。これはローマ神話の伝令神・知恵の神メルクリウス(Mercury)に対応する神とされたためです。

木曜日|木星(ジュピター・Jupiter)

木曜日の「木」は五行の「木」、そして木星を指します。木星は太陽系で最大の惑星で、堂々とした王者の星とされてきました。英語のThursdayは、北欧神話の雷神トール(Thor)に由来する「トールの日」です。雷を操るトールは、ローマ神話の最高神で雷を司るユピテル(Jupiter)に重ね合わされました。

金曜日|金星(ヴィーナス・Venus)

金曜日の「金」は五行の「金」であり、金星を表します。金星は明けの明星・宵の明星として、ひときわ美しく輝く星です。英語のFridayは、北欧神話で愛と結婚を司る女神フリッグ(Frigg)に由来します。これはローマ神話の愛と美の女神ウェヌス(Venus)に対応するもので、金星はまさに「美の星」なのです。

土曜日|土星(サターン・Saturn)

土曜日の「土」は五行の「土」、そして土星を指します。土星は当時知られていた中で最も遠く、最もゆっくり動く星でした。英語のSaturdayは、ローマ神話の農耕の神サトゥルヌス(Saturn)の名がそのまま残った珍しい例です。火曜から金曜まではゲルマンの神に置きかわったのに、土曜だけはローマの神の名前を保っています。

火星=戦いの神、金星=美の女神。東洋でも西洋でも星のイメージが重なるの、ロマンを感じます。

なぜ月火水木金土日の順番なのか|惑星時説と音楽説

プラハの天文時計と曜日の順番のしくみ

曜日の名前の由来が分かったところで、次なる謎は「なぜこの順番なのか」です。天体を地球からの距離順に並べると、近い順に「月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星」となり、曜日の並びとは一致しません。それなのに、なぜ「日月火水木金土」なのでしょうか。

最も有力とされるのが「惑星時説(プラネタリー・アワー)」です。古代の人々は、地球から遠い順に天体を並べました。すなわち「土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月」の順です。そして、一日24時間を1時間ずつ、この順番で天体が支配すると考えました。

1時間目を土星、2時間目を木星、3時間目を火星……と割り当てていくと、7つで一巡し、また土星に戻ります。これを24時間続けると、面白いことが起こります。次の日の「1時間目」を支配する天体が、規則的にずれていくのです。

計算してみましょう。24は7で割ると3余ります。そのため、ある日の最初の天体から数えて3つ先の天体が、翌日の最初を支配することになります。土星から始めると、翌日は太陽(日)、その次は月、火星、水星、木星、金星……と続きます。

つまり、各曜日の「第1時」を支配する天体を並べると「土・日・月・火・水・木・金」となり、これを日曜から並べ直すと、おなじみの「日・月・火・水・木・金・土」になるのです。距離順ではなく、この「1時間ごとに支配星を入れ替える」という発想が、曜日の並びを生み出しました。

もう一つ、「音楽説」もあります。古代ギリシャには、音階で「4つごとの音」を美しいと感じる考え方がありました。天体を距離順に並べ、4つおき(3つ飛ばし)に選んでいくと、やはり同じ「土・日・月・火・水・木・金」の順番が現れます。これは惑星時説と数学的に同じ仕組みで、別の角度から同じ答えにたどり着くのが興味深いところです。

「3つずつずらす」だけで、あの並びになる。古代人の数遊びのセンス、あなどれません。

英語の曜日の由来|ローマ神話と北欧神話の神々

北欧神話の神々と英語の曜日の由来

日本語の曜日が天体の名前なら、英語の曜日は神々の名前です。そのルーツをたどると、古代ローマと北欧(ゲルマン)の神話が交差する、文化のリレーが見えてきます。

もともとローマ帝国では、曜日をラテン語で「太陽の日」「月の日」「火星(マルス)の日」というように、天体と神の名前で呼んでいました。この習慣がヨーロッパ各地に広がります。フランス語やスペイン語などのロマンス語は、ローマの神の名前をほぼそのまま受けつぎました。

ところが、ゲルマン民族(英語やドイツ語の祖先)は、ローマの神を自分たちの神話の似た神に置きかえて取り入れました。これを専門的には「神々の読みかえ」と呼びます。火星の軍神マルスは北欧の軍神ティウへ、伝令神メルクリウスは最高神ウォーデン(オーディン)へ、というように対応させたのです。

下の表で、日本語・ラテン語・英語・フランス語の曜日と、その由来になった神を並べてみましょう。

曜日 天体 ラテン語 英語 フランス語 由来の神
太陽 dies Solis Sunday dimanche 太陽(仏は「主の日」)
dies Lunae Monday lundi
火星 dies Martis Tuesday mardi ティウ=軍神(火星マルス)
水星 dies Mercurii Wednesday mercredi ウォーデン=オーディン(水星メルクリウス)
木星 dies Iovis Thursday jeudi トール=雷神(木星ユピテル)
金星 dies Veneris Friday vendredi フリッグ=愛の女神(金星ウェヌス)
土星 dies Saturni Saturday samedi サトゥルヌス=農耕神(仏は「安息日」)

表を見ると、英語では火曜から金曜までが北欧神話の神に置きかわっているのが分かります。一方で、フランス語の日曜「dimanche」は「主の日」、土曜「samedi」は「安息日」と、キリスト教に由来する言葉になっています。同じローマ起源でも、地域ごとに神話と宗教の影響が違う形で残っているのです。

英語の曜日の由来になった北欧神話の神々については、こちらの記事で一柱ずつ詳しく解説しています。あわせてどうぞ。

Thursdayがトールの日だと知ると、北欧神話の映画やゲームがもっと楽しくなりますよ。

曜日はいつ日本に伝わった?|空海の宿曜経と明治の改暦

江戸時代の暦と日本に伝わった七曜

では、この曜日の考え方は、いつ日本にやってきたのでしょうか。意外にも、ヨーロッパから直接伝わったわけではありません。インドや中国を経由して、仏教とともに渡ってきたのです。

七曜を日本にもたらしたとされるのが、平安時代の僧空海(弘法大師)です。空海は9世紀の初め、遣唐使として唐(中国)に渡り、多くの経典を持ち帰りました。その中に『宿曜経(すくようきょう)』という占星術の経典があり、ここに七曜が記されていました。

当初、七曜は日付そのものではなく、その日の吉凶を占う「暦注」として使われました。平安貴族たちは、暦に書かれた七曜を見て行動を決めていたのです。藤原道長の日記『御堂関白記』が書かれた具注暦(998年)にも、七曜が朱書きで記されていたことが知られています。

ただし、これはあくまで一部の貴族や陰陽師のあいだの知識でした。私たちが使うように、七曜が「一週間のサイクル」として一般に広まったのは明治時代になってからです。1873年(明治6年)に太陽暦(グレゴリオ暦)が採用され、さらに1876年(明治9年)には「日曜を休み、土曜を半休とする」制度が定められました。こうして週休制とともに、曜日が日本人の生活に根づいていったのです。

空海が持ち帰った占いの星が、千年かけて私たちの「休日」になったと思うと感慨深いですね。

曜日にまつわる面白い雑学

最後に、曜日にまつわる「へぇ」と言いたくなる雑学を、いくつか紹介します。話のネタにぴったりのトリビアばかりです。

週の始まりは日曜?それとも月曜?

じつは「週の始まりの曜日」は、国や基準によって違います。国際標準化機構(ISO 8601)では、週の始まりは月曜日と定められており、月曜を1、日曜を7と数えます。ヨーロッパの多くの国やビジネスの現場では、この月曜始まりが一般的です。

一方、アメリカやキリスト教文化圏では日曜始まりが主流です。これは、キリストが復活した「主の日」が日曜であり、そこから一週間が始まるという考え方に基づいています。日本のカレンダーが日曜始まりで作られていることが多いのも、この影響です。

六曜(大安・仏滅)は七曜とは別物

結婚式は「大安」、葬式は「友引」を避ける。こうした六曜(ろくよう)を曜日の仲間だと思っている方もいますが、じつは七曜とはまったく別の暦のシステムです。六曜は「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」の6つで、中国由来の吉凶占いが日本で独自に発展したものです。天体とは関係がなく、曜日(七曜)とは起源も役割もまったく異なります。

「花金」やブラックフライデーも曜日文化

金曜の夜を楽しむ「花金(花の金曜日)」や、感謝祭の翌日の大セール「ブラックフライデー」など、特定の曜日に意味づけをする習慣は世界中にあります。曜日は単なる日付の記号ではなく、人々の気分や経済活動とも深く結びついた、生きた文化なのです。

曜日の由来クイズ5問|雑学に強くなる

ここまでの内容をおさらいできる、曜日にまつわる5問のクイズです。家族や友人にも出してみてください。答えはそれぞれの下にあります。

第1問 曜日のもとになった「七曜」とは、太陽・月と、あと5つの何でしょう?

答え:肉眼で見える5つの惑星(水星・金星・火星・木星・土星)です。望遠鏡が必要な天王星・海王星は含まれません。

第2問 英語のThursday(木曜日)の由来になった、北欧神話の雷の神は誰でしょう?

答え:トール(Thor)です。「トールの日」がThursdayになりました。ローマ神話の最高神ユピテル(木星)に対応します。

第3問 七曜を記した『宿曜経』を唐から日本へ持ち帰ったとされる、平安時代の僧は誰でしょう?

答え:空海(弘法大師)です。9世紀初めに遣唐使として唐に渡り、占星術の経典を持ち帰りました。

第4問 火曜日の「火」は、どの惑星に対応しているでしょう?

答え:火星です。赤く輝く火星は、東西どちらの神話でも「戦いの星」とされてきました。

第5問 国際標準化機構(ISO)が定める「週の始まり」は、何曜日でしょう?

答え:月曜日です。ISO 8601では月曜を1、日曜を7と数えます。日曜始まりの国もあり、文化によって異なります。

曜日の由来に関するよくある質問(FAQ)

曜日の由来について、よく寄せられる質問をまとめました。

Q. なぜ1週間は7日なのですか?

A. 月の満ち欠けの周期(約28日)を4つに分けると7日になること、そして当時知られていた天体(七曜)がちょうど7つだったことが理由とされています。古代バビロニアで生まれた区切りが、世界中に広まりました。

Q. 曜日の「曜」という字には、どんな意味がありますか?

A. 「曜」には「光り輝く」という意味があります。七曜は「空に光り輝く7つの星」を表し、それぞれが一日を受け持つという考え方から、曜日の名前になりました。

Q. 英語のSaturday(土曜)だけ、由来の神が違うのはなぜですか?

A. 火曜から金曜まではローマの神が北欧の神に置きかえられましたが、土星の神サトゥルヌス(Saturn)には対応するゲルマンの神がなく、ローマの名前がそのまま残ったためと考えられています。

Q. 六曜(大安・仏滅)と七曜(曜日)は同じものですか?

A. いいえ、まったく別のものです。七曜は天体に由来する曜日のことで、六曜は中国由来の吉凶を占う暦注です。起源も役割も異なるので、混同しないように注意しましょう。

まとめ|曜日の由来は天文学と神話の壮大な物語

曜日の由来をたどると、たった7文字の中に、世界の歴史と文化が凝縮されていることが分かります。最後に要点を振り返りましょう。

まず、日本語の「日月火水木金土」は、肉眼で見える7つの天体(七曜)に由来し、東洋の陰陽五行思想とも重なっています。

次に、「日月火水木金土」という順番は、古代の惑星時説(1時間ごとに支配星を入れ替える考え方)から生まれました。距離順ではない不思議な並びには、ちゃんとした理屈があったのです。

そして、英語の曜日は、ローマ神話の神々が北欧神話の神々に置きかわったもので、Thursday(トール)やFriday(フリッグ)など、神話の名残が今も生きています。

最後に、これらが日本に伝わったのは空海が持ち帰った占星術の経典がきっかけで、一週間として根づいたのは明治時代でした。何気なく使っている曜日が、これほど壮大な物語を背負っていると思うと、明日からのカレンダーが少し違って見えるかもしれませんね。

次に「月曜日かあ」と思ったときは、その月が空の月だってことを思い出してみてください。ちょっと気分が変わるかもしれませんよ。

曜日の由来をより深く知りたい方は、以下の公式・公的な資料も参考になります。