村上春樹のおすすめ小説22選をランキング形式で紹介!

はい、ウマキです。

今回は私の大好きな小説家、村上春樹の超おすすめ小説をランキング形式で紹介します!

私は元々小説はあまり読まないタイプだったのですが、彼の作品を読んでからその面白さに嵌り、貪るように小説を読み耽っていた時期がありました。

今回紹介するのは、そんなハルキストな私が自信を持っておすすめする作品です。コメントも追記していますので、参考にしていただければ幸いです。

【2020/02/29 1選追加】

では、いってみましょう!

もし、途中から見たい方は、以下のリンクから10位及び、まとめに飛べます。

村上春樹おすすめ小説ランキング【22位~21位】

20位から順に、以下に小説のおすすめランキングを記載します。個人的な感想や思い入れが多分に反映されていますが、私が実際に読んだ感想をそのまま詰めましたので、参考になれば幸いです。

21位 中国行きのスロウ・ボート

著者初の短編集となります。『中国行きのスロウボート』、『貧乏な叔母さんの話』、『ニューヨーク炭鉱の悲劇』、『カンガルー通信』、『午後の最後の芝生』、『土の中の彼女の小さな犬』、『シドニーのグリーン・ストリート』の7篇から出来ています。

村上春樹特有の喪失感のあるストーリーや、ドタバタコメディーなど、様々な作品で溢れており、また短編であるので、どれも短時間でさくっと読めます。

もしこの作品を読んで、筆者にある種のナルシズムを感じてしまうならば、おそらくは村上春樹の大体の作品は読めないと思います。春樹の作品は抵抗があるという方は、手始めに読むことをおすすめします。

21位 走ることについて語るときに僕の語ること

  • 発行日:2007年10月
  • 発行元:文藝春秋

「僕は小説を書くことについての多くを、走ることから学んできた。」

走ることについて語りつつ、小説家としてのありよう、創作の秘密、そして「彼自身」を初めて説き明かした画期的なメモワール。

(引用:『走ることについて語るときに僕の語ること』| 文藝春秋BOOKS

村上春樹のエッセイ集となります。

彼の考え方や生き方について、走ることを通して語った作品です。

非常に細かに、また時にウィットに富んで描かれているため、単純に読み物としても、興味深く読むことが出来ました。

読了後は、村上春樹が小説家としてどのように生き、その根底には何があるのかが、垣間見れるはずです!

氏の原点が分かる本のため、ファンの方はぜひ一読してみましょう!

村上春樹おすすめ小説ランキング【20位~11位】

20位 アンダーグラウンド

1995年3月20日、東京の地下で何が起こったのか。日本中を震撼させたオウム真理教団による地下鉄サリン事件。62人の関係者にインタビューを重ね、村上春樹が真相に迫るノンフィクション。

私は本作で初めて村上春樹のノンフィクション小説を読みましたが、鋭い洞察力で丁寧に描かれており、またそれ故様々な思いが頭を交錯し、読むのが辛くなる場面がある作品でした。

おそらく、現代の若年層の方は地下鉄サリン事件について詳細を知らないと思うので、一読する価値があります。筆者の綿密な取材から織り成されるリアルな描写は、まるで自分自身がその事故現場にいたような錯覚さえ抱かせます。

本作品が面白かった人は、続編にあたる『約束された場所で―underground2 』もおすすめです。

19位 かえるくん、東京を救う

かえるくんとみみずくんの凄絶な戦いを描いた村上春樹の傑作短編をジェイ・ルービンの英訳とともに完全掲載。詳細な解説によって、英訳と原作両方の魅力を味わう。

英語の勉強の為に、春樹の作品が読めるとは素晴らしい!と思って即買いした一冊です。村上春樹はファンタジー作品も魅力的ですが、本作はその中でも、中学生でも読めるような『かえる』と『みみず』を使っています。しかし、その根底には非常に重いテーマがありました。

英語の解説も非常に丁寧で、高校レベルの英語力があれば十分理解出来ます。何より物語自体が非常に面白い為、読むとぐいぐい引き込まれます。英語の勉強の傍ら、疲れた時にこの本を読むのもGoodです!

18位 アフターダーク

 真夜中から空が白むまでの間、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹。

彼独特の柔らかな情景描写に磨きがかかっています。深夜から夜明けまでの一コマを切り取り、様々な登場人物の行動が語られます。それは時に神秘的であったり、抒情的であったりしますが、淡々と、丁寧に物語は進行します。

私は初見では本作品の魅力がどうしても理解出来ませんでしたが、2度3度読み直す事により、彼が何を伝えたかったのかが、ぼんやりと分かるようになりました。そういう点では、多読に耐えうる稀有な小説と言えます。

本作品は村上春樹著作の作品の中でも、理解が難しい部類に入る小説だと思いました。彼の作品を初見の人は『海辺のカフカ』などを読んで、それが面白いと思った場合のみ読んでみましょう。

17位 スプートニクの恋人

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。

喪失や、孤独を描いた彼らしい作品です。人との関係は流れ星が一瞬すれ違うかの如く切なく、儚いもので、それを淡々としかし美麗な筆致で描いています。

筆力は変わらず見事で、非常に重いテーマであるにも関わらず、読者を飽きさせずに物語の中に惹きこみます。心を落ち着けて、ゆっくり読むのに最も適した1冊です。もし本書のテーマがどうしても理解できなかった方は、時間をおいてもう一度読み直してみましょう。

16位 職業としての小説家

「村上春樹」は小説家としてどう歩んで来たか―作家デビューから現在までの軌跡、長編小説の書き方や文章を書き続ける姿勢などを、著者自身が豊富な具体例とエピソードを交えて語り尽くす。

本屋で平積みされているのを見つけ、購入した本作。彼のエッセイ本は本作で初めて触れましたが、いつもの小説の独特の文章とは違い、まるで読者に語りかけるように丁寧に易しく書かれていました。

読了後、私はエッセイというよりも自己啓発本に近い感想を持ちました。彼の仕事の流儀や、小説家のプロフェッショナルとして気をつける点が非常に細かく書かれています。

私は小説は書きませんが、本作品を通して得るものが沢山ありました。春樹独特の文体もないので、もし彼の作品が気になっていて読むのを躊躇っている方は、まず本作から触れてみても良いかもしれません。

15位 神の子どもたちはみな踊る

1995年1月、地震はすべてを一瞬のうちに壊滅させた。そして2月、流木が燃える海岸で、あるいは、小箱を携えた男が向かった釧路で、かえるくんが地底でみみずくんと闘う東京で、世界は共振をはじめる。

村上春樹の傑作短編小説です。阪神・淡路大震災をテーマとした6つの短篇から成り立っています。私はラストに収録されている『蜂蜜パイ』という短篇が好きで、元気が無くなった時に何度読み返したか分かりません。

春樹の小説は喪失を描くものが多く、救いがなかったり、それがあやふやな描写のものも多いですが、本作は最後まで読むときちんと救いがあり、前向きな気持ちになれる作品です。

ちなみに映画化もされていますが、そちらは微妙な出来だったので、視聴はおすすめしません。

14位 騎士団長殺し

妻との離婚話から自宅を離れ、友人の父親である日本画家のアトリエに借り暮らしすることになった肖像画家の「私」は、アトリエの屋根裏で『騎士団長殺し』というタイトルの日本画を発見する。

村上春樹らしい長編作品です。ねじまき島クロニクルや1Q84が好きな方は、おそらくは本作もツボに入るはずです。

個人的にややストーリーが冗長である点が気になりましたが、それ以外では、物語の構成力は健在で、美しい文章や比喩や暗喩表現も良かったです。

春樹特有の性的な描写も当然あるため、不快に感じる方は注意が必要ですが、文庫本も発売され、読みやすくなっているため、興味がある方は手に取ってみましょう!

13位 羊をめぐる冒険

鼠3部作*1の第3作目です。村上ワールドが本作で完成されたと言われるほど、高い評価を受けています。物語の中には終始異質で切ない雰囲気が流れていますが、それに浸ることがこの上なく心地好い作品です。

何処となくファンタジーで、何処となくサスペンスである物語で、彼特有のシニカルな筆致がそれを惹きたてます。

ただ、個人的には結構早い段階でおちが読めたので、その点はマイナスにしました。本作が面白いと思うようならば、以降の彼の長編小説はだいたい読めると思いますので、試金石にちょうど良いかもしれません。

12位 遠い太鼓

ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきたのだ。ずっと遠くの場所から、ずっと遠くの時間から、その太鼓の音は響いてきた。―その音にさそわれて僕はギリシャ・イタリアへ長い旅に出る。

傑作エッセイ小説です。私は彼のエッセイの中でも本作は非常によく出来ている作品だと思います。異質な国の雰囲気を良質な文体で丁寧に、そして軽やかに描いています。

何処となく諦観している感じは何故かユーモアに溢れ、所々でくすっと笑えます。私は本書を読んでいて、イタリアの適当さにある種の感動まで覚えました。また、ギリシャの素朴さには深く心を打たれました。

春樹嫌いな人にも是非読んでもらいたい作品です。どのページからでも、何度でも読める色褪せない名作です。

11位 女のいない男たち

短編集。『ドライブ・マイ・カー』、『イエスタデイ』、『独立器官』、『シェエラザード』、『木野』、『女のいない男たち』の計6篇から成り立っています。様々な角度から男女の交錯が描かれており、どのエピソードも歪んでいて、どこか切ない雰囲気が漂います。

私は本作を読んで、恋愛の形をあらためて思い返しました。触れているようで、触れていないかったり、身体だけが先行したり、分かりあえているようで、そうでなかったりと、様々な形が存在します。

私は『独立器官』の短篇の女の嘘を示唆的に描いた発言に、思わず唸ってしまいました。おそらく、恋愛経験が豊富な人ほど、本作は心に突き刺さると思います。

テーマの関係上、性描写が多めの作品なので、その点で好き嫌いが分かれるかもしれません。

村上春樹おすすめ小説ランキング【10位~1位】

10位 風の歌を聴け

1970年の夏、海辺の街に帰省した『僕』は、友人の『鼠』とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託を受けとめている内に、夏はほろ苦く過ぎさっていく。

村上春樹のデビュー作です。彼は自身の経営しているジャズ喫茶を運営しながらこの作品を執筆しています。 彼の後の作品の主要なテーマとなる、『喪失感』が既に本作でも表現されています。

私は『僕』と『小指のない女の子』がベッドの上で語らうシーンが何故か好きで、何度読み返したか分かりません。淡々と語られる、何処となくシニカルで切ない感じはやはり彼の味と言えるでしょう。

デビュー作も相まって、やや文体は稚拙ですが、それでも一読の価値がある名著です。

9位 ねじまき鳥クロニクル

村上春樹の作品の中では、比較的分かりやすい小説です。全3部の長編となっており、彼の著作の中でもかなり長い部類に入ります。

多種多様な登場人物、そして象徴的な物体として『井戸』がよく登場します。本作から現実世界と虚構世界が入り混じる様な彼特有の描写は健在です。

3部まで読むと、1部、2部で提示された問題に一応の決着がつく為、途中諦めてしまう方もいるかも知れませんが、必ず最後まで読んでほしい作品です。私は3部は全てを投げ出し一気読みするほど没頭しました。

やや残虐な描写もあるため、耐性がない方は注意が必要です。

8位 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

非常に変わったタイトルに惹かれて購入しました。傑作ミステリー小説です。綿密なプロットの元、巧みに伏線が引かれ、それが終盤で一気に回収されます。

愛によってしか人は救われる事が出来ないというテーマを真正面から真摯に描いています。ラストの展開から、酷評が少々多い本作ですが、私はきちんとハッピーエンドになっていると捉えました。読み手により結末は変わりますが、その許容量の大きさが本作の魅力だと私は思います。

他の作品とは違い、どこか力が抜けた感じの文体で、読者も肩の力を抜いて楽しむ事が出来ます。おすすめです。

7位 東京奇譚集

肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却。大切なものを奪われた人々が迷い込んだのは、偶然と驚きに満ちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に指した光の行方を追う「偶然の旅人」。息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、不可思議な運命を辿る5つの物語。

短編集の中では非常によく出来ている作品です。彼の短篇は読み味が鋭い傑作が多いですが、その中でも本書は一際抜きん出ています。

『神の子どもたちはみな踊る』と同様の空気感を持っている作品であり、そちらが好きな方は本作も間違いなく気に入るでしょう。『偶然の旅人』、『ハナレイ・ベイ』、『どこであれそれが見つかりそうな場所で』、『日々移動する腎臓のかたちをした石』、『品川猿』の計5品から成り立っています。

独特な言い回しや比喩が物語と相まって、美しいです。もし春樹の短篇に初めて触れる方は、本作から読み始めると、彼の作品への自身の適正を図ることが出来るでしょう。

読むたびに何故か違う味わいがある不思議な作品です。本作で村上春樹の短篇にはまった方は是非『回転木馬のデッド・ヒート』も読んでみて下さい。

6位 海辺のカフカ

「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる。」15歳の誕生日がやってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになった。

何か重要な、しかし言葉で表すと陳腐になってしまう事柄を、包み込むように優しく、繊細な文体で表現しています。また、 文章力や構成力は相も変わらず素晴らしいです。

私は幾度となく本作を読み直しているのですが、この作品の何かが分かりそうで、しかし分からないと言ったもどかしさを抱えています。しかしだからこそ魅力的に感じ、何かを得ようと何度も読み返してしまうのでしょう。

幻想世界と現実が混じり合う話なので、嫌いな方は受け付けないかも知れませんが、私はその描写の美しさに心打たれました。

5位 国境の南、太陽の西

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われる。

村上春樹の恋愛小説の中でも、『ノルウェイの森』に続く傑作です。作者の個性が非常によく反映された一冊になっています。

主人公の乾いた感性とリアルな性描写が描かれ、それらに嫌悪感を持つ人は、おそらく全く受け付けないかもしれません。しかし私は彼の生み出す空白や虚無感に何故か共感でき、それ故物語に没頭する事が出来ました。

傷つけあいながらも、幸せを求めてふらふらと彷徨い続ける男と女の大恋愛物語です。恋愛小説好きな方ならば、一度読んでみる事をおすすめします。

4位 1Q84

Book1からBook3まである筆者の中でも一番長い長編小説です。天吾と青豆の二人の主人公の物語が交互に章建てで進んでいきます。

筆者のミステリー小説の中でも読みやすい部類に入り、性描写さえ気にならなければ、謎を呼ぶ展開にどんどん惹きこまれるはずです。教団の描写も、作者が綿密な取材を行っていたオウム真理教などをベースに書かれており、非常にリアルです。

本作はBook4が出版されるかどうかで一時期話題になりましたが、2017年現在もまだ出版されていないところをみると、どうやらBook3までで完結のようです。

語られていない謎や、回収されていない伏線が気になったので、この順位としました。可能性は極めて低いとは思いますが、もし続刊が出版されるようであれば、また記事を書き直します。

3位 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす『僕』の物語。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた『私』が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。

私は村上春樹を未読の方にまず本作をおすすめします。SFでもあり、ファンタジーでもあり、初見であればまず娯楽作品としても楽しめる作品です。

しかし、本書は様々な主題が入り混じり、伏線を回収していないかの様に見せかけ、読者にその続きを委ねています。だからこそ、何度読み直してもその度に深みが増す、極上の作品に仕上がっています。

初期の作品なので、文体の洗練度は後期の作品に劣るところがありますが、人が居る騒がしい世界と、孤独な静かな世界が絶妙に織り合い素晴らしいです。結末は哀しく、切なく、抒情的で私は何故か涙を流しながら読みました。

2位 ダンス・ダンス・ダンス

『羊をめぐる冒険』から四年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。

『羊をめぐる冒険』の続きになります。ストーリーの連続性はないので本書からでも読めますが、人物の背景を知る為に、既刊を先に読むことをおすすめします。

登場人物が次々に亡くなる本作ですが、それが哀しく読者の心を打ちます。仮面を付け踊り続けるキャラクターに私は強く共感しました。きっと登場人物の誰かは、あなたの奥深くに潜む内面を映し出した様な人達です。

物語は淡々と進みますが、それを全く飽きさせずに読ませる筆力には脱帽です。幻想的なのに非常にリアリティ溢れる作品となっています。

1位 ノルウェイの森

村上春樹の傑作恋愛小説です。私は本作以上の恋愛小説をまだ知りません。例えどんなに素晴らしいラブ・ストーリーがあったとしても本作には敵わないと思います。

彼特有の喪失感が溢れる作風の元、主人公ワタナベと直子、緑との恋愛模様が淡々と描かれていきます。私は読んでいて『ああ、美しいな』と心の底から思いました。ここまで綺麗で繊細なものに触れた経験は本作以外ではありません。

また、描写も非常に丁寧です。心の琴線に優しく、時に激しく触れるような幻想的で神秘的な描写が続きます。私はこの物語の終盤、頬から涙が勝手につたっている事に気づき驚きました。それほど深く心に突き刺さる作品です。

村上春樹おすすめ小説ランキング【次点】

以下、今回のランキングには入れませんでしたが、私のおすすめする次点作品を紹介します。

次点 恋しくて – TEN SELECTED LOVE STORIES

村上春樹訳の短編集。翻訳した作品の他に、彼の書き下ろし短篇も収録されています。スイートであり、ビターでもある珠玉のアンソロジーとなっています。

個性的な作品ばかりですが、どれも心に訴えかける作品ばかりです。何より著者の翻訳は素晴らしく、心にすっと文字が入っていくような感覚に捉われました。

村上春樹の作品を読んで、本作は見落としていた方は、是非一読する事をおすすめします。

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございます。以下に、私がおすすめする村上春樹著作の作品を纏めます。

私の私見が多分に含まれていますが、少なくとも上位の作品は読んで良かったと思える作品だと思います。

私は漫画を書いていた時、編集者と村上春樹の魅力について語った事があります。そして彼と話して唯一、一致した見解がありました。それは春樹の作品の魅力は、多数登場する人物の中に、読者自身が登場する事があるという点です。

それは読者の表面的な性格を象ったものではなく、読者も把握していないような自身の内面を克明に映し出したかのような人物が具現化しているということを指します。

私もそれが村上春樹作品の大きな魅力だと思っています。私が『ノルウェイの森』にここまで感銘を受けたのは、私自身と主人公ワタナベが非常に近しいと感じたからに他なりません。

本エントリーを読んでもし村上春樹の作品に興味を持った方は、是非色々な作品を読んでみて下さい。きっとあなたの内面と同様のものを持った人物がどこかの小説に登場しているはずです。

あなたの素敵な小説との出会いを願っています。

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ウマキ

*1:『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』を指す。