大学時代に残業するのはバカと思っていた私が、全力で反論する

大学生の時は残業する人間は効率が悪く、ただのバカであると考えていました。

その時はネットの情報を鵜呑みにしていまして、きっと非生産的かつ非効率なダメ社員が残業をして、そうでない優秀な社員は定時にきちんと仕事を終わらせて帰宅しているはずだと。

確かにそれはある側面では事実です。

非常に仕事がゆっくりで、ノロノロとマイペースに行う為、結果帰宅が遅れている社員もいます。

しかし、長時間労働している社員は、そうでない方が多いです。

社内ではスーパーマンと言われていて、超人のように仕事が早く正確なのに、毎日夜遅くまで残っている方が沢山います

私が思うに、残業して業務をしている奴はただの無能!と一辺倒に考えている方は、その方こそ本当の無能でクズだと思います。多分業務というものを理解せず、完全に縦割りで考える頭しか持っていない人です。

正しくは、長時間労働をしている人には、効率も悪い人もいれば、効率の良い人もいる。それぞれ場合や担当している仕事内容や時期に依存し異なる。だと思います。

以下に説明します。上にも記載したように、業務内容に依るかもしれませんが、学生時代の頭が固い自分の質問に回答するかたちで、なぜ残業するのか、お話しますね。

残業否定派(大学時代の自分)の質問に回答

あなたは何故残業するの?

それは仕事が定時内では、とても終わらないからです。時期にも依りますが。繁忙期などは鬼のように仕事が降ってくるため、残業が発生します。これは例えあなたがコンピュータの様な頭脳を持っていたとしても、捌き切れない量です。

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※右に行けばいくほど、お客様と近い部署。バックヤードの部署は様々ですが、ここでは相対する相手が自社内の人を指しています。

特にお客様側に近い部署ほど、締め切り等の制約がシビアでそれに間に合わすため、調整を強いられます。逆にバックボーン側では実際にお客様と相対するわけではないので緩く、比較的残業が少ない傾向があります。

効率化出来ていないんでしょ

はっきり言いますが、働いている人にそこまでバカな人は多くはいません。あなたが考えられるような効率化は既に行われています。例えどんなに無駄を省き、迅速に業務を行ったとしても、またすぐ次の仕事が降ってきます。

もちろんタスク整理など、あなたが手に及ぶ部分での個々人の効率化は出来ると思いますが、そもそも大企業などは承認フローが非常に煩雑であり、業務を進める上でどうしても避けられない煩雑な行為が頻発します。

でも、残業せずに帰っている人もいるのでは

以下の図を見てみましょう。仮にここに10社お客様がいたとして、それぞれ担当する会社がAさん3社、Bさん6社、Cさん1社だとします。

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そう既にこの時点で仕事量が均等でないのです。業務は仕事を縦割しない人、きちんとこなしてくれる人に多く集まる傾向があります

あなたも物事を頼む時、きっちり仕事してくれるBさんと、ミスが多く、「それは自分の業務範囲でない」と愚痴を言うAさんならば、Bさんに仕事を頼むはずです。

残業否定派の人や実際に時間外労働をしていない人にも優秀な人も勿論います。しかし実際は、業務を自分で細分化し、責任範囲を勝手に自分で決め、そこから一切手を貸さない人が大多数です

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Aさんは定時で帰れるのであれば、担当1社を肩代わりすれば、Bさんの負担も減り時間外労働も少なくなるはずです。しかし、Aさんは「自分のノルマは達成しているし、会社に悪影響を与えてはいない。」とBさんを置いてさっさと帰ってしまっているのが現状です。

正直なところ、Aさんのような人が「効率化」だの「生産性」だのを言っていることがほとんどです。チームの業務が全く見えておらず、自分のことしか考えていません。

少なくとも私の知り合いの優秀なエンジニアの方ほど、Bさんのように抱えている顧客が多く、パフォーマンスが高いです。その分残業も多めですが。

社内の便利屋さんになっているんでしょ

営業は売るのが仕事。開発は商品つくるのが仕事でそれぞれ組織は業務を分担して動いています。しかし、その溝に落ちている些細な調整業務など、誰かがやらなければならない仕事は山ほどあります

誰かが便利屋になれなければ、業務は上手くは回りません。完全に業務を縦で割り、各々与えられた事しかしない人間ばかりが集まり、会社が成り立つと思いますか?

あなたが便利屋をバカにしているのであれば、その方が居なくなった時に生じるハレーションを少しは考えてみましょう。

きっと業務が回らなくなるはずです。なぜなら本来はあなたがすべき業務をその方が肩代わりしていたから。

何故私が残業しているか

別に終わらなくても帰ればいいじゃん、私も初めはそう思っていました。

企業は業務時間を過ぎてまで労働を強いる権力を持っていません、あなたは2本の足を持っていますので、定時終了後は自由に帰宅することが出来ます。

しかし、業務の絶対量は変わりません。私がしなかった仕事を肩代わりするのは、私の隣に座っている気の優しい上司になります。「この方に迷惑をかけたくないな。」その気持ちが残業をしている一番の理由です。

この文章を読んでいる方が学生で、業務の想像がつかない方は、自分の一番仲の良い友達を思い浮かべて下さい。

その友達と一緒に仕事をしていますが、あなたが定時に上がれば、残った仕事をその友達が引き受け、延々夜まで時間外労働することになります。

手を貸したいと考えるのは至極普通なことですよね。

【追加】サービス 残業については

はっきり言って、サービス残業は絶対にすべきでないと考えています。それはあなた自身の価値の安売りになるわけです。

私は少なくとも、残業時間が100時間を超えようがきちんと請求していますし、その分の給料も頂いています。

なぜなら業務中に無駄なことは一切していないし、与えられた仕事量に対して私自身の残業時間が適切であると自信を持っているからです。

もし会社が支払いを遂行しないのであれば、私は絶対に残業はしませんし、業務量の調整を提言します。

青臭い理論になるかも知れませんが、残業が必要なほど業務が逼迫しているのにも関わらず、従業員にはサービス残業を強いるほど台所事情が苦しい会社ならば、転職も視野に入れたほうが良いと思います。

※もしこれを読んでいる人で、サビ残をしている方がいましたら、一度労組に相談しに行きましょう。

まとめ

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残業は業務を行う上で、必ず発生します。

それを一辺倒に、「残業する人は無能だ」と決めつけるのはあまりに愚かです。

しかし、時間外労働そのものを肯定するわけでもありません。

  • メリハリを持って働くこと
  • きちんとタスク管理、業務効率化をすること
  • 業務を縦割しないこと、責任範囲を自分で勝手に決めないこと

を念頭に、発生する残業は仕方のないものですし、必要であると私は考えています。

※私は大企業のエンジニアですので、また他の職種の方であれば違った意見があるかもしれません。何かコメント等ありましたら、是非是非!

ウマキ