「しりとり」「だじゃれ」「なぞなぞ」など、子どもの頃に夢中になった遊びを覚えていますか。これらはすべて、言葉そのものを素材にして楽しむ「言葉遊び」の仲間です。
言葉遊びは、紙もボールもスマホもいらないのに、家族の団らんから飲み会、学校の授業、高齢者の脳トレまで、あらゆる場面を盛り上げてくれます。しかも日本には、平安時代の和歌から江戸庶民の文化まで、千年以上かけて磨かれてきた奥深い言葉遊びの世界があります。
この記事では、定番の遊びから伝統芸、大人で盛り上がるゲームまで、言葉遊びを全部で28種類、ルールと具体例つきで一気に紹介します。それぞれの「面白さの仕組み」や「上手に楽しむコツ」もあわせて解説するので、お気に入りの遊びがきっと見つかります。

目次
言葉遊びとは?種類と脳に良い理由

言葉遊びとは、言葉の音・文字・意味のおもしろさを利用して楽しむ遊びの総称です。しりとりのように音をつなげるもの、回文のように文字を逆から読むもの、だじゃれのように意味をひっかけるものなど、その切り口は実にさまざまです。
歴史をさかのぼると、日本人は古くから言葉で遊んできました。『万葉集』や『古今和歌集』には、ひとつの言葉に二つの意味を重ねる「掛詞(かけことば)」が数多く登場します。平安時代には全ての仮名を一度ずつ使った「いろは歌」が生まれ、江戸時代には庶民が地口(じぐち)や狂歌、判じ絵に熱中しました。落語のオチにも言葉遊びが使われており、まさに日本文化の土台のひとつなのです。
言葉遊びは、ただ楽しいだけではありません。語彙力や発想力を伸ばし、相手の言葉を覚えて答えを考える過程で、記憶を一時的に保持する「ワーキングメモリ」を使います。音を聞き分ける「音韻意識」は、子どもが読み書きを覚える土台になることが発達心理学で知られています。早口言葉は俳優やアナウンサーの滑舌トレーニングに使われ、しりとりや連想ゲームは高齢者施設の脳トレ・レクリエーションでも定番です。
- 音・リズムで楽しむ(しりとり・回文など)
- 文字を組み替える(アナグラム・折句など)
- 意味や音をかける(だじゃれ・掛詞など)
- ひらめき・連想で楽しむ(なぞなぞ・なぞかけなど)
- 古典・伝統の言葉遊び(川柳・都々逸など)
- みんなで盛り上がるゲーム(古今東西・ワードウルフなど)
音・リズムで楽しむ言葉遊び【定番5種】

まずは、言葉の音とリズムを味わう、もっとも親しみやすいグループから紹介します。声に出すだけで楽しめるので、小さな子どもからお年寄りまで誰でも参加できます。
1. しりとり
前の人が言った言葉の最後の文字から始まる言葉を、順番につなげていく遊びです。「りんご→ごりら→らっぱ」のように続け、「ん」で終わる言葉を言ったら負けになります。
シンプルですが奥が深く、「る」で終わる言葉を連発して相手を困らせる「る攻め」など、勝つための戦略も存在します。くわしい必勝法や変則ルールは、しりとり必勝法完全ガイド!「る攻め」「ぷ攻め」の戦略から面白い変則ルールまで解説でまとめています。
2. 早口言葉
「生麦生米生卵」「赤巻紙青巻紙黄巻紙」のように、言いにくい言葉を素早く正確に言う遊びです。失敗すると思わぬ言い間違いが飛び出して、聞いている人も笑ってしまいます。
発音を正しく繰り返すことで、口や舌の動きを鍛える「構音トレーニング」になるため、俳優や歌手の練習にも使われます。難易度別の一覧は早口言葉の難易度ベスト115一覧を紹介!【滑舌練習】をどうぞ。
3. 回文
「たけやぶやけた(竹藪焼けた)」「しんぶんし(新聞紙)」のように、上から読んでも下から読んでも同じになる言葉や文をつくる遊びです。短いものなら子どもでもすぐに作れ、長い回文に挑戦すると大人でも頭をひねります。
名作回文をたくさん知りたい方は、回文100個をランク別でまとめて紹介!を読んでみてください。
4. 数え歌
数字を順番に歌詞へ織り込んでいく遊び歌です。「一かけ二かけて三かけて」や、「いちじく にんじん さんしょに しいたけ」のように、一から十までを言葉の頭に隠して並べていきます。
リズムに乗せて覚えられるので、昔は子どもが数字や物の名前を学ぶ手助けにもなっていました。手まりやお手玉と一緒に歌われてきた、日本の伝統的な言葉遊びです。
5. 韻踏み(ライム)
言葉の母音をそろえて、心地よい響きを作る遊びです。たとえば「未来(みらい)」と「気合い(きあい)」は、どちらも母音が「い・あ・い」でそろっており、並べるとリズムが生まれます。
これはヒップホップやラップの「韻(いん)」とまったく同じ仕組みです。お題の言葉に母音が同じ言葉を返す遊びにすると、即興のラップバトルのように盛り上がります。

文字を組み替える言葉遊び【4種】

続いては、言葉を「文字の集まり」としてとらえ、並べ替えたり隠したりして楽しむグループです。少し頭を使うぶん、解けたときの快感は格別です。
6. アナグラム
ある言葉の文字を並べ替えて、別の意味の言葉を作る遊びです。たとえば「とけい(時計)」の三文字を並べ替えると「けいと(毛糸)」になります。
英語では「LISTEN(聞く)」が「SILENT(静かな)」に組み替わる例が有名です。名前や好きな単語をアナグラムにして、隠れた意味を探すと意外な発見があります。
7. 折句(あいうえお作文・縦読み)
各行の頭文字をつなげると、お題の言葉が浮かび上がるように文章を作る遊びです。テレビでおなじみの「あいうえお作文」や、文章の先頭を縦に読む「縦読み」も折句の一種です。
古くは『伊勢物語』で、在原業平が「かきつばた」の五文字を句の頭に詠み込んだ和歌が有名です。「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞ思ふ」の各句の頭をつなぐと「か・き・つ・は・た」になります。
8. さかさ言葉(倒語)
言葉をひっくり返して読む遊びです。「銀座→ザギン」「寿司→シースー」のように、業界の符丁(隠語)としても使われてきました。
逆さにしても意味が通る言葉を探したり、わざと逆さに話して相手に当てさせたりと、遊び方はいろいろです。頭の中で文字の順番を入れ替えるので、よい脳トレにもなります。
9. 沓冠(くつかぶり)
折句をさらに難しくした上級技で、各句の「頭」と「末尾」の両方に言葉を隠す遊びです。「沓(くつ)」は末尾、「冠(かぶり)」は頭を意味します。
室町時代、僧の頓阿(とんあ)が兼好法師に贈った和歌が名作として知られます。各句の頭をつなぐと「よねたまへ(米を給へ)」、末尾を下から読むと「ぜにもほし(銭も欲し)」となり、歌の中にこっそり「米とお金がほしい」という本音を忍ばせていたのです。
意味や音をかける言葉遊び【5種】
次は、同じ音に複数の意味を重ねたり、音と意味のズレを楽しんだりするグループです。日本語ならではの「同音異義語の豊かさ」が存分に活かされます。
10. だじゃれ(地口)
「布団がふっとんだ」「アルミ缶の上にあるみかん」のように、同じ音や似た音を使って意味の違う言葉をかける遊びです。江戸時代には、ことわざや有名な文句をもじる「地口」として庶民に親しまれました。
くだらないと言われがちですが、瞬時に同音の言葉を見つける発想力が必要です。ジャンル別の名作は面白いダジャレ50選!食べ物・動物・日常のくだらない駄洒落をジャンル別・解説付きで紹介にまとめました。
11. 掛詞(かけことば)
ひとつの言葉に二つの意味を重ねる、和歌で発達した高度な言葉遊びです。だじゃれの上品な先祖ともいえます。
小野小町の名歌「花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに」では、「ふる」に「(雨が)降る」と「(時が)経る」、「ながめ」に「長雨」と「眺め」がかけられています。たった一語で情景と心情を同時に表す、日本語の美しさが光る技法です。
12. 語呂合わせ
数字や記号を、似た音の言葉に置き換えて覚えやすくする遊びです。「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」のような年号暗記が代表例です。
電話番号や記念日にも使われ、暗記の強い味方になります。有名なものから面白いネタまでは、語呂合わせ54選!年号・元素・数字の有名な覚え方から面白いネタまで意味と由来付きで解説で紹介しています。
13. オノマトペ(擬音語・擬態語)
「ワンワン」「キラキラ」「もちもち」のように、音や様子を言葉で表したものです。厳密にはひとつの言葉ですが、これを使った造語やしりとりは立派な言葉遊びになります。
日本語はオノマトペが非常に豊富な言語として知られています。意味や使い分けは、オノマトペ一覧72選!擬音語・擬態語の意味と使い方をカテゴリ別に徹底解説でくわしく解説しています。
14. 物名(もののな・隠し題)
文章の中に、お題の言葉をこっそり隠して詠み込む遊びです。たとえば「みんな、好きだよ」という文には、「みんなすきだよ」と野菜の「なす」が隠れています。
『古今和歌集』には「物名」という専用の部立てがあり、平安貴族たちが歌の中に鳥や植物の名を巧みに隠して楽しみました。見つけたときの「なるほど」という驚きが醍醐味です。
ひらめき・連想で楽しむ言葉遊び【5種】
ここからは、ひらめきや発想の柔らかさで勝負するグループです。正解が複数あるものも多く、答えのセンスで個性が出ます。
15. なぞなぞ
言葉のひっかけや二重の意味を使って、答えを当てさせる定番の遊びです。「パンはパンでも食べられないパンは?(答え:フライパン)」のように、思い込みを外す発想がカギになります。
簡単なものから大人向けの難問まで、なぞなぞの簡単な問題60選!面白いクイズを探している方必見!と難しいなぞなぞ50問!大人が唸る上級問題を難易度別・解説付きで出題をそろえています。
16. なぞかけ
「○○とかけて、××と解く。その心は……」の形式で、二つの物事を意外な共通点で結ぶ遊びです。落語家の余興としても知られ、ねづっちさんの活躍で広く親しまれました。
たとえば「布団とかけて相撲と解く。その心は、どちらもしくものでしょう(敷く・四股)」のように、同音異義語でオチをつけます。作り方や名作はなぞかけ100個を難易度別一覧で一挙紹介!を参考にしてください。
17. とんち
正面から考えると解けないが、視点を変えるとひらめく問題です。一休さんの「このはし渡るべからず」に対して「真ん中を歩く」と答える話が有名で、固定観念をくつがえす機転が問われます。
とんちを利かせた問題に挑戦したい方は、とんちクイズ38問!子供から高齢者まで楽しめる名作・難問を答えと解説付きで紹介でたっぷり楽しめます。
18. 連想ゲーム(マジカルバナナ)
ひとつの言葉から連想する言葉を、リズムに乗せて次々につなげる遊びです。「バナナといえば黄色、黄色といえばレモン」のように、テンポよく続けるのがポイントです。
詰まったり、つながりを説明できなかったりすると負けになります。発想のスピードと意外性が試され、大人数でやると一気に盛り上がります。
19. 私は誰でしょうゲーム
出題者があるものになりきり、ヒントを少しずつ出して正体を当ててもらう遊びです。「私は白くて冷たい食べ物です。夏によく食べられます」のように、だんだんヒントを具体的にしていきます。
ヒントの出し方しだいで難易度を自由に変えられるので、子どもから大人まで楽しめます。質問を許可すると、推理ゲームのようにも遊べます。
古典・伝統の言葉遊び【3種】

日本には、長い歴史の中で芸術にまで高められた言葉遊びがあります。少し背伸びして大人の教養として楽しむと、言葉の奥深さに触れられます。
20. 川柳
五・七・五の十七音で、世の中の出来事や人情をユーモラスに詠む遊びです。俳句と形は同じですが、季語や切れ字のきまりがなく、話し言葉で気軽に作れるのが魅力です。
「サラリーマン川柳」のように、日常の哀愁や本音をクスッと笑える形にまとめます。スマホやニュースを題材にすれば、今すぐ一句ひねることができます。
21. 都々逸(どどいつ)
七・七・七・五の二十六音で、主に恋や人情を粋(いき)に詠む俗曲です。三味線に乗せて歌われ、江戸時代の庶民に大流行しました。
「惚れて通えば 千里も一里 逢わずに帰れば また千里」のように、たった四句で恋する人の心の揺れを鮮やかに描きます。短い中に物語を込める、大人の言葉遊びです。
22. いろは歌
平安時代に作られた、四十七の仮名を一度ずつ重複なく使った名作の歌です。「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ……」と続き、すべての仮名を網羅しながら、はかない人生の無常を歌い上げています。
同じ文字を二度使わずに意味の通る文を作る試みは「パングラム」と呼ばれ、世界中の言語に存在します。千年前に完成度の高い作品を生んだ先人の言葉のセンスには、ただただ驚かされます。

みんなで盛り上がる言葉遊びゲーム【6種】
最後は、複数人でわいわい盛り上がるゲーム系です。飲み会や学校のレク、家族の集まりで大活躍する遊びを集めました。
23. 10回クイズ
相手に同じ言葉を10回言わせてから、ひっかけ問題を出す遊びです。「『ピザ』と10回言って」と言わせた直後に、ひじを指して「ここは?」と聞くと、つられて「ひざ」と言い間違えてしまいます。
言葉のリズムで相手の思考を誘導するのがミソで、種を知っていても意外とひっかかります。手軽なのに鉄板で盛り上がる、宴会の定番です。
24. 古今東西ゲーム(山手線ゲーム)
お題を決めて、それに当てはまる言葉を順番に言っていく遊びです。「山手線の駅名」「赤いもの」などのお題で、リズムに乗せて答えをつないでいきます。
詰まったり、すでに出た言葉を言ったりすると負けになります。知識の量だけでなく、プレッシャーの中で言葉を思い出す瞬発力も問われます。
25. ワードウルフ
多数派と少数派で、わずかに違うお題が配られる人狼系の言葉ゲームです。たとえば多数派が「ラーメン」、少数派が「うどん」というお題で、会話の中から少数派(ウルフ)を探し出します。
自分のお題を悟られないように話しつつ、相手のお題を推理する駆け引きが熱く、大人の飲み会で特に人気です。3人以上いればすぐに始められます。
26. たぬき言葉(文字抜き言葉)
文章から特定の文字を抜いて読む遊びです。「たぬき」は「た」を抜く意味で、「したくたべた」から「た」を抜くと「しくべ」のように変化します。
逆に、相手の言葉に勝手に文字を足して意味を変える遊び方もあります。ルールがシンプルなので、ドライブ中などちょっとした時間つぶしにぴったりです。
27. ○○禁止ゲーム(NGワード)
特定の言葉を言ったら負け、というルールで会話するゲームです。「『はい』『うん』などの返事を禁止」のようにお題を決め、相手にうっかり言わせるよう仕向けます。
普段なにげなく使っている言葉ほど、禁止されると出てしまうものです。会話そのものが勝負になるので、自然と笑いが生まれます。
28. 変則しりとり
普通のしりとりにルールを加えて難しくした遊びです。「3文字の言葉だけ」「食べ物の名前だけ」「最後から2文字目をつなぐ」など、縛りを設けると一気に頭を使います。
英語しりとりや、最後の文字でなく頭文字をそろえる遊びなど、アレンジは無限大です。マンネリ化したしりとりも、ルールを変えるだけで新鮮に楽しめます。
場面別・言葉遊びの楽しみ方
同じ言葉遊びでも、遊ぶ相手や場面によって選び方を変えると、より盛り上がります。代表的なシーン別におすすめをまとめました。
子どもの知育に
しりとりや数え歌、なぞなぞは、語彙力と音を聞き分ける力を育てます。文字を覚え始めた時期に遊ぶと、読み書きの土台づくりにつながります。
大人の飲み会・パーティーに
ワードウルフや10回クイズ、NGワードゲームは、初対面の人とも一気に打ち解けられます。道具がいらないので、お店でもキャンプでもすぐに始められます。
高齢者の脳トレ・レクに
連想ゲームや古今東西ゲームは、記憶を引き出す訓練になり、認知症予防のレクとして施設でもよく行われます。勝ち負けより、思い出話に花を咲かせながら楽しむのがコツです。

言葉遊びを作る・上達させるコツ
遊ぶだけでなく、自分でお題や作品を作れるようになると、言葉遊びはもっと面白くなります。上達のためのポイントを紹介します。
まず大切なのは、日頃から同音異義語や似た響きの言葉に注目することです。「橋・箸・端」のように、同じ音で違う意味を持つ言葉は、だじゃれやなぞかけの宝庫になります。
次に、言葉を「音」と「文字」に分解してみる習慣をつけましょう。回文やアナグラムは、言葉を一文字ずつバラして眺めると、隠れた組み合わせが見えてきます。
そして、たくさんの名作に触れることが何より上達の近道です。先人の回文やなぞかけを味わううちに、面白さのパターンが自然と身についていきます。
言葉遊びについてよくある質問(Q&A)
最後に、言葉遊びについてよく寄せられる疑問にお答えします。
まとめ:言葉遊びで言葉のセンスを磨こう
今回は、言葉遊びを28種類、6つのジャンルに分けて紹介しました。
しりとりや回文のような定番から、掛詞や沓冠といった伝統の技、ワードウルフのような現代のゲームまで、言葉遊びの世界はとても豊かです。
道具もお金もいらず、子どもからお年寄りまで一緒に楽しめるのが、言葉遊びの最大の魅力です。語彙力や発想力が自然と鍛えられ、コミュニケーションのきっかけにもなります。
気になった遊びがあれば、ぜひ今日から家族や友人と試してみてください。きっと、あなたの言葉のセンスがどんどん磨かれていきますよ。


