日本全国には、思わず笑ってしまうような面白い地名がたくさん存在します。「マジ?」と驚く読み方の地名や、由来を知ると思わず膝を打つ珍地名、そして名前を聞いただけで縁起が良さそうな地名まで、そのバラエティは想像以上です。

この記事では、全国の面白い地名を「読み方が笑える地名」「由来がすごい地名」「衝撃の珍地名」「アイヌ語由来の地名」「縁起のいい地名」の5ジャンルに分けてご紹介します。友達との雑談ネタや旅行の話題づくりに、ぜひ活用してみてください。
目次
思わず笑ってしまう面白い読み方の地名 10選

まずは、読み方を知った瞬間に笑ってしまうような地名を10個集めました。どれも実在する正式な地名です。
面白山(おもしろやま)―山形県/宮城県
山形県と宮城県の県境にある山で、JR仙山線には「面白山高原」という駅もあります。名前の由来は、山頂からの眺望が「面白い(素晴らしい)」ことから。古い日本語では「面白い」は「素晴らしい・美しい」という意味で使われていたため、絶景を称えた格式ある地名なのです。冬はスキー場としても人気があります。
向津具(むかつく)―山口県長門市
「むかつく」と読む、思わずイラッとしそうな地名です。ただし由来は感情とは無関係で、岬が海に突き出た地形を表す「向かい突く」が転じたものとされています。向津具半島は美しい棚田の景観で知られる穏やかな場所で、名前とのギャップに驚きます。
馬路(まじ)―高知県安芸郡馬路村
「まじ!?」と思わず驚くこの地名。由来はシンプルに「馬が通る道」で、林業が盛んだった時代に馬で木材を運んでいたことにちなんでいます。馬路村は人口800人ほどの小さな村ですが、ゆずポン酢やゆずジュースの産地として全国的に有名です。
南蛇井(なんじゃい)―群馬県富岡市
「なんじゃい!」とケンカを売っているような響きですが、上信電鉄の駅名としても知られる由緒ある地名です。由来には諸説あり、この地域に蛇が多かったという説や、南方にある「蛇井」(蛇のいる井戸)を指すという説があります。富岡製糸場からも近い場所にあります。
後免(ごめん)―高知県南国市
「ごめんなさい」の「ごめん」と同じ響きのこの地名。由来は「御免」、つまり年貢を免除された土地という意味です。土佐くろしお鉄道のごめん駅は、北海道の幸福駅とかつて姉妹駅の関係にあり、「ごめん→幸福」の切符が人気を集めました。

小前田(おまえだ)―埼玉県深谷市
「おまえだ!」と指差されているような響きの地名。秩父鉄道の小前田駅があります。由来は「小さな前の田んぼ」という農地を指す素朴なもので、犯人を指さしているわけではありません。深谷ネギで有名な深谷市の一角にあります。
放出(はなてん)―大阪市鶴見区
「ほうしゅつ」ではなく「はなてん」と読む大阪の地名。JR片町線(学研都市線)の放出駅があります。かつてこの地域にあった河内湖から水が放出(流出)したことが由来とされています。関西ではテレビCMの「はなてん中古車センター」でお馴染みの読み方です。
志布志市志布志町志布志(しぶしししぶしちょうしぶし)―鹿児島県
「志布志」が3回も連続する驚きの住所です。2006年の市町村合併で志布志市が誕生し、旧志布志町の志布志地区がそのまま残ったことでこの珍住所が生まれました。住所を書くだけで手がつりそうですが、地元の方は慣れたものだそうです。志布志港からはフェリーが出ており、大阪へのアクセスにも使われています。
及位(のぞき)―山形県真室川町
「きゅうい」でも「およい」でもなく「のぞき」。JR奥羽本線の及位駅は、難読駅名として鉄道ファンの間で有名です。由来は修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)がこの地の岩の上から下界を「覗いた」ことから、という言い伝えがあります。
特牛(こっとい)―山口県下関市
「とくうし」でも「とくぎゅう」でもなく「こっとい」。JR山陰本線の特牛駅は、日本一読みにくい駅名の一つとも言われています。「特牛」は「子持ちの牛」や「大きな牝牛」を意味する古語で、この地域で牛の放牧が盛んだったことに由来しています。
由来がすごい珍地名 8選
読み方だけでなく、その名前が付いた経緯を知ると「そうだったのか!」と驚く地名を集めました。
天使突抜(てんしつきぬけ)―京都市下京区
まるでファンタジー小説のような地名ですが、京都に実在します。由来は豊臣秀吉の時代までさかのぼります。秀吉が京都の区画整理を行った際、「天使」と呼ばれていた五条天神社の境内を「突き抜ける」道を通したことから、この地名が付けられました。現在も「天使突抜一丁目」から「四丁目」まであります。
増毛(ましけ)―北海道増毛郡増毛町
育毛に悩む人が聞いたら思わず訪れたくなる地名ですが、残念ながら髪の毛とは無関係です。アイヌ語の「マシュキニ」(カモメの多いところ)が由来。かつてはJR留萌本線の増毛駅がありましたが、2016年に廃止されました。廃止前には「増毛行きの切符」を求める人が殺到したというエピソードもあります。
鬼死骸(おにしがい)―岩手県一関市
なんとも物騒な地名ですが、由来は坂上田村麻呂の蝦夷征伐の伝説にあります。この地で鬼のように強い蝦夷の勇者が討ち取られ、その骸(むくろ)が横たわったことから名付けられたとされています。東北地方には鬼にまつわる地名が各地に残っており、古代の戦いの記憶を今に伝えています。

百目鬼(どめき)―山形県山形市
「ひゃくめき」ではなく「どめき」と読みます。百の目を持つ鬼の伝説が由来という説もありますが、実際は水が「どめく(轟く)」=勢いよく流れる場所を表す地形由来の名前だとされています。山形市内にある住宅街で、今は穏やかな雰囲気です。
鼻毛(はなげ)―石川県金沢市
金沢市に実在する地名で、バス停も「鼻毛」です。もとは「端毛」(はしけ・はなげ)と書いたとされ、「端(はな)」は岬や突端を意味し、「毛」は草木が茂る場所を指す地名用語でした。つまり「岬のそばの草地」という地理的に正しい由来があるのです。
尻こすり坂―神奈川県横浜市
横浜市にあるユニークな名前の坂道です。あまりにも坂が急だったため、荷車で通ると車体の底(尻)が地面をこすったことが名前の由来。坂の多い横浜ならではの地名で、昔の人々の苦労が伝わってきます。
金持(かもち)―鳥取県日野町
「お金持ち」ではなく「かもち」と読みます。由来は金属(鉄)が採れた土地であることから「金持」の字が当てられました。ただし、その縁起の良い響きから金持神社には全国から金運アップを願う参拝者が訪れ、宝くじの当選祈願スポットとしても有名です。
酒々井(しすい)―千葉県印旛郡
「さけさけい」ではなく「しすい」と読みます。親孝行な息子が井戸の水を父に飲ませたところ、その水が酒に変わったという「酒の井」伝説が地名の由来。下総国の歴史ある地名で、現在は酒々井プレミアム・アウトレットの所在地としても知られています。
思わず二度見する衝撃の地名 7選

実在すると知って驚く、インパクト抜群の地名を集めました。どれも由来を調べると、きちんとした理由があります。
喜連瓜破(きれうりわり)―大阪市平野区
大阪メトロ谷町線の駅名としても有名な、見た目のインパクトが強い地名です。「喜連」(きれ)と「瓜破」(うりわり)という2つの地区の間に駅を作ったため、両方の名前をくっつけた合成地名。「瓜破」の由来は、聖徳太子がこの地で瓜を割ったという伝説から来ているとも言われています。
一口(いもあらい)―京都府久御山町
「ひとくち」ではなく「いもあらい」という衝撃の読み方。由来は諸説ありますが、宇治川の水で「忌(いみ)を洗う」(穢れを清める)行為が行われた場所が転じた、とする説が有力です。京都の地名には、古い言葉がそのまま残っているケースが多く見られます。
不入斗(いりやまず)―千葉県・神奈川県横須賀市
「ふにゅうと」ではなく「いりやまず」。「斗」は米を量る単位のことで、「不入斗」は租税を免除された土地を意味します。中世の荘園制度で年貢が「入らない(免除される)」特権を持った土地の名残が、今も地名として残っているのです。
女体(にょたい)―埼玉県さいたま市緑区
そのまま「にょたい」と読みます。浦和美園駅の近くにある地名で、その由来は女体山への山岳信仰にあります。筑波山の2つの山頂のうち「女体山」を信仰していた人々が住んだ地域であることから、この名前が付きました。
漫湖(まんこ)―沖縄県那覇市
沖縄県那覇市と豊見城市にまたがる干潟で、ラムサール条約にも登録されている貴重な湿地です。名前の由来は中国語で「満々と水をたたえた湖」を意味する「漫湖」から。漫湖水鳥・湿地センターでは、マングローブ林や野鳥の観察を楽しめる自然豊かなスポットです。
珍小島(ちんこじま)―北海道虻田郡洞爺湖町
「珍しい小さな島」という意味のこの地名は、洞爺湖町にあります。かつては満潮時に離島になり、干潮時に歩いて渡れるという珍しい島だったことが名前の由来。現在は陸続きになっています。
尻毛(しっけ)―岐阜市
「しりげ」ではなく「しっけ」と読む岐阜市の地名。由来は「湿気(しっけ)」とされ、もともと水はけの悪い湿地帯だった地域を指す言葉が地名になったものです。地名の成り立ちを知ると、実は至って理にかなった名前だとわかります。
北海道のアイヌ語由来ユニーク地名 7選
北海道の地名の多くはアイヌ語がルーツです。日本語の漢字を当て字にしたことで、独特の響きが生まれています。
ヤリキレナイ川(やりきれないがわ)―北海道夕張郡由仁町
「やりきれない」感がすごい川の名前。アイヌ語の「ヤンケ・ナイ」(魚の住まない川)が由来とされていますが、日本語に聞こえるその響きの面白さからテレビ番組でも何度も取り上げられました。仕事で疲れた日に訪れたくなる名前です。

長万部(おしゃまんべ)―北海道山越郡
「ながまんぶ」ではなく「おしゃまんべ」。アイヌ語の「オ・シャマンペ」(川尻にカレイのいるところ)が由来です。JR函館本線と室蘭本線の分岐点として鉄道ファンにも知られ、駅弁の「かにめし」が名物です。
音威子府(おといねっぷ)―北海道中川郡
「おんいこぐち」ではなく「おといねっぷ」。アイヌ語の「オ・トイネ・プ」(川口が土で濁っているもの)が由来です。日本で最も人口の少ない村の一つとしても知られ、真っ黒な麺が特徴の「音威子府そば」は一度食べたら忘れられない味です。
倶知安(くっちゃん)―北海道虻田郡
「ぐちあん」ではなく「くっちゃん」。アイヌ語の「クチャ・アン・ナイ」(猟小屋のある沢)が由来です。ニセコスキーリゾートの玄関口として世界的に有名で、海外の観光客にも「Kutchan」の名で親しまれています。
占冠(しむかっぷ)―北海道勇払郡
「せんかん」ではなく「しむかっぷ」。アイヌ語の「シモカプ」(とても静かで平和な上流の場所)が由来です。その名のとおり豊かな自然に囲まれたエリアで、星野リゾート トマムがあることでも知られます。雲海テラスからの絶景は必見です。
弟子屈(てしかが)―北海道川上郡
「でしくつ」ではなく「てしかが」。アイヌ語の「テシカ・ガ」(岩盤の上を流れる川)が由来です。透明度世界クラスの摩周湖や、日本最大のカルデラ湖屈斜路湖を有する観光の町です。
忍路(おしょろ)―北海道小樽市
「にんろ」ではなく「おしょろ」。アイヌ語の「オショロ」(尻・窪地)が由来で、入り江が窪んだ地形を表しています。忍路環状列石(ストーンサークル)という縄文時代の遺跡があり、約3500年前の歴史を今に伝えるロマンあふれる地名です。
縁起がよさそうな面白い地名 8選

名前を聞いただけで幸せになれそうな、縁起の良い地名を集めました。切符やお守りとして人気のスポットもあります。
幸福(こうふく)―北海道帯広市
かつて国鉄広尾線に「幸福駅」がありました。1973年のNHKの紀行番組をきっかけに「愛国から幸福ゆき」の切符が大ブームとなり、約1000万枚も売れたとされています。路線は1987年に廃止されましたが、今も旧幸福駅は観光スポットとして保存され、恋人たちの聖地になっています。
極楽(ごくらく)―名古屋市名東区
名古屋市に実在する、まさに天国のような地名です。名東区の住宅街で、由来はこの地域にあった寺院の名前から取られたとされています。「極楽」バス停で降りる通勤・通学の方々は、毎日ちょっとだけ幸せな気分かもしれません。
大金(おおがね)―栃木県那須烏山市
JR烏山線には「大金駅」があります。その縁起の良い名前から、宝くじシーズンには駅の入場券を買い求める人も。大金駅と宝積寺駅を結ぶ「お金がたまる」ルートとしても話題になったことがあります。
千両(せんりょう)―愛知県豊川市
愛知県豊川市にある地名で、「千両」はお正月の縁起物としてもお馴染みの植物の名前でもあります。由来はこの地域の山に千両の木が多く自生していたことから。近くには日本三大稲荷の一つ、豊川稲荷もあり、金運スポットが集中しています。
龍神(りゅうじん)―和歌山県田辺市
旧龍神村の地名で、由来は弘法大師(空海)が難陀龍王のお告げを受けて開いた温泉という伝説から。龍神温泉は「日本三美人の湯」の一つとして知られ、美肌効果のある泉質で人気を集めています。龍の神様が守る温泉地なんて、パワースポット感が満載です。

寿(ことぶき)―横浜市中区
横浜中華街にも近い「寿町」。めでたい名前ですが、由来は明治時代にこの地域が発展する際に縁起の良い名前を付けたとされています。全国各地に「寿」の付く地名がありますが、横浜の寿町は独特の歴史と文化を持つエリアです。
恵比寿(えびす)―東京都渋谷区
おしゃれな街として知られる恵比寿ですが、地名の由来は意外にもビール工場。明治時代に日本麦酒醸造会社が「ヱビスビール」を製造する工場をこの地に建設し、その名が駅名→地名として定着しました。七福神の恵比寿様が先ではなく、ビールが先だったのです。
吉祥寺(きちじょうじ)―東京都武蔵野市
住みたい街ランキング常連の吉祥寺ですが、実は「吉祥寺」というお寺は吉祥寺にはありません。吉祥寺というお寺は文京区本駒込にあり、江戸時代の大火で焼け出された門前の住民がこの地に移住し、元の寺の名前をそのまま地名にしたのが由来です。
面白い地名にまつわるトリビア
日本一短い地名は「津」
三重県津市(つ)は、日本一短い地名として知られています。平仮名でたった1文字、ローマ字では「Tsu」の3文字。国際郵便で届くのか心配になるレベルですが、ちゃんと届きます。ちなみに津市は県庁所在地でもあります。
同じ地名が全国に点在する「府中」現象
「府中」という地名は東京都・広島県・京都府など全国に存在します。これは律令時代の「国府」(国の役所)が置かれた場所を「府中」と呼んだため。国府が置かれた場所はそれだけ重要な土地だったことを示しており、地名が日本の行政の歴史を伝えています。
アイヌ語由来の地名は北海道だけじゃない
アイヌ語由来の地名は北海道が圧倒的に多いですが、東北地方にも残っています。例えば岩手県の「釜石」はアイヌ語の「カマ・ウシ」(平らな岩のある場所)が由来とする説があります。かつてのアイヌ文化の広がりを、地名が静かに教えてくれるのです。
まとめ
日本全国の面白い地名40選をご紹介しました。読み方が笑える地名、由来がすごい珍地名、衝撃的な地名、アイヌ語由来の地名、縁起のいい地名と、5つのジャンルで日本の地名の奥深さをお伝えできたのではないでしょうか。
地名にはその土地の歴史・文化・自然環境が凝縮されています。「面白い」で終わらせるだけでなく、由来を調べることで日本各地の成り立ちが見えてくるのが地名探訪の醍醐味です。

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参考文献

