
この記事では、世界の面白い挨拶を30個厳選して、地域別にわかりやすく紹介します。
旅行やビジネスで海外に行く方はもちろん、雑学として知っておくだけでも会話のネタになること間違いなしです。それでは早速見ていきましょう。
目次
アジアの面白い挨拶8選

まずはアジアから。日本と同じアジア圏でも、驚くほど多彩な挨拶の文化が存在します。
1. 舌を出して挨拶する(チベット)
チベットでは、相手に向かって舌をペロッと出すのが伝統的な挨拶です。
これは9世紀に暴君として恐れられた「ランダルマ王」に由来すると言われています。ランダルマ王は黒い舌を持っていたとされ、「自分はランダルマの生まれ変わりではない」ことを証明するために舌を見せるようになったのだとか。
現在でも年配者を中心にこの習慣が残っており、知らない外国人が見ると思わずギョッとする光景です。
2. 年長者の手を自分の額に当てる「マノポ」(フィリピン)
フィリピンには「マノポ(Mano po)」と呼ばれる挨拶があります。年下の人が年長者の右手を取り、自分の額に軽く押し当てるジェスチャーです。
「Mano」は「手」、「po」は敬語の接尾辞で、直訳すると「お手をいただきます」という意味になります。祖父母や両親、先生などに対して日常的に行われており、フィリピンの家族への深い敬意がよく表れた習慣です。
3. 合掌の高さで敬意が変わる「ワイ」(タイ)
タイの挨拶「ワイ(Wai)」は、手を合わせて軽く頭を下げるジェスチャーです。一見シンプルですが、手を合わせる位置によって敬意の度合いが3段階に分かれます。
- 胸の前:友人や同僚への日常的な挨拶
- 鼻の高さ:年長者や上司への敬意
- 額の高さ:僧侶や国王への最高の敬意
間違った高さでワイをすると失礼にあたることもあるので、タイ旅行の際はぜひ覚えておきたい知識です。
4. 足に触れて敬意を示す「チャラン・スパルシュ」(インド)
インドの「ナマステ」は世界的に有名ですが、さらに丁寧な挨拶として「チャラン・スパルシュ(Charan Sparsh)」があります。
これは相手の足元にかがんで足に触れる挨拶で、祖父母や目上の人、聖職者に対して行われます。「あなたの足の塵さえも私にとっては神聖なものです」という深い敬意の表現です。
触れた手をそのまま自分の額に当てると「祝福を受け取る」という意味にもなります。
5. 絹の布を贈る「ハダ」(モンゴル)
モンゴルでは、大切なお客様を迎えるときに「ハダ(Khata)」と呼ばれる白や青の絹の布を贈る習慣があります。
ハダはチベット仏教の影響を受けた伝統で、純粋さ・敬意・祝福を象徴しています。贈る側は両手で布の端を持ち、受け取る側も両手で受け取るのがマナーです。
日本のお歳暮やお中元に近い感覚ですが、挨拶のたびに布を贈るのはモンゴルならではの文化ですね。
6. 「ご飯食べた?」が挨拶代わり(中国)
中国では「你好(ニーハオ)」のほかに、「吃了吗?(チーラマ?=ご飯食べた?)」が日常的な挨拶として使われます。
これは食糧難の時代に、相手の安否を確認する意味で使われ始めたとされています。相手のお腹の心配をすることが最大の思いやりだったわけです。
ちなみに韓国でも「밥 먹었어?(パプ モゴッソ?=ご飯食べた?)」がカジュアルな挨拶として使われており、東アジアに共通する温かい文化と言えます。

7. 長い時間をかけて安否を確認する(ネパール)
ネパールでは、特に農村部において挨拶に非常に長い時間をかける文化があります。
「お元気ですか?」だけでは終わらず、「ご家族は?」「田んぼの調子は?」「牛は元気?」「天気はどう?」と次々に質問が続き、一連の挨拶が5〜10分かかることも珍しくありません。
急いでいるときは少し困りそうですが、相手の生活をまるごと気にかけるこの習慣は、人と人のつながりを大事にするネパールらしさが溢れています。
8. お辞儀の角度に3段階がある(日本)
私たち日本人にとっては当たり前の「お辞儀」ですが、実は海外から見ると非常にユニークな挨拶です。
- 会釈(15度):すれ違いや軽い挨拶
- 敬礼(30度):ビジネスシーンでの標準的な挨拶
- 最敬礼(45度):謝罪や最高の敬意を示す場面
海外の人が日本に来て「角度にルールがあるの!?」と驚くことは多いそうです。無意識にやっている私たちも、改めて考えると面白い文化ですね。
ヨーロッパの面白い挨拶6選
ヨーロッパは「頬キス文化」が発達している地域ですが、国ごとにルールが微妙に違うのが面白いポイントです。
9. 地域によってキスの回数が変わる「ビズ」(フランス)
フランスの挨拶といえば頬にキスをする「ビズ(Bisou)」が有名です。
ただし、キスの回数は地域によって大きく異なります。パリでは2回、南仏のプロヴァンスでは3回、一部の北部地域では4回というケースもあります。フランス人同士でも引っ越すと「ここは何回?」と確認するそうです。
しかもビズは親しい間柄だけでなく、初対面の人にも行うことがあるので、慣れないと少し戸惑うかもしれません。
10. 誕生日には全員に3回キス(オランダ)
オランダでは挨拶の際に頬へのキスを3回行うのが一般的です。右頬→左頬→右頬の順番で、テンポよく3回行います。
特に誕生日パーティーでは、主役が参加者全員に3回ずつキスをして回るのが慣例。大人数のパーティーだとキスだけでかなりの時間がかかりますが、オランダの人々はこれを楽しそうにこなしています。
11. 男性同士でもキスで挨拶する(ロシア)
ロシアでは、親しい男性同士が頬にキスをして挨拶する文化があります。
旧ソ連時代にはブレジネフ書記長とホーネッカー東ドイツ書記長の熱烈なキスが有名で、ベルリンの壁にもその場面が描かれた壁画が残されています。
現代のロシアでは頬キスが主流ですが、今でも非常に親しい友人や家族間では見られる光景です。
12. 頬キスは右頬からがルール(イタリア)
イタリアでも頬キスの挨拶は一般的ですが、必ず右頬から始めるのが暗黙のルールです。
左頬から始めてしまうと鼻同士がぶつかって非常に気まずい瞬間になるため、イタリア人は自然と右頬から始める習慣が身についています。
また、キスの回数は地域によって1回〜2回と異なります。北イタリアは1回が多く、南イタリアでは2回が一般的です。

13. 握手は強く、アイコンタクトは絶対(ドイツ)
ドイツの挨拶で重要なのは「しっかりとした握手」と「相手の目をまっすぐ見ること」です。
弱い握手は「頼りない」「信用できない」という印象を与え、目をそらすと「何かやましいことがある」と思われる可能性があります。
日本では目を見つめすぎると失礼とされることもありますが、ドイツでは逆にアイコンタクトを避ける方が失礼にあたります。文化の違いが如実に表れる場面ですね。
14. 背中をバンバン叩いて挨拶する(ギリシャ)
ギリシャでは親しい友人同士の挨拶で、背中をバンバンと叩くことがあります。
日本だとちょっと痛そうに感じますが、ギリシャ人にとっては親愛の表現。叩く力が強いほど「会えて嬉しい!」という気持ちの表れだとされています。
ちなみにギリシャ語の挨拶「ヤスー(Γεια σου)」は「健康を」という意味。相手の健康を願う言葉から始まるのも、ギリシャらしい温かさです。
アフリカの面白い挨拶7選

アフリカ大陸は多様な民族と文化が共存しており、挨拶のバリエーションも驚くほど豊富です。
15. ジャンプの高さで勇敢さを競う(マサイ族・ケニア)
ケニアやタンザニアに住むマサイ族の若い戦士たちは、挨拶の際に高くジャンプする「アドゥムゥ(Adumu)」を行います。
このジャンプは「自分は強くて健康だ」というアピールであり、高く跳べるほど評価されます。集団で円を作り、一人ずつ中央に出てジャンプする光景はまさに圧巻です。
観光客向けのパフォーマンスとしても有名ですが、本来は成人の儀式や歓迎の場で行われる神聖な挨拶の一形態です。
16. 「あなたの牛は元気?」が定番の挨拶(マサイ族・ケニア)
マサイ族にはもう一つ面白い挨拶があります。「Sopa! Kaji inkishu?(やあ!牛は元気?)」というフレーズです。
マサイ族にとって牛は富と社会的地位の象徴。牛の数がそのまま一族の財力を表すため、牛の健康を尋ねることは日本で「お仕事は順調ですか?」と聞くのと同じような意味合いです。
「牛も元気だよ」と返すのが一般的な流れで、牛を通じてお互いの暮らしぶりを確認し合います。
17. 手のひらに唾を吐いて「祝福」する(キクユ族・東アフリカ)
東アフリカのキクユ族には、挨拶の際に相手の手のひらに軽く唾を吐く習慣があります。
日本人の感覚からすると驚きですが、キクユ族にとって唾は「生命力」や「祝福」の象徴。唾を吐くことで「良い運をあなたに送る」という意味を込めているのです。
赤ちゃんが生まれた際にも同様に唾を吐いて祝福することがあり、悪霊から守る意味も込められています。

18. 拍手の仕方に敬意を込める(ジンバブエ)
ジンバブエでは、挨拶の際に拍手(クラップ)が重要な役割を果たします。
男性は手のひらを重ねるようにまっすぐ叩き、女性は手を少しずらしてカップ状にして叩くのがルール。拍手の回数やリズムで敬意の度合いが変わり、年長者に対しては特に丁寧な拍手が求められます。
言葉を交わす前にまず拍手で挨拶するのが、ジンバブエ流のマナーです。
19. 肩を3回ぶつけ合う(エチオピア)
エチオピアの一部地域では、親しい友人同士が右肩と右肩を3回ぶつけ合う挨拶があります。
この挨拶は「久しぶりに会えた喜び」を体全体で表現するもので、特に男性同士で行われることが多いです。
軽くぶつけるのではなく、わりとしっかりとした力で肩をぶつけるのがポイント。慣れていないとよろけてしまうかもしれません。
20. 親指を握り合う3ステップ握手(ボツワナ)
ボツワナの伝統的な挨拶は、独特の3ステップ握手です。
まず通常の握手をし、次に互いの親指を握り合い、最後にもう一度通常の握手に戻ります。この一連の動作をスムーズにこなすのがボツワナ式のマナーとされています。
初めて体験する観光客は「え、まだ続くの?」と戸惑うことも多いそうです。
21. 地面にひれ伏す「ドバレ」(ヨルバ族・ナイジェリア)
ナイジェリアのヨルバ族には、年長者に会った際に地面にひれ伏す「ドバレ(Dobale)」という挨拶の伝統があります。男性はうつ伏せの姿勢を取り、女性は片膝をつきます。
現代の都市部では省略されることも増えていますが、祭りや冠婚葬祭の場面では今でも大切にされている習慣です。年長者への深い敬意が伝わる、非常に丁寧な挨拶と言えるでしょう。
オセアニア・極北の面白い挨拶4選
島嶼地域や極北地域にも、その土地ならではの独自の挨拶文化が息づいています。
22. 鼻と額を合わせる「ホンギ」(マオリ族・ニュージーランド)
ニュージーランドの先住民族マオリ族の伝統的な挨拶「ホンギ(Hongi)」は、お互いの額と鼻を合わせて息を共有する行為です。
マオリ語で「ハ(Ha)」は「息」と「生命力」を意味し、ホンギを通じて互いの魂(マナ)を分かち合うとされています。
ニュージーランドの公式行事でも行われており、外国の要人が訪問した際にもホンギで歓迎されることがあります。
23. 鼻を押し当てる「クニック」(イヌイット)
カナダ北部やグリーンランドに住むイヌイットの伝統的な挨拶「クニック(Kunik)」は、相手の頬や額に鼻と上唇を押し当てる行為です。
よく「エスキモーキス(鼻をこすり合わせる)」と紹介されますが、実際は鼻をこすり合わせるわけではなく、相手の肌に鼻を押し当てて匂いを感じ取るのが正確な作法です。
極寒の環境では顔の大部分が防寒具で覆われるため、露出している鼻や頬で挨拶するのが合理的だったとも言われています。
24. 頬を合わせて深く息を吸う(ツバル・ポリネシア)
南太平洋のツバルやポリネシアの一部地域では、相手の頬に自分の頬を合わせ、深く息を吸い込む挨拶があります。
これは相手の「存在そのもの」を感じ取る行為とされ、言葉を超えたコミュニケーションの一形態です。
観光客にとっては少し距離感が近く感じるかもしれませんが、現地の人にとっては最高の歓迎の表現です。
25. 「アロハ」に込められた5つの精神(ハワイ)
ハワイの挨拶「アロハ(Aloha)」は世界的に有名ですが、ハワイ州法(Aloha Spirit Law)で正式にその精神が定義されていることはあまり知られていません。
「ALOHA」の5文字にはそれぞれ深い意味が込められています。
- A(Akahai):思いやり
- L(Lokahi):調和
- O(ʻOluʻolu):礼儀正しさ
- H(Haʻahaʻa):謙虚さ
- A(Ahonui):忍耐
「こんにちは」「さようなら」「愛しています」のすべてを1語で表すアロハは、ハワイの精神そのものを象徴する挨拶です。
中南米の面白い挨拶5選

情熱的なイメージのある中南米。挨拶もやっぱりフレンドリーで、人との距離感がとにかく近いのが特徴です。
26. とにかく熱い抱擁「アブラッソ」(メキシコ)
メキシコの男性同士の挨拶で欠かせないのが「アブラッソ(Abrazo)」、つまりハグです。
ただし、日本人がイメージする軽いハグではなく、バンバンと背中を叩きながらの力強い抱擁が基本。久しぶりに会った友人同士だと、アブラッソが数秒〜十数秒続くこともあります。
初対面でもアブラッソを求められることがあるので、メキシコを訪れる際は心の準備をしておきましょう。
27. 頬キスの回数が州で変わる(ブラジル)
ブラジルでも頬キスの挨拶は一般的ですが、キスの回数が州ごとに異なるのが面白いポイントです。
サンパウロでは1回、リオデジャネイロでは2回、ミナスジェライス州やバイーア州では3回が主流。ブラジル人同士でも引っ越すと「この街は何回だっけ?」と確認し合うそうです。
フランスのビズと同様に、同じ国内でもルールが統一されていない頬キス文化は、旅行者にとってなかなかの難関です。
28. 初対面でもとりあえずキス1回(アルゼンチン)
アルゼンチンでは、初対面であっても頬キス1回で挨拶するのが当たり前。男性同士、女性同士、男女問わず行われます。
日本のビジネスシーンで初対面の人にキスをしたら大変なことになりますが、アルゼンチンではキスをしないほうが「冷たい人」「失礼な人」と思われてしまう可能性があります。
文化が違えば常識もまったく逆になるという、分かりやすい例ですね。
29. 挨拶に延々と時間をかける「プラ・ビダ」の国(コスタリカ)
コスタリカの人々は挨拶に非常に時間をかけることで知られています。
「元気?」→「うん元気。そっちは?」→「元気だよ。家族は?」→「みんな元気。仕事は?」…と延々と続く挨拶のラリーが5〜10分に及ぶことも珍しくありません。
「Pura Vida(プラ・ビダ=純粋な人生)」という国のモットーが示すように、ゆったりとした時間の流れの中で人と人との交流を楽しむ精神が根づいています。
30. 友人同士の「キウボ!」(コロンビア)
コロンビアでは、フォーマルな場面では頬キス+握手が基本ですが、友人同士では「¡Quiubo!(キウボ!)」というカジュアルな挨拶が飛び交います。
これは「¿Qué hubo?(何があった?)」の短縮形で、日本語の「よっ!」「おっす!」に近いニュアンスです。言い方にも独特のリズムがあり、「キウーーーボ!」と語尾を伸ばして発音するのがコロンビア流。
友人同士が街角で「キウーーーボ!」と叫び合う光景は、コロンビアの陽気な国民性をよく表しています。

世界の挨拶にまつわるトリビア
ここからは、挨拶にまつわる面白い豆知識を紹介します。
握手の起源は「武器を持っていない」ことの証明
世界中で行われている「握手」ですが、その起源は古代ギリシャにまで遡ります。右手で握手をすることで、「右手に武器を持っていない=敵意がない」ことを証明するのが始まりだったとされています。
前腕まで握り合う形で行われた古代の握手には、袖の中に隠し持った短剣がないかを確認する意味もあったのだとか。平和の象徴として今も世界中で使われていることを考えると、歴史の重みを感じます。
コロナ禍で「ナマステ式」合掌挨拶が世界に広まった
2020年の新型コロナウイルスの流行以降、握手やハグの代わりにインドの「ナマステ」式合掌が世界各地で注目されるようになりました。
イギリスのチャールズ皇太子(当時)やフランスのマクロン大統領も公式の場で合掌挨拶を取り入れ、大きな話題に。非接触でありながら敬意を表せるこの挨拶スタイルは、ポストコロナ時代の新たなスタンダードになりつつあります。
日本のお辞儀は「世界一丁寧な挨拶」と評されることがある
海外のメディアでは、日本のお辞儀が「世界で最も丁寧な挨拶の一つ」として紹介されることがあります。
特に「角度で敬意の度合いを表現する」という繊細さに注目が集まっており、海外のホテルや航空会社の接客研修で日本式のお辞儀が取り入れられるケースも増えているそうです。
まとめ
世界の面白い挨拶を30個、地域別に紹介しました。
舌を出したり、ジャンプしたり、唾を吐いたり…日本の感覚からすると「え!?」と驚くものばかりですが、どの挨拶にも深い文化的な意味が込められています。
- チベットの舌出しは「暴君の生まれ変わりではない」という証明
- マサイ族のジャンプは「勇敢さ」と「健康」のアピール
- キクユ族の唾は「祝福」と「生命力」の象徴
- フランスのビズは地域でキスの回数が変わる
挨拶はその国の歴史・価値観・人間関係の縮図です。海外旅行の際にはぜひ現地の挨拶を試してみてください。きっと素敵なコミュニケーションのきっかけになるはずです。

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参考文献

