「無花果」「海豹」「所謂」——日本語には、見たことはあるのに読めない漢字がたくさんあります。
普段はひらがなやカタカナで書かれるため意識しませんが、漢字で書くと「え、これってそう読むの!?」と驚くものばかり。知っていると「物知り!」と感心されること間違いなしです。
この記事では、食べ物・動物・日常・体と自然・超難問の5カテゴリに分けて、難読漢字50問をクイズ形式で出題します。答えを見る前にぜひ自分で考えてみてください。

目次
食べ物の難読漢字10選

まずは身近な食べ物から。毎日食べているものでも、漢字にすると途端に読めなくなります。
Q1. 無花果
「花が無い果物」と書きますが、実際には花がないわけではありません。実の内側に小さな花を咲かせるため、外からは花が見えないのです。この特徴から「花無果」→「無花果」と名付けられました。
Q2. 竜髭菜
「竜の髭のような菜(野菜)」という意味。アスパラガスの細い茎が竜の髭に見えることから。和食のメニューで見かけることは稀ですが、中華料理の表記で使われることがあります。
Q3. 心太
漢字と読みが全く一致しない難読漢字の代表格。元々は「凝海藻(こるもは)」→「こころふと」→「ところてん」と変化したとされ、当て字の「心太」が定着しました。
Q4. 御強
もち米を蒸したご飯のこと。「強飯(こわいい)」に丁寧語の「御」がついて「おこわ」。「強」は固い=もち米の食感を表しています。
Q5. 外郎
名古屋の銘菓として有名。元々は中国の官職名「外郎(がいろう)」に由来し、その人物が作った薬の名前が転じてお菓子の名前になりました。
Q6. 饂飩
中国語の「餛飩(ワンタン)」が転じたとする説が有力。画数が多く、飲食店のメニューでもほぼ使われない漢字ですが、老舗のうどん屋の暖簾には残っていることがあります。
Q7. 甜瓜
「甜」は甘いという意味。「甘い瓜」でメロンの仲間。正確には「まくわうり」を指しますが、広義でメロン全般に使われます。
Q8. 搾菜
中国四川省の漬物。「搾る菜」と書きますが、これは塩漬けにした後に搾って水分を抜く製法に由来します。ラーメンのトッピングでおなじみです。
Q9. 雲呑
中国語の「馄饨」が日本に伝わり「雲呑」の漢字が当てられました。雲を呑むような形状が名前の由来とも言われ、なんとも詩的な当て字です。
Q10. 占地
「地面を占める」と書いて「しめじ」。群生して地面を占領するように生えることが名前の由来です。スーパーでよく見かけるのは「ぶなしめじ」ですが、本来の「しめじ」は別の種類です。

動物の難読漢字10選
動物の名前はカタカナで書くのが一般的ですが、漢字にすると意外な発見があります。
Q11. 海豹
「海の豹(ひょう)」と書いてアザラシ。体の模様がヒョウの斑点に似ていることが由来です。ちなみにアシカは「海驢」(海のロバ)と書きます。
Q12. 膃肭臍
難読漢字の中でも最高クラスの難しさ。3文字とも常用漢字ではなく、読める人はほとんどいません。中国語由来の当て字で、オットセイの腎臓(膃肭)の臍(へそ)が薬として珍重されたことに由来します。
Q13. 蝸牛
「蝸」は渦巻き、「牛」は角。渦巻きの殻と牛のような角(触角)を持つ生き物、でカタツムリ。漢字のまま読むと「かぎゅう」で、これは中国語の読み方です。
Q14. 河馬
「河の馬」と書いてカバ。英語のhippopotamus(ヒポポタマス)もギリシャ語で「河の馬」という意味なので、洋の東西を問わず「河の馬」と認識されていたようです。
Q15. 海月
水中を漂うクラゲの姿が、海に映った月のように見えることから。「水母」とも書きます。どちらの漢字も詩的で美しい当て字です。
Q16. 啄木鳥
「木を啄(ついば)む鳥」でキツツキ。石川啄木の名前にも使われている「啄」という漢字は、鳥がくちばしでつつく動作を表します。
Q17. 百舌鳥
「百の舌を持つ鳥」と書いてモズ。他の鳥の鳴き声を真似する習性があることから、百の舌を持つ=多くの声を出せる鳥、として名付けられました。大阪の「百舌鳥(もず)」地名の由来でもあります。
Q18. 栗鼠
「栗を食べる鼠」でリス。中国語ではそのまま「松鼠(しょうそ)」と呼びますが、日本では「りす」の音に「栗鼠」を当てました。
Q19. 山羊
「山の羊」でヤギ。読めそうで意外と「さんよう?」と迷う人が多い漢字です。家畜の羊と区別して「山にいる羊」と表現したシンプルな命名。
Q20. 海鼠
「海の鼠」と書いてナマコ。海底を這う姿がネズミに似ていることから。ちなみに海鼠を干したものは「海鼠腸(このわた)」と呼ばれる珍味です。
日常で使う難読漢字10選
普段の会話で使う言葉でも、漢字で書くと読めないものが多くあります。
Q21. 所謂
「謂う所の」が転じた言葉。ビジネス文書や論文でよく使われますが、「しょせん」「しょい」と誤読する人が非常に多い漢字です。
Q22. 流石
中国の故事「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」から。負けず嫌いの男が「石に枕し流れに漱(くちすす)ぐ」と言うべきところを逆に言い、屁理屈で押し通した故事が由来。夏目漱石の名前もここから来ています。
Q23. 兎に角
仏教用語の「兎角(とかく)」が変化したもの。「兎の角」は存在しないもののたとえで、「あれこれ考えてもしょうがない」という意味から「とにかく」になりました。
Q24. 仙人掌
サボテンの形が仙人の手のひらに似ていることから。ポルトガル語の「sabao(石鹸)」が転じて「サボテン」になったとする説もあり、漢字と読みの由来が別々という珍しいパターンです。
Q25. 胡坐
「胡」は外国(特に西域)を指し、「坐」は座ること。外国風の座り方、という意味であぐら。日本では正座が正式な座り方だったため、崩した座り方を「外国風」と表現しました。
Q26. 案山子
田んぼの鳥よけ人形。元々は「嗅がし(かがし)」で、獣を追い払うために臭いものを焼いたのが起源。それが人形の名前になり、「案山子」という漢字が当てられました。
Q27. 如雨露
水やりの道具。ポルトガル語の「jorro(水の噴出)」が語源で、「雨露の如く(水をまく)」という意味の当て字「如雨露」が使われるようになりました。
Q28. 海苔
「のり」は簡単?と思いきや、「海苔」の「苔」は「こけ」とも読む漢字。おにぎりに巻く海苔が漢字では「海の苔(コケ)」と表現されていると知ると、少し印象が変わるかもしれません。
Q29. 草履
草で作った履物。「そうり」と読みそうになりますが「ぞうり」が正解。時代劇で見かける日本の伝統的な履物で、浴衣を着るときに履く人も多いです。
Q30. 麻雀
テーブルゲームの麻雀。中国語では「麻将(マージャン)」ですが、日本では「麻雀」の漢字が定着しました。「雀」はスズメを意味し、牌を混ぜる音がスズメのさえずりに似ていることが由来とも言われています。

体・自然の難読漢字10選
体の部位や自然現象にも、読みにくい漢字が隠れています。
Q31. 踝
足首の横にある骨の出っ張り。「果」が含まれていますが、これは「丸いもの」を意味する部分。丸く突き出た骨、でくるぶしです。
Q32. 項
首の後ろ部分。「こう」とも読みますが、体の部位としては「うなじ」。浴衣姿のうなじが色っぽいとされる日本の美意識と結びついた漢字です。
Q33. 霙
雨と雪が混じって降る気象現象。雨冠に英で「霙」。天気予報で「みぞれ交じりの雨」と聞きますが、漢字で書けと言われたら困る人がほとんどです。
Q34. 蟀谷
目と耳の間にあるこめかみ。物を噛むと動く部分で、「米を噛む」→「こめかみ」が語源。漢字は中国語からの借用で、読みとは関係がありません。
Q35. 東雲
夜明け前の薄明るい空のこと。「篠の目」(竹で編んだ目)から光が差すような空模様が語源。「東の雲」と書いて「しののめ」という、日本語で最も美しい当て字の一つです。
Q36. 陽炎
暑い日に地面から立ち上る揺らめき。「陽の炎」で「かげろう」。古語では「蜻蛉(かげろう)」とも書き、昆虫のカゲロウと同じ読みです。はかなさの象徴として和歌によく詠まれます。
Q37. 土筆
春に地面から顔を出すスギナの胞子茎。形が筆に似ていて、土から生えるから「土の筆」。春の訪れを告げる風物詩で、天ぷらにして食べる地域もあります。
Q38. 躑躅
画数の多さで難読漢字の上位に君臨する花の名前。「躑躅」は本来「足踏みする」という意味で、ツツジの美しさに見惚れて足を止めることが名前の由来とされています。
Q39. 向日葵
「日に向かう葵」でヒマワリ。太陽の方を向いて花を咲かせる習性をそのまま漢字にしています。これは比較的読みやすい部類ですが、「葵」の字が書けない人は多いです。
Q40. 紫陽花
梅雨の季節を彩る花。「紫の陽の花」と美しい漢字が当てられていますが、実はこの漢字は別の花(ライラック)を指していたという説も。読みの「あじさい」は「あづ(集まる)+さあい(真藍)」が語源とされています。
超難問!読めたら天才10選
最後は正答率1割以下の超難問。全問正解できたらかなりの漢字通です。
Q41. 海驢
「海のロバ」と書いてアシカ。海豹(アザラシ)と混同されがちですが、アシカは前足で体を支えて歩ける点が違います。
Q42. 翻車魚
ひっくり返った水車のような姿から。マンボウが水面で横になって日光浴する姿が水車の回転に見えたのでしょう。漢字3文字で書くのも珍しい魚名です。
Q43. 孑孑
蚊の幼虫。「孑」は一本足で立つ様子を表す漢字で、水中でピンピンと動くボウフラの姿を表現しています。同じ漢字を2つ重ねるのも独特です。
Q44. 海鞘
海の珍味として知られるホヤ。「海の鞘(さや)」と書きますが、形が刀の鞘に似ていることが由来。東北地方では夏の味覚として愛されています。
Q45. 木通
秋の山で見られる紫色の実。つるの中が空洞で「木に通る」ことが名前の由来。甘い果肉と苦い皮の両方を食べられる山の恵みです。
Q46. 金平糖
ポルトガル語の「confeito(砂糖菓子)」が語源。織田信長がポルトガルの宣教師から献上されたのが日本初とされています。漢字は完全な当て字です。
Q47. 齷齪
「歯」偏の漢字が2つ並ぶ見た目のインパクトが凄まじい。歯と歯の隙間が狭い=余裕がない、という意味から「忙しく動き回る様子」を表すようになりました。
Q48. 老舗
代々続く格式の高い店。「ろうほ」と読んでしまいそうですが「しにせ」。「仕似せ」(先代の仕事を真似る)が語源で、伝統を守り続ける店を表します。
Q49. 蒲公英
春に咲く身近な花。中国語の薬草名がそのまま日本語の読みに当てられました。綿毛を吹く遊びは世界共通で、英語では「dandelion」(ライオンの歯)と呼びます。
Q50. 蜥蜴
爬虫類のトカゲ。「蜥」は虫偏に析(分ける)、「蜴」は虫偏に易(変わる)で、「体が分かれて変わる(尻尾が切れても再生する)」という特徴を漢字で表現しています。
30〜39問正解:かなりの漢字通。周りに自慢できるレベル
20〜29問正解:平均以上。日常の難読漢字はバッチリ
10〜19問正解:まだまだ伸びしろあり!
9問以下:この記事をブックマークして復習しましょう
よくある質問Q&A
Q. 難読漢字を覚えるコツはありますか?
漢字の由来やエピソードと一緒に覚えるのが効果的です。「海豹=海のヒョウ=アザラシ」のように、漢字の意味から連想すると記憶に残りやすくなります。丸暗記よりも「なるほど」と納得できるストーリーがあるほうが忘れにくいです。
Q. 日常でいつ難読漢字に出会いますか?
料亭のメニュー、神社のお札、年賀状の挨拶文、古い地名の看板などで出会う機会があります。また、小説や新聞のコラムでは難読漢字がルビ付きで使われることが多く、読書好きな人ほど漢字力が自然と身につきます。
Q. 漢検は何級から難読漢字が出ますか?
漢検2級(高校卒業程度)から当て字や熟字訓の問題が登場します。この記事で紹介したレベルの漢字は、漢検準1級〜1級に相当するものが多いです。
まとめ
食べ物・動物・日常・体と自然・超難問の5カテゴリから難読漢字50問を出題しました。
- 食べ物の漢字は中国語由来の当て字が多い
- 動物の漢字は「海の○○」「山の○○」パターンが定番
- 日常の漢字は漢字と読みの由来が別々のものが多く、丸暗記が必要
- 漢字の由来を知ると「なるほど!」と記憶に残りやすい
- SNSや飲み会で「これ読める?」と出題すると盛り上がる
難読漢字は覚えるほど日本語の奥深さが見えてきます。ぜひこの記事をブックマークして、友達にも出題してみてください。


