「ウッカリカサゴ」「オジサン」「ハダカデバネズミ」——世の中には、名前を聞いただけで二度見してしまう生き物がたくさんいます。ふざけているわけではなく、どれも正式な和名(日本語の学術名)です。
この記事では、思わず笑ってしまう面白い名前の生き物を30種、魚・陸上動物・昆虫・海の生き物の4カテゴリに分けて紹介します。名前の由来を知ると「なるほど!」と感心するものばかりです。

目次
なぜ変な名前がつくのか

生き物の和名は、発見者や研究者が特徴に基づいて命名します。外見、生態、発見場所、時には命名者のユーモアが反映されることも。特に魚類は漁師がつけた方言名がそのまま和名になるケースが多く、結果として人間くさい面白い名前が生まれやすいのです。
面白い名前の魚10選

1. ウッカリカサゴ
名前の由来は「うっかりするとカサゴと間違える」から。研究者がカサゴだと思い込んでいた魚が実は別種だと判明し、「うっかりしていた」ことから命名されました。見た目はカサゴそっくりで、胸びれの模様で見分けます。
2. オジサン(ホウライヒメジ)
2本の長いヒゲを生やした姿が人間のオジサンに似ていることから命名。正面から見ると本当にオジサンっぽい顔をしています。英名は「Goatfish(ヤギの魚)」で、こちらもヒゲが由来です。
3. ションベンタレ(タカノハダイ)
正式名称はタカノハダイですが、釣り人の間での通称が「ションベンタレ」。釣り上げるとアンモニア臭が強烈なことから、この名前がつきました。別名「ムコナカセ(婿泣かせ)」とも呼ばれ、花嫁の手料理に出すと婿が泣くほどまずいという意味です。
4. ウンコタレ(イスズミ)
正式名称はイスズミ。釣り上げた瞬間にショックで大量のフンを出すことから「ウンコタレ」「ババタレ」と呼ばれます。臭いも強烈で、釣り人からは嫌われがちですが、沖縄では「スク」と呼ばれ食用にされています。
5. ゴンズイ
漢字で書くと「権瑞」。毒のあるヒレを持つ海水魚で、名前の由来は諸説ありますが「ごんぞう(役に立たない人)」から来たという説が有力。「ゴンズイ玉」と呼ばれる集団で固まる習性が有名で、数百匹がボール状になって泳ぐ姿は水族館の名物です。
6. ブリモドキ
名前の通り「ブリのような外見だけどブリではない」魚。大型魚やサメの近くを泳ぐ習性があり、英名は「Pilot fish(水先案内人)」。名前は残念ですが、生態はなかなか面白い魚です。
7. ハゲブダイ
頭部が禿げたように見えるブダイの仲間。サンゴ礁に生息し、サンゴを齧って食べます。食べたサンゴのカルシウム分は糞として排出され、それが海底の白い砂になるという驚きの生態を持っています。
8. ダンゴウオ

丸くて団子のような体型から命名。体長2〜3cmの小さな魚で、腹部の吸盤で岩にくっつく習性があります。正面から見た顔が「困り顔」のように見え、SNSで「世界一かわいい魚」として話題になりました。
9. タツノオトシゴ

「竜の落とし子」という美しい名前の由来は、体型が竜(龍)に似ていることから。オスが出産するという珍しい繁殖形態を持ち、オスのお腹にある育児嚢で卵を育てます。
10. マンボウ
漢字で「翻車魚」。水面でひっくり返って日光浴をする姿が、水車がひっくり返ったように見えることが由来です。「世界で最もたくさん卵を産む魚」で、一度に3億個もの卵を産むとされています。

面白い名前の陸上動物10選

11. ハダカデバネズミ
「裸で出っ歯なネズミ」という見たままの名前。毛がほとんどなく、大きな前歯が露出している外見です。当サイトの「毛がない動物10選」でも紹介しましたが、ほとんど老化せず、がん耐性が極めて高いという驚異の生態を持つ科学者注目の動物です。
12. アホウドリ

「阿呆な鳥」という名前は、陸上で人間を恐れずにぼーっとしている姿から。実は翼を広げると3mにもなる大型鳥で、飛行中は非常に優雅。陸ではドジだけど空では無敵という、ギャップが激しい鳥です。
13. ヘラジカ(ムース)
名前自体は普通ですが、英名の由来が面白い。北米先住民アルゴンキン語の「moosu(木の皮を剥ぐもの)」が語源。体高2m以上、体重800kgに達する世界最大のシカで、角の幅は1.8mにもなります。
14. オカピ
「森の幽霊」の異名を持つ、キリンの仲間。脚だけシマウマのような縞模様があるミステリアスな外見で、1901年に初めて学術的に記載されました。コンゴの密林に生息し、発見が遅かったため「20世紀最大の動物学的発見」と呼ばれました。
15. カモノハシ

鳥のような嘴、ビーバーのような尾、水かきのある足。最初にヨーロッパに報告されたとき「複数の動物を縫い合わせた偽物」だと思われた生き物。哺乳類なのに卵を産み、オスの後ろ足には毒の爪があります。
16. ナマケモノ

「怠け者」がそのまま名前になった動物。1日の大半を木にぶら下がって過ごし、動きが遅すぎて体に苔が生えます。実は泳ぎが得意で、川を渡るときは意外と俊敏に動きます。
17. スベスベマンジュウガニ
甲羅がすべすべで饅頭のように丸いカニ。名前は可愛いですが、フグと同じテトロドトキシンを持つ猛毒ガニです。食べたら死ぬ危険があるので「名前に騙されるな」の代名詞的存在。
18. メガネグマ
目の周りの模様が眼鏡をかけているように見えるクマ。南米に唯一生息するクマ科で、パディントンベアのモデルとも言われています。
19. ミツユビナマケモノ
ナマケモノの中でも特に動きが遅い種類。名前の「三本指」は前肢の爪の数。口角が上がった表情から「世界で最も幸せそうな顔をした動物」とも呼ばれています。
20. センザンコウ

漢字で「穿山甲」(山に穴を穿つ鎧)。全身を硬い鱗で覆われた哺乳類で、危険を感じるとボールのように丸くなります。残念ながら密猟が深刻で、「世界で最も違法取引されている哺乳類」という不名誉な称号も持っています。
面白い名前の昆虫5選

21. トゲアリトゲナシトゲトゲ
「トゲがあるトゲのないトゲトゲ」という矛盾だらけの名前。ハムシの仲間で、元々「トゲトゲ」と呼ばれていた虫にトゲがない種類が見つかり「トゲナシトゲトゲ」、さらにそこからトゲがある種が見つかって「トゲアリトゲナシトゲトゲ」になりました。
22. ゴミムシダマシ
ゴミムシに似ているけどゴミムシではない虫。「ダマシ」は「擬き(まがい)」の意味で、見た目で騙されるという名前です。世界に2万種以上が存在する大きなグループです。
23. オオヒラタシデムシ
名前自体より、英名が面白い。英語では「Burying beetle(埋葬甲虫)」と呼ばれ、動物の死骸を地中に埋めて卵を産みつける習性から。生態系の「掃除屋」として重要な役割を果たしています。
24. ジュウシチネンゼミ(17年ゼミ)
幼虫の期間が17年という驚異的な生き物。17年間地中で過ごした後、数十億匹が一斉に地上に現れる「素数ゼミ」として数学的にも注目されています。
25. テントウムシダマシ
テントウムシに似ているけどテントウムシではない虫。テントウムシは益虫ですが、テントウムシダマシはナスやジャガイモの葉を食べる害虫。「かわいい見た目に騙されるな」という典型例です。
面白い名前の海の生き物5選

26. インターネットウミウシ
体の模様がインターネットの回路図に見えることから命名。2003年に命名された比較的新しい種で、正式な学名は「Halgerda okinawa」。沖縄近海で発見されました。
27. ニッポンダカラ
タカラガイの一種で、日本産であることからこの名前に。名前は「日本の宝」のように見えますが、実際には「日本産のタカラガイ」というシンプルな由来です。
28. キャノンボールクラゲ
見た目が大砲の弾(キャノンボール)に似ていることから命名。丸い傘を持つクラゲで、英名がそのまま和名にも使われているケースです。
29. ハナヒゲウツボ
鼻の部分にヒゲのような突起がある美しいウツボ。幼魚は黒、成魚は鮮やかな青と黄色に変化する体色変化が特徴で、水族館の人気者です。
30. スカシテンジクダイ
体が透けて(スカシ)見える小さな魚。群れで泳ぐ姿が美しく、ダイバーに人気のフォトジェニックな魚です。透明な体を通して内臓や骨格が見えるという、まさに名前通りの生き物。

よくある質問Q&A
Q1. これらの名前は本当に正式名称なの?
はい、全て正式な和名(標準和名)です。和名は学術論文や図鑑で使用される正式な日本語名で、研究者や分類学者が命名します。ただし「ションベンタレ」「ウンコタレ」は地方名(方言名)で、正式名称はそれぞれタカノハダイ、イスズミです。
Q2. 変な名前をつけられた生き物は迷惑じゃないの?
生き物は自分の名前を認識しないので迷惑はありません。ただし研究者の中には「もう少しまともな名前をつけてほしかった」と思う人もいるようです。命名にはルールがあり、一度つけた和名は原則変更されません。
Q3. 英語名(英名)も面白い動物はいる?
たくさんいます。例えば「Blobfish(ブロブフィッシュ/ニュウドウカジカ)」は英語で「塊の魚」、「Dumbo Octopus(ダンボタコ)」はディズニーのダンボに似た耳のようなヒレを持つタコです。
まとめ
面白い名前の生き物を30種紹介しました。魚・陸上動物・昆虫・海の生き物と幅広く取り上げましたが、名前の由来を知ると「なるほど」と思えるものが多いのではないでしょうか。
変な名前でも、それぞれの生き物は独自の生態や驚くべき能力を持っています。名前のインパクトをきっかけに、その生き物の魅力を知ってもらえたら嬉しいです。

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