ハーバリウムの色落ちはなぜ起こる?原因3つと防止策6選|おすすめオイル・花材の選び方も解説

ハーバリウムの色落ちが起きる3つの原因

「せっかく作ったハーバリウムの色が、数週間で薄くなってしまった……」という経験はありませんか?

ハーバリウムの色落ちには、大きく分けて3つの原因があります。原因を正しく理解すれば、色落ちを最小限に抑えることができます。

原因1:オイルへの染料の溶出

ハーバリウムの色落ちで最も多い原因が、花材に使われている染料がオイルに溶け出してしまう現象です。

プリザーブドフラワーは、生花の色素を一度脱色してから人工的に染色して作られています。この染色に使われる染料には「水性染料」と「油性染料」の2種類があり、油性染料で染めた花材はハーバリウムオイル(油)と親和性が高いため、色がオイルに溶け出しやすくなります。

一方、水性染料で染めた花材は油と混ざりにくいので、色落ちしにくい傾向があります。

MEMO
花材を購入する際に「水性染料使用」と明記されている商品を選ぶと、色落ちのリスクを大幅に減らせます。

原因2:紫外線による退色

プリザーブドフラワーやドライフラワーは、紫外線に弱いという特性があります。直射日光が当たる窓際にハーバリウムを飾っていると、紫外線によって花材の色素が分解され、色褪せが進みます。

これはオイルの種類に関係なく起きる現象で、どのオイルを使っていても紫外線対策は必須です。

原因3:オイルの種類による影響

ハーバリウムオイルには主に「ミネラルオイル(流動パラフィン)」と「シリコンオイル」の2種類があります。ミネラルオイルは花材の染料と化学的に反応しやすく、シリコンオイルに比べて色落ちが起きやすいとされています。

比較項目 ミネラルオイル シリコンオイル
色落ちのしやすさ やや起きやすい 起きにくい
価格(1Lあたり) 約800〜1,500円 約1,500〜3,000円
透明度 高い 非常に高い
比重 軽い(花材が浮きやすい) 重め(花材が安定しやすい)
引火点 約250℃ 約300℃以上
初心者向き 価格が安く始めやすい 色落ち対策重視なら推奨
注意
ミネラルオイルとシリコンオイルは絶対に混ぜないでください。混ぜると白く濁り、透明に戻すことができなくなります。

花材別・色落ちしやすさの傾向

花材の種類や色によっても、色落ちのしやすさに大きな差があります。筆者がハーバリウム関連の情報を調査・整理した結果、以下のような傾向が見えてきました。

色落ちしやすい花材

  • バラ(プリザーブドフラワー):花びらが大きく染料の量が多いため、オイルに溶出しやすい。特に赤・青・紫など濃い色は要注意
  • アジサイ(濃色系):ブルーやパープルのアジサイは色落ちしやすい傾向がある
  • カーネーション:花びらが多層構造で染料を多く含むため、色が出やすい

色落ちしにくい花材

  • かすみ草(カスミソウ):花が小さく染料の量が少ないため、色落ちしにくい。ハーバリウム初心者に最もおすすめ
  • 千日紅(センニチコウ):ドライフラワーとして使われることが多く、天然の色素が残っているため色持ちが良い
  • ヘリクリサム(ムギワラギク):もともと花びらがカサカサとした質感で水分が少なく、ドライフラワーとして色が安定している
  • ペッパーベリー:実物系の花材で、オイル中でも色が安定しやすい
花材 色落ちリスク おすすめの使い方
かすみ草 低い メインの花材として安心して使える
千日紅 低い アクセントに最適。色の種類も豊富
ヘリクリサム 低い 大きめの花材として存在感あり
ペッパーベリー 低い 隙間埋めや動きのある表現に
アジサイ(淡色) 中程度 シリコンオイルとの組み合わせ推奨
バラ 高い 事前の色落ちテスト必須
カーネーション 高い シリコンオイル+水性染料品を選ぶ

色落ちが心配な方は、まずはかすみ草や千日紅など色落ちしにくい花材から始めてみてください。慣れてきたらバラやアジサイにも挑戦してみましょう。

ハーバリウムの色落ちを防ぐ6つの対策

色落ちの原因がわかったところで、具体的な対策を6つご紹介します。

対策1:シリコンオイルを選ぶ

色落ち対策で最も効果的なのが、ミネラルオイルではなくシリコンオイルを使うことです。シリコンオイルは花材の染料と反応しにくいため、色の溶出を大幅に抑えられます。

価格はミネラルオイルの約2倍になりますが、作品を長く楽しみたい方にはシリコンオイルがおすすめです。

おすすめ商品:みどりの時間 ハーバリウム シリコンオイル 粘度500CS 1000ml

対策2:水性染料で染めた花材を選ぶ

プリザーブドフラワーを購入する際は、水性染料で染められた商品を選びましょう。水性染料はオイルに溶け出しにくいため、色落ちのリスクが大幅に下がります。

商品ページや花材ショップで「水性染料使用」「色落ちしにくい」と記載があるものを選ぶのがポイントです。不明な場合は、ショップに問い合わせて確認することをおすすめします。

対策3:事前に色落ちテストをする

本番のハーバリウムを作る前に、小さな容器でテストをしましょう。使用する花材を少量オイルに浸し、24〜48時間放置してオイルに色が移っていないか確認します。

この一手間をかけるだけで、「完成後に色が全部抜けてしまった」という失敗を避けることができます。

色落ちテストの手順

  1. 小さなガラス容器(ショットグラスなど)を用意する
  2. テストしたい花材を1〜2個入れる
  3. 本番と同じオイルを注ぐ
  4. 24〜48時間、室温で放置する
  5. オイルに色が付いていなければOK

対策4:直射日光を避けて飾る

紫外線はハーバリウムの大敵です。窓際や日当たりの良い場所は避け、室内の間接光が当たる程度の場所に飾りましょう。

玄関の棚、リビングの本棚、トイレのカウンターなど、直射日光が当たらない場所がベストです。LED照明の光は紫外線をほとんど含まないため、ライトアップして楽しむ場合はLEDを使うと良いでしょう。

対策5:ドライフラワーを活用する

プリザーブドフラワーは人工染料で染め直しているため色落ちのリスクがありますが、ドライフラワー(自然乾燥させた花)は天然の色素がそのまま残っているため、オイルへの色の溶出が起きにくい傾向があります。

特に千日紅やヘリクリサムなどのもともと乾燥に強い花材は、ドライフラワーの状態でも色鮮やかで、ハーバリウムに入れても長期間色を保ちやすいです。

対策6:高温になる場所を避ける

温度が高い環境では、オイルと染料の化学反応が促進され、色落ちのスピードが速くなります。夏場のエアコンが効いていない部屋車のダッシュボードなど、高温になりやすい場所にハーバリウムを置くのは避けましょう。

室温20〜25℃程度の環境が最も安定して色を保てます。

色落ちしてしまったハーバリウムの対処法

すでに色落ちが始まってしまった場合の対処法をご紹介します。

オイルの入れ替え

オイルに色が溶け出してしまった場合、新しいオイルに入れ替えることで透明感を取り戻すことができます。ただし、花材自体の色が抜けてしまっている場合は、花材も入れ替える必要があります。

手順は以下のとおりです。

  1. ボトルからオイルを慎重に注ぎ出す
  2. 花材を取り出し、キッチンペーパーの上に置いてオイルを吸い取る
  3. ボトルを食器用洗剤で洗い、しっかり乾燥させる
  4. 花材の状態を確認し、色が残っているものだけを再利用する
  5. 新しいオイル(できればシリコンオイル)を注いで完成

花材の追加・入れ替え

色が抜けてしまった花材だけを取り除き、新しい花材を追加するのも一つの方法です。この場合、色落ちしにくい花材(かすみ草・千日紅など)を選ぶことで、次回以降の色落ちを防げます。

MEMO
オイルの入れ替えや花材の追加をする際は、ピンセットを使うと作業がしやすいです。100均でも長めのピンセットが手に入ります。

ハーバリウムの寿命はどのくらい?

ハーバリウムの寿命は、使用するオイル・花材・保管環境によって大きく異なります。一般的な目安は以下のとおりです。

条件 目安の寿命
シリコンオイル+色落ちしにくい花材+適切な保管 1〜2年以上
ミネラルオイル+プリザーブドフラワー+室内保管 6ヶ月〜1年
直射日光が当たる場所に保管 1〜3ヶ月で退色が目立つ

色落ちだけでなく、オイルの劣化(黄ばみ・濁り)や花材の形崩れもハーバリウムの寿命を左右します。定期的にハーバリウムの状態を確認し、オイルが黄ばんできたり花材が崩れてきたりしたら、リメイクのタイミングと考えましょう。

色落ちしにくいハーバリウムの作り方

最後に、ここまでの内容を踏まえた「色落ちしにくいハーバリウム」の作り方を、ステップごとにまとめます。

ステップ1:材料を揃える

ステップ2:花材の色落ちテストをする

前述のテスト方法で、使用する花材が色落ちしないか24〜48時間チェックします。

ステップ3:ボトルに花材を配置する

ピンセットを使い、ボトルの底から順に花材を入れていきます。詰めすぎず、オイルが花材の間を流れる余白を残すのがコツです。

ステップ4:オイルをゆっくり注ぐ

ボトルの壁面に沿わせるようにして、ゆっくりとオイルを注ぎます。一気に注ぐと気泡が入ったり、花材の配置が崩れたりするので注意しましょう。

ステップ5:適切な場所に飾る

完成したハーバリウムは、直射日光の当たらない涼しい場所に飾ります。玄関の棚やリビングの本棚などがおすすめです。

まとめ

ハーバリウムの色落ちは、原因を理解して適切な対策を取ることで大幅に防ぐことができます。

この記事のポイント

  • 色落ちの3大原因:染料のオイルへの溶出・紫外線・オイルの種類
  • オイル選び:色落ちを防ぐならシリコンオイルがおすすめ
  • 花材選び:かすみ草・千日紅・ヘリクリサムは色落ちしにくい
  • 事前テスト:小さな容器で24〜48時間の色落ちテストが有効
  • 飾り方:直射日光を避け、涼しい場所に保管する
  • 寿命の目安:シリコンオイル+適切な花材・保管で1〜2年以上

初めてハーバリウムを作る方には、色落ちの心配が少ないハーバリウム作成キットもおすすめです。オイル・花材・ボトルがセットになっているので、材料選びで失敗するリスクを減らせます。

色落ちしにくい材料と飾り方を意識して、長く美しいハーバリウムを楽しんでください。

参考文献