スタンディングデスクを「やめた」人はどのくらいいる?
「スタンディングデスクを買ったけど、結局やめた」——テレワークの普及とともに導入者が増えた一方で、こうした声がSNSや口コミサイトで後を絶ちません。
ある調査では、スタンディングデスクをやめた理由として最も多かったのが「立ち続けるのが疲れるから」で、回答者670人中232人(約35%)がこの理由を挙げています。
つまり、約3人に1人が「疲れ」を理由にスタンディングデスクの使用をやめているのです。
一方で、適切に使いこなしている人からは「腰痛が改善された」「集中力が上がった」という声もあり、評価は真っ二つに分かれています。
この記事では、スタンディングデスクをやめた人たちのリアルな声と具体的なデメリットを徹底的に洗い出し、「買うべき人」と「やめたほうがいい人」を明確に解説します。
この記事でわかること
- スタンディングデスクをやめた人が挙げる具体的な理由10個
- 後悔する人に共通する5つのパターン
- 科学的根拠に基づいた正しい使い方
- 購入前に試せるレンタルという選択肢
スタンディングデスクをやめた理由・デメリット10選
実際にスタンディングデスクを購入・使用した人たちが「やめた」と感じた具体的な理由を10個紹介します。
1. 長時間立つと疲れて集中できない
やめた理由として最も多いのが「疲れる」という声です。
立ちっぱなしの作業は想像以上に体力を消耗します。30分〜1時間ほどで足がだるくなり始め、意識が足の痛みに向いてしまい、肝心の作業に集中できなくなるのです。
SNSでも「スタンディングデスクは慣れないと疲れるぞ、2ヶ月でやめた」「長時間立ち続けると疲れる、ということに気がついたのでやめた」といった体験談が多数見られます。
2. 足腰・膝への負担が大きい
立ち続ける姿勢は、足の筋肉や関節、さらには腰や背中にもストレスがかかります。
特に以下の症状を訴える人が多いです。
- 足のむくみ(ふくらはぎがパンパンになる)
- 膝の痛み(特に体重が重い人に顕著)
- 腰痛の悪化(座り腰痛とは別の痛みが発生)
- かかとの痛み(硬い床で長時間立つと顕著)
3. 首・肩こりがむしろ悪化する
デスクの高さが適切でないと、モニターを見下ろす姿勢や首を前に突き出す姿勢が続き、首・肩への負担が増大します。
その結果、スタンディングデスクを導入したのに肩こりやストレートネックが悪化したというケースも少なくありません。
4. 本体価格が高い(3万〜7万円以上)
電動昇降式のスタンディングデスクは、本体だけで3万〜5万円、天板を合わせると5万〜7万円以上になることも珍しくありません。
「デスクに7万円は高すぎる」「普通のデスクなら1万円台で買えるのに……」と、購入後に金額面で後悔する人が一定数います。
しかも使わなくなった場合、重くて大きいため売却や処分にも苦労するというダブルパンチです。
5. 組み立てが大変で重い(30kg超)
電動昇降デスクの最大のハードルは、組み立ての大変さと重量です。
人気メーカーFlexiSpotの場合、フレームだけで約32kg、天板と合わせると50kg近くになります。配達員から「一人では運べないので手伝ってほしい」と言われたという話もあるほどです。
女性の一人暮らしや力に自信がない人にとっては、組み立て自体が大きな障壁となります。
6. 引っ越し時に移動・分解が困難
重量があるだけでなく、一度組み立てると分解が難しい構造のモデルも多いです。
引っ越し時にバラせない、運べない、廊下を通らないといったトラブルが発生し、「引っ越し予定がある人はやめたほうがいい」という意見は多く見られます。
7. 昇降操作が面倒で使わなくなる
購入時は「座る・立つを切り替えて使おう!」と意気込んでいたものの、結局面倒になって座りっぱなしで使っている人が少なくありません。
特に手動式(クランク式)の場合、昇降のたびにハンドルを何十回も回す必要があり、次第に使わなくなるパターンが非常に多いです。

8. 天板サイズ・色の選択ミス
通販で購入する場合、サイズ感を見誤るケースが頻発します。
- 「思ったより大きくて部屋が圧迫された」
- 「天板が小さすぎてモニターとキーボードが載らない」
- 「ブラックの天板にしたらホコリや指紋が目立って後悔」
特に天板の色は盲点で、ブラック以外を選んだ人の満足度が明らかに高いという傾向があります。
9. 消費カロリーはほとんど変わらない
「立って作業すれば痩せる」と期待する人もいますが、実際の消費カロリーの差はごくわずかです。
座っている代わりに1時間立っていても、追加で消費されるのはわずか約9kcal。パン1切れ分のエネルギーを消費するには、6時間も立ち続ける必要があります。
ダイエット目的でスタンディングデスクを導入するのは、コスパが非常に悪いと言わざるを得ません。
10. 場所を取る(部屋が狭い人にはNG)
電動昇降デスクは通常のデスクより脚部分が大きく、奥行きも必要です。
ワンルームや6畳の部屋では圧迫感が出やすく、「部屋が狭くなった」「動線が悪くなった」という不満につながります。
スタンディングデスクで後悔する人の5つの共通パターン
やめた人や後悔した人には、いくつかの共通点があります。購入前にこれらに当てはまらないか確認しましょう。
1.「健康になれる」と過度に期待した人
「スタンディングデスクを使えば健康になる」「ダイエットに効果がある」と大きく期待して購入すると、ほぼ確実にがっかりします。
米国・コーネル大学の研究者は、「スタンディングデスクだけでは健康問題の解決にはならない」と明言しています。重要なのは「立つこと」自体ではなく、「長時間同じ姿勢を続けないこと」です。
2. 長時間デスクワークする人(プログラマー・ライター等)
1日8時間以上デスクワークをする人にとって、その大半を立って過ごすのは現実的ではありません。
特にプログラミングやライティングなど、深い集中力を必要とする作業には座り姿勢のほうが向いていると感じる人が多いです。
3. 購入前に試さなかった人
スタンディングデスクは「合う・合わない」の個人差が非常に大きい製品です。
高額なデスクをレンタルやお試しなしでいきなり購入し、「やっぱり合わなかった」と後悔するパターンは最も多い失敗です。
4. 安い手動式(クランク式)を選んだ人
予算を抑えるために手動式を選ぶと、昇降操作の面倒さから使わなくなる確率が格段に上がります。
経験者からは「人間は怠惰な生き物なので、スタンディングデスクを買うなら絶対に電動式にしてください」というアドバイスが多く寄せられています。
5. 立ちっぱなしで使った人
スタンディングデスクの正しい使い方は「座る」と「立つ」の切り替えであり、ずっと立ちっぱなしで使うことではありません。
立ちっぱなしで使い続けた結果、体を壊してやめた——という失敗は、正しい使い方を知らなかったことが原因です。
科学が示すスタンディングデスクの「本当の効果」
スタンディングデスクに関しては、多くの研究結果が発表されています。客観的なデータを確認しておきましょう。
- カロリー消費:1時間立っても座位との差はわずか約9kcal(ダイエット効果はほぼなし)
- 心臓病リスク:スタンディングデスクだけでは心臓病リスクの低下にはつながらないとする研究あり
- 腰痛改善:座り・立ちを交互にすることで腰痛が軽減されたという報告あり
- 集中力:短時間の立ち作業は集中力を高める可能性があるが、長時間では逆効果
精神科医の樺沢先生は「『立って仕事をする』のがいいのではなく、『座り続ける』のが非常に悪い」と解説しています。
つまり、スタンディングデスクの本質的な価値は「立って作業すること」ではなく「姿勢を変える機会を作ること」にあるのです。
それでもスタンディングデスクが向いている人
デメリットを理解した上で、スタンディングデスクが特に効果を発揮する人もいます。
テレワーク中心で座りっぱなしの人
在宅勤務で通勤がなくなると、1日の歩数が激減します。座りっぱなしの時間が極端に長い人にとって、定期的に立ち姿勢に切り替えられるスタンディングデスクは大きなメリットがあります。
腰痛持ちで座り続けるのがつらい人
椅子に長時間座ると腰に負担がかかるタイプの人には、座る・立つを切り替えることで腰への負担を分散できます。ただし、立ちっぱなしは逆効果なので注意が必要です。
短時間の気分転換ツールとして使いたい人
午後の眠気覚ましや、煮詰まった時の気分転換として「ラスト25分だけ立って作業する」といった使い方は非常に効果的です。
会議やミーティングが多い人
オンライン会議中は立って参加し、集中作業時は座る——という使い分けをしている人は満足度が高い傾向にあります。立つことで声が出しやすくなり、会議中の眠気防止にもなります。
後悔しないスタンディングデスクの正しい使い方5選
スタンディングデスクのデメリットの多くは、正しい使い方を実践することで回避できます。以下の5つのルールを守りましょう。
1.「座る7割:立つ3割」のルールを守る
米国・コーネル大学のアラン・ヘッジ教授が提唱する理想的なサイクルは、「30分座る→5分立つ→5分歩く」です。
1日8時間のデスクワークなら、立つ時間は合計で2〜3時間が目安。「ずっと立つ」のではなく「こまめに切り替える」ことが重要です。
2. 抗疲労マットを必ず敷く
硬い床の上で立ち続けると、足裏やかかとに大きな負担がかかります。
抗疲労マット(アンチファティーグマット)を敷くだけで、足への負担が大幅に軽減されます。価格は2,000〜5,000円程度なので、スタンディングデスクを買うなら必須アイテムです。
3. デスクの高さを正しく調整する
スタンディング時のデスクの高さは、肘を90度に曲げた状態でキーボードに自然に手が届く高さが正解です。
モニターの上端が目線と同じか、やや下になるように調整しましょう。高さが合っていないと首・肩・腰すべてに悪影響が出ます。
4. 電動式を選ぶ(手動式はNG)
先述の通り、手動式は昇降が面倒で使わなくなる可能性が非常に高いです。
予算が厳しい場合でも、最低限「電動昇降式」を選ぶことを強くおすすめします。ボタン一つで高さが変わるだけで、座り・立ちの切り替え頻度が劇的に上がります。
5. 購入前にレンタルで試す
スタンディングデスクは「合う・合わない」の個人差が大きいため、いきなり購入するのはリスクが高いです。
最近は月額3,000〜5,000円程度でレンタルできるサービスも増えています。1〜2ヶ月試してから購入を決めることで、後悔のリスクを大幅に下げることができます。
まとめ
スタンディングデスクは、「万人向けの製品」ではありません。しかし、正しい使い方を知っていれば、テレワーク時代の強力な味方になります。
- 過度な期待は禁物:「健康になる」「痩せる」ではなく「姿勢を変えるきっかけ」として導入する
- 座る7割・立つ3割:ずっと立つのではなく、こまめに切り替えるのが正解
- 買う前に試す:レンタルで1〜2ヶ月試してから購入を判断する
「やめた」という声の多くは、立ちっぱなしで使い続けたことや、事前のリサーチ不足が原因です。
この記事の内容をもとに自分に合うかどうかを判断すれば、後悔のないデスク選びができるはずです。

