
私たちが毎日のように使っている漢字。実は、その成り立ちや形、読み方には思わず「へぇ〜!」と声が出る雑学がたくさん隠れています。
この記事では、成り立ちが意外な漢字・形がユニークな漢字・日本生まれの国字・紛らわしい漢字・漢字トリビアの5ジャンルに分けて、面白い漢字40選を一挙紹介します。飲み会のネタにも漢字検定の勉強にも使える内容です。ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。
目次
成り立ちが意外すぎる漢字10選

普段何気なく使っている漢字の中には、由来を知ると驚くようなエピソードが隠されているものがたくさんあります。ここでは特に「え、そんな意味だったの?」と思わず声が出る漢字を10個紹介します。
幸(さいわい)── 実は「手枷」の形
「幸せ」のイメージとはかけ離れた由来を持つ漢字です。古代中国では、「幸」は手枷(てかせ)の象形文字でした。
罪を犯した人が処刑されずに手枷だけで済んだ、つまり「死刑を免れた=幸い」ということから、現在の「幸福」の意味に変化したと言われています。まさか「幸せ」の原点が「処刑されなかっただけマシ」とは、なんとも衝撃的ですよね。
道(みち)── 敵の首を持って進む
「道」は「首」と「しんにょう(辶)」の組み合わせです。古代の中国では、異民族の首を手に持ち、それで邪気を払いながら道を進む儀式があったとされています。
今では穏やかなイメージの「道」ですが、由来は相当物騒です。「道徳」「人道」など高潔な言葉に使われる字の成り立ちがこれとは、ギャップがすごいですね。
取(とる)── 戦場で敵の耳を切った
「取」は「耳」+「又(手)」で構成されています。古代の戦場では、敵を倒した証として耳を切り取る風習がありました。
その耳を手で持つ、つまり「取る」というわけです。戦功の証拠として耳を提出していた歴史が、この漢字にそのまま残っています。
民(たみ)── 目を針で刺す
甲骨文字の「民」は、目に針を刺している人の象形とされる説が有力です。古代中国では、奴隷の片目を潰して逃亡を防いでいたと考えられています。
「国民」「市民」の「民」が、もともと「従順にされた人」を意味していたとは、なんとも衝撃的です。

美(うつくしい)── 大きな羊は美しい
「美」は「羊」+「大」で構成されています。古代中国では大きな羊は神への立派な供物とされ、それが「素晴らしい=美しい」という意味に転じました。
現代では容姿の美しさを指すことが多いですが、原義は「神への捧げ物として最高の羊」だったのです。「美」の基準が羊のサイズだった時代があったと思うと、面白いですよね。
臭(くさい)── 犬が鼻でにおいを嗅ぐ
「臭」は「自(もともと鼻の象形)」+「犬」です。犬が鼻を使ってにおいを嗅ぐ様子がそのまま漢字になりました。
ちなみに「自分」の「自」が本来は「鼻」を意味していたのも面白いポイントです。自分を指差すとき鼻を指す所作と繋がっていると言われています。
笑(わらう)── 巫女が踊る姿
「笑」は「竹」+「夭(体をくねらせる)」の組み合わせです。神前で巫女がしなやかに体をくねらせて踊る姿が由来とされる説があります。
竹が風でしなる様子にも通じ、体を揺らして笑う様子とも重なる、なんとも美しい成り立ちの漢字です。
親(おや)── 木の上に立って見守る
「親」は「立」+「木」+「見」で構成されています。「木の上に立って子どもを見守る」という覚え方が有名で、子育ての本質を表す漢字として人気があります。
実際の字源については諸説ありますが、この解釈は学校の授業や子育て本でもよく紹介されています。成り立ちのエピソードとして非常にあたたかい漢字ですよね。
集(あつまる)── 鳥が木に群がる
「集」は「隹(とり)」+「木」です。たくさんの鳥が1本の木に止まって群がっている様子を表しています。
夕方に鳥がねぐらの木に集まってくるイメージですね。「集合」「集中」など人が集まる場面にも使われますが、元は鳥たちの風景だったのです。
県(けん)── 首を逆さまに吊るす
古代の「県」は「首を逆さに木に吊り下げる」象形でした。「懸(かける)」の原字でもあり、もともとは「ぶら下げる」という意味です。
後に行政区画を意味するようになりましたが、成り立ちだけ見ればかなり怖い漢字のひとつです。「47都道府県」の「県」にこんな由来があったとは驚きですよね。
見た目がユニークすぎる漢字8選
漢字の中には、形そのものが面白いものも多数あります。ここでは「見るだけで楽しい」「書き方が気になる」漢字を厳選して紹介します。
凸(とつ)── 出っ張りの形がそのまま漢字に
「凸」は見た目そのままの漢字です。出っ張った形を表す指事文字で、総画数はわずか5画。
書き順がわかりにくいことでも有名で、正しくは「左の縦棒→下の横棒→……」と進みます。実は意外と迷う漢字です。
凹(おう)── へこみの形がそのまま漢字に
「凸」の対義語で、へこんだ形をそのまま表した漢字です。こちらも5画。
「凸凹(でこぼこ)」とセットで使われることが多いですね。2つ並べたときの見た目のインパクトは抜群で、漢字のデザイン性を感じさせる組み合わせです。

鬱(うつ)── 29画の難関漢字
「憂鬱」の「鬱」は常用漢字の中でもトップクラスの画数(29画)を誇ります。「書けない漢字」の代表格として多くの人に挙げられる字です。
覚え方としては「リンカーンはアメリカンコーヒーを3杯飲んだ」という語呂合わせが有名です。一度覚えると意外とスラスラ書けるようになるので、ぜひ挑戦してみてください。
飛(とぶ)── 書き順が独特すぎる
「飛」は9画ですが、書き順を正しく書ける人がかなり少ない漢字として知られています。
正しくは中央の縦棒→左側の横棒……と進みますが、つい右側から書いてしまう人が多数。テレビのクイズ番組でも頻出する「書き順ひっかけ漢字」の定番です。
串(くし)── 食べ物を棒に刺した形
「串」は食べ物を棒に突き刺した形がそのまま漢字になったものです。
焼き鳥や団子の串をイメージすると、一瞬で納得できますよね。象形文字のわかりやすさが光る一字です。居酒屋で串料理を食べながら披露したい漢字雑学です。
傘(かさ)── 傘を上から見た形
「傘」は傘を上から見下ろした形を表しています。上部の「人」が傘の持ち手と骨の部分、下の4つの「人」のような形が傘の骨が広がる様子です。
漢字の中に「人」がたくさん入っているように見える面白い構造をしています。雨の日にふと思い出したい漢字ですね。
亀(かめ)── 亀を上から見た姿
「亀」の旧字体は「龜」で16画もあり、亀を上から見た形が元になっています。甲羅・頭・足がすべて表現されているのです。
新字体になって大幅に簡略化されましたが、旧字体を見ると「なるほど、確かに亀だ!」と感動します。漢字の象形文字としての原点が感じられる一字です。
門(もん)── 左右の扉が開いた形
「門」は左右の扉が開いている形を表した象形文字です。甲骨文字では2枚の板が左右に並ぶ門の形がはっきりと見てとれます。
「問」「聞」「間」「開」「閉」など、「門」がまえを使った漢字は非常に多く、すべて門を通じた動作やイメージから派生しています。漢字の構造の面白さがよくわかる部首ですね。
日本生まれの「国字」8選

漢字は中国から伝わったものですが、実は日本で独自に作られた漢字も存在します。それが「国字(こくじ)」です。日本の風土や文化に合わせて生み出された国字には、日本人ならではの感性が詰まっています。
峠(とうげ)── 山の上り下りの境
「山」+「上」+「下」で構成された、日本オリジナルの漢字です。山道を登りきって下りに変わるポイント、つまり「峠」を表します。
漢字のパーツだけで意味が完全に伝わるわかりやすさは、国字の中でもトップクラスです。中国語にはこの字が存在しないので、まさに日本発の傑作と言えます。
辻(つじ)── 十字路を表す
「しんにょう(辶)」+「十」で、道が十字に交差する場所を意味します。「辻褄(つじつま)」「辻斬り(つじぎり)」などの言葉でおなじみですね。
苗字にも多く使われていて、「辻さん」は全国に約14万人いるとも言われています。日本の地形と文化が反映された国字です。
畑(はたけ)── 火で焼いた田
「火」+「田」で、焼畑農業で火を入れた耕地を表します。水田の「田」に対して、火を使う乾燥地の農地が「畑」というわけです。
日本の農業文化がそのまま漢字になった好例ですね。ちなみに中国語では「畑」の字は使わず、「旱田(かんでん)」と表記します。
鰯(いわし)── 弱い魚
「魚」+「弱」で、すぐに傷んでしまう弱い魚を表します。実際にイワシは水揚げ後に鮮度が落ちやすく、「弱い魚」というネーミングはかなり的確です。
魚へんの漢字は多いですが、これほどストレートで覚えやすい名付けは珍しいですよね。

躾(しつけ)── 身を美しくする
「身」+「美」で、立ち振る舞いを美しくすることを意味します。「躾が良い」「躾が厳しい」などの表現で日常的に使われていますね。
国字の中でも特に「日本人の美意識」が凝縮された漢字と言えるでしょう。外見だけでなく所作や礼儀を重んじる文化が、一字に表れています。
榊(さかき)── 神の木
「木」+「神」で、神事に用いる神聖な木を表します。神道の祭祀で玉串として使われるサカキの木のことです。
日本の宗教文化と直結した漢字で、中国にはこの字は存在しません。神社に参拝する機会があれば、ぜひこの漢字を思い出してみてください。
働(はたらく)── 人が動く
「にんべん(亻)」+「動」で、人が体を動かして働くことを表します。中国語では「働」は使わず「工作(ゴンズオ)」を使うため、これは日本独自の漢字です。
「労働」「働き方改革」など、現代社会でも頻繁に登場する国字ですね。
込(こむ)── 入り込む
「しんにょう(辶)」+「入」で、中に入り込むことを表します。「込み合う」「飛び込む」「申し込み」など、日常で非常に多く使われる漢字です。
実は中国語にはこの字がなく、日本で作られた国字の中でももっとも使用頻度が高いと言われています。国字だと知らずに使っている人がほとんどではないでしょうか。
そっくりだけど違う!紛らわしい漢字7選

漢字の中には、見た目がほとんど同じなのに意味も読みもまったく違うものがあります。テストや日常で間違えやすい「そっくり漢字」を厳選しました。
己・已・巳(き・い・み)── 開き具合が違う
漢字の紛らわしさランキングで常にトップに挙がる3文字です。見分け方は以下の通り。
- 己(おのれ)── 上が完全に開いている
- 已(すでに)── 上が半分だけ開いている
- 巳(み・十二支の蛇)── 上が完全に閉じている
覚え方は「己(おのれ)は開き、已(すでに)は半開き、巳(み)は閉じる」です。何度も唱えて覚えるしかありません。
土・士(つち・し)── 横棒の長さが逆
一見同じに見えますが、上の横棒と下の横棒の長さが逆です。
- 土(つち)── 下の横棒が長い(大地が広がるイメージ)
- 士(さむらい)── 上の横棒が長い(兜をかぶるイメージ)
「土は下が大地、士は上が兜」と覚えると間違えにくくなります。地味ですが、書類やテストで意外とやらかす組み合わせです。
末・未(すえ・み)── 先端の位置が逆
こちらも横棒の長さで意味が変わります。
- 末(すえ)── 上の横棒が長い(木の先端=末端が広がっている)
- 未(いまだ)── 下の横棒が長い(まだ成長途中で根元が太い)
「週末」と「未来」、どちらも日常で使う言葉なのに、漢字を書き間違えやすい代表例です。
大・犬・太(だい・けん・た)── 点の位置が全て違う
たった1つの点の有無と位置で、まったく違う意味になります。
- 大── 点なし(人が両手を広げた形)
- 犬── 右上に点(人の横にいる動物→犬)
- 太── 下に点(大きさを強調→太い)
手書きのとき、点をつけ忘れたり位置を間違えたりすると意味が激変するので要注意です。

王・玉(おう・たま)── 点1つで別の漢字
「王」に点を1つ加えるだけで「玉」に変わります。
- 王── 天・地・人を貫く存在(3本の横棒+縦棒)
- 玉── 3つの宝石を紐で通した形に点を添えたもの
部首としては「おうへん」「たまへん」で区別しますが、手書きでは点の有無がわかりにくいことも。パソコンのフォントだとさらに見分けが困難です。
日・曰(にち・いわく)── 形が微妙に違う
パソコンのフォントではほぼ区別がつかない2文字です。
- 日(にち)── 太陽の形。やや縦長で、中の横棒が中央
- 曰(いわく)── 口から言葉が出る形。やや横広で、中の横棒が上寄り
手書きでも見分けが難しく、文脈から判断するしかない場合もあります。「子曰く(し・のたまわく)」で使われる字ですね。
衰・哀(すい・あい)── 口の有無が分かれ目
パッと見では同じに見えますが、中央部分に「口」があるかないかが決定的な違いです。
- 衰(おとろえる)── 「口」がない(蓑を着た弱々しい姿)
- 哀(あわれ)── 「口」がある(衣の中から声を出して嘆く)
「衰退」と「哀愁」は意味もなんとなく似ているので、余計に混乱しやすい組み合わせです。「口があるのが哀(あわれ)」と覚えましょう。
知って驚く!漢字にまつわるトリビア7選
最後に、漢字の世界がもっと面白くなるトリビアを7つ紹介します。雑学ネタとしてぜひストックしてくださいね。
最も画数が多い漢字は64画
「龍」を4つ組み合わせた漢字は64画で、辞書に載っている漢字としては最多画数と言われています。
意味は「口数が多い」「おしゃべり」。龍が4匹集まって騒がしい、というイメージだそうです。なお、非公式な漢字まで含めると、100画を超えるものも存在すると言われています。
「々」は漢字ではなく記号
「人々」「日々」などで頻繁に見かける「々」ですが、実は漢字ではなく「踊り字(おどりじ)」と呼ばれる記号です。
正式な名前は「同の字点」。単独で読み方を持たないため、漢字辞典で単体としては引けません。パソコンでは「くりかえし」「おなじ」「どう」などで変換できます。
常用漢字は2,136字、全体では10万字以上
日本の学校で習う常用漢字は2,136字ですが、Unicode(世界の文字コード規格)に収録されている漢字は約9万字以上あります。
さらに中国の『康熙字典(こうきじてん)』には約47,000字が収録されており、それ以降に追加された漢字も含めると全体では10万字を超えるとも言われています。私たちが知っている漢字は、巨大な漢字の世界のほんの一部にすぎないのです。
「嬲」と「嫐」── 男女が逆でも同じ読み
「男・女・男」で構成される「嬲」と、「女・男・女」で構成される「嫐」。男女の配置が逆なのに、どちらも「なぶる」と読みます。
意味も「からかう」「もてあそぶ」と似通っています。漢字の構成が対称的なのに読みが同じ、という非常に珍しいペアです。漢字クイズの定番ネタでもあります。

人名に使える漢字は約3,000字に制限されている
日本で子どもの名前に使える漢字は、常用漢字2,136字+人名用漢字863字=合計約3,000字に制限されています。
これは戸籍法と法務省の省令で定められたもので、リストにない漢字を使おうとすると出生届が受理されません。10万字以上ある漢字のうち、名前に使えるのはわずか3%程度というわけです。
漢字はなぜ「漢字」と呼ぶ?
「漢字」の「漢」は中国の古代王朝「漢」に由来します。漢の時代に文字体系が大きく整備されたことから、その文字を「漢の字」と呼ぶようになりました。
ちなみに中国語でも漢字のことを「汉字(ハンズー)」と言い、韓国語でも「한자(ハンジャ)」と呼びます。東アジア全体で「漢」の名を冠しているのです。
日本語と中国語で意味が違う漢字がある
同じ漢字でも日本語と中国語で意味がまったく違うケースがあります。有名な例を紹介します。
- 手紙── 日本語は「手紙(レター)」、中国語は「トイレットペーパー」
- 勉強── 日本語は「学習」、中国語は「無理強いする」
- 大丈夫── 日本語は「安心」、中国語は「立派な男」
長い歴史の中でそれぞれの国で独自に意味が変化した結果、同じ字なのにまったく違う意味になってしまった面白い現象です。中国旅行で「手紙ください」と言ったら大変なことになりますね。
まとめ
面白い漢字40選を、成り立ち・見た目・国字・紛らわしい漢字・トリビアの5ジャンルで紹介しました。
普段何気なく使っている漢字も、由来を辿ると「手枷の形だった」「敵の首を持つ儀式から来た」など衝撃的なエピソードが隠れていたり、「峠」「鰯」のように日本人が独自に作った国字があったりと、知れば知るほど奥が深い世界です。
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