間違えやすい日本語49選!意味の誤用・読み間違い・二重敬語を正しい使い方と文化庁データ付きで解説

会議やメール、SNSで何気なく使っている言葉。その日本語、実は本来の意味とは違う使い方かもしれません。

文化庁が毎年行っている「国語に関する世論調査」を見ると、多くの人が本来とは異なる意味で理解している言葉が驚くほどたくさんあることがわかります。たとえば「役不足」を本来の意味で使えている人は4割ほどしかいません。

この記事では、間違えやすい日本語を「意味の誤用」「読み間違い」「言い間違い」「敬語」の4ジャンル・全49語に整理し、文化庁の調査データと一緒に、正しい意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説します。クイズ感覚で「自分はどれくらい正しく使えているか」をチェックしてみてください。

私もブログを書くたびに辞書を引き直すのですが、「えっ、この意味で合ってたの?」と毎回驚かされます。日本語、奥が深いです。

間違えやすい日本語はなぜ生まれる?誤用が広まる仕組み

そもそも、なぜ間違えやすい日本語がこれほど多いのでしょうか。理由のひとつは「言葉は時代とともに変化するもの」だからです。今は誤用とされる使い方でも、多数派になれば辞書に採用され、やがて「正しい日本語」になっていきます。

実際、今では当たり前に使われている言葉にも、もとは誤用や読み違いだったものがあります。

  • 独壇場(どくだんじょう)…本来は「独擅場(どくせんじょう)」。「擅」を「壇」と見間違えた読みが定着しました。
  • あたらしい…古くは「あらたし」。音の入れ替わり(音位転換)でいつの間にか「あたらしい」に。
  • さざんか(山茶花)…本来は「さんざか」。これも音の入れ替わりで定着した読みです。

このように、誤用が必ずしも「悪」というわけではありません。とはいえ、ビジネス文書や改まった場面では、本来の意味を知った上で使い分けられる人が信頼されます。まずは「本来はどういう意味だったのか」を知ることが第一歩です。

なお、この記事で紹介する数値は、すべて文化庁「国語に関する世論調査」の調査結果に基づいています。調査年度によって対象語が異なるため、語ごとに代表的な結果を紹介します。

意味を間違えやすい日本語【誤用の定番15語】

日本語の辞典

まずは「意味を取り違えやすい」定番の15語です。どれも会話やニュースで頻繁に登場するものばかり。文化庁の調査でも、本来の意味で使っている人が少数派になっている言葉が並びます。

1. 役不足(やくぶそく)

本来の意味:その人の力量に対して、与えられた役目が軽すぎること。

誤用:力不足(役目が重すぎて力が足りない)。文化庁の平成24年度調査では、本来の意味で使う人が41.6%、誤った意味で使う人が51.0%と、誤用が本来の意味を上回りました。

謙遜のつもりで「私では役不足ですが」と言うと、本来は「この役目は私には軽すぎる(役者が上)」という正反対の傲慢な意味になってしまいます。へりくだるなら「力不足」「力量不足」が正解です。

2. 確信犯(かくしんはん)

本来の意味:政治的・宗教的な信念に基づいて、正しいと信じて行う行為や犯罪。

誤用:悪いことだと分かっていながらやること。平成27年度調査では本来の意味は17.0%、誤用が69.4%でした。

「わざとやった」の意味で定着しつつありますが、もとは「自分は正しいと信じてやっている」が核。日常で使うなら誤解を避ける配慮も必要です。

3. 敷居が高い(しきいがたかい)

本来の意味:不義理や面目ないことがあって、その人の家や店に行きにくい。

誤用:高級・上品すぎて入りにくい。文化庁調査では本来の意味が42.1%、誤用が45.6%と拮抗しています。

「あの高級レストランは敷居が高い」は本来は不適切で、正しくは「ハードルが高い」「気が引ける」。ただし近年は「高級で入りにくい」の用法も辞書に載り始めています。

4. 煮詰まる(につまる)

本来の意味:議論や検討が十分に進んで、結論が出る段階に近づくこと。

誤用:行き詰まって結論が出せなくなること。

「会議が煮詰まってきた」は本来「もうすぐ結論が出る」というポジティブな状態を指します。「行き詰まる」とは逆なので、特にビジネスの場では注意したい一語です。

5. 失笑する(しっしょうする)

本来の意味:おかしさをこらえ切れず、思わず吹き出して笑ってしまうこと。

誤用:あきれて笑う気も起きない/見下して笑う。本来の意味で使う人は約27.7%にとどまり、約67.0%が誤った意味で理解しています。

「失」は「笑いを失う」ではなく「思わず〜してしまう」の意味。「失笑を買う」はこらえ切れない笑いを誘うことで、必ずしも侮蔑のニュアンスではありません。

6. 破天荒(はてんこう)

本来の意味:これまで誰も成し得なかったことを初めて成し遂げること。前人未到。

誤用:豪快で大胆、型破りな様子。平成20年度調査では本来の意味が16.9%、誤用が64.2%でした。

中国の故事が由来で、科挙の合格者が出ず「天荒」と呼ばれた地から初の合格者が出たことを「破天荒」と言ったのが始まり。「破天荒な人生」は本来偉業を成し遂げた人生を指します。

7. 姑息(こそく)

本来の意味:その場しのぎ、一時のがれ。

誤用:ひきょう、卑劣。平成22年度調査では本来の意味は15.0%、誤用が70.9%と圧倒的でした。

「姑」は「しばらく」、「息」は「休息」。「姑息な手段」は本来「一時しのぎの手段」という意味で、「卑怯」とは別物です。

8. 気が置けない(きがおけない)

本来の意味:気配りや遠慮をしなくてよい。打ち解けられる親しい間柄。

誤用:気を許せない、油断ならない。平成24年度調査では本来の意味が42.7%、誤用が47.6%でした。

「気が置けない友人」は遠慮のいらない、心を許せる友人のこと。否定形のため正反対に受け取られやすい、誤解の代表例です。

9. さわり

本来の意味:話や物語の要点、最も感動的・中心的な部分。聞かせどころ。

誤用:話の最初の部分、出だし。文化庁調査では本来の意味が36.1%、誤用が53.3%でした。

もとは義太夫節の聞かせどころを指す言葉。「話のさわりだけ教えて」は本来「要点・山場だけ」という意味で、「冒頭だけ」ではありません。

10. 御の字(おんのじ)

本来の意味:大いにありがたい、これ以上ないほど満足なこと。

誤用:一応納得できる、まあ十分。平成20年度調査では本来の意味が38.5%、誤用が51.4%でした。

「御」の字を付けたいほどありがたい、が語源。「10万円もらえれば御の字だ」は本来「最高にありがたい」で、「まあ許せる範囲」という妥協のニュアンスは誤りです。

11. なし崩し(なしくずし)

本来の意味:借金などを少しずつ返していくこと。転じて、物事を少しずつ片付けること。

誤用:なかったことにする、うやむやにする。平成29年度調査では本来の意味は19.5%、誤用が65.6%でした。

「済し(なし)崩し」=借金を済(な)し崩していく、が語源。「無し崩し(無かったことに)」という当て字からの連想が誤用を生みました。

12. 流れに棹さす(ながれにさおさす)

本来の意味:時流に乗って勢いを増すこと。物事が思い通りに進むこと。

誤用:時流に逆らうこと。平成24年度調査では本来の意味が23.4%、誤用が59.4%でした。

舟の棹を流れの方向にさして勢いをつける動作が由来です。「水を差す(邪魔をする)」と語感が似ているため、逆の「逆らう」意味に取られがちです。

13. 檄を飛ばす(げきをとばす)

本来の意味:自分の主張や考えを広く知らせて、同意や行動を呼びかけること。

誤用:元気のない人に活を入れて励ますこと。本来の意味で使う人は約2割で、7割超が誤って理解しています。

「檄」は古代中国で人々を召集・決起させるための文書のこと。「激励」の「激(はげます)」と混同されがちですが、まったく別の字です。

14. 憮然(ぶぜん)

本来の意味:失望・落胆して、どうすることもできずにいる様子。

誤用:腹を立てて不機嫌な様子。

「憮」は「がっかりする」の意味。「憮然として立ち去った」は本来「気落ちしてぼんやり立ち去った」で、怒りの表情ではありません。これも誤用が多数派になりつつある言葉です。

15. 潮時(しおどき)

本来の意味:物事を始めたり終えたりするのに、ちょうどよい時期。好機。

誤用:「終わり・引き際」だけを指す(限定的でネガティブな用法)。

「潮時」は潮の満ち引きのちょうどよい頃合いが語源で、本来はベストタイミング全般を指します。「そろそろ潮時だ」と引退・撤退の意味だけで使われがちですが、本来は「始めどき」にも使える前向きな言葉です。

「役不足」と「力不足」は本当に逆の意味なので要注意。私は新人時代に「役不足ですが頑張ります」と言って、先輩に苦笑いされた苦い記憶があります…。

読み間違えやすい日本語・漢字の熟語【12語】

本やノートが積まれた学習机

次は「読み方を間違えやすい」日本語です。なかには慣用読みとして許容されているものもありますが、改まった場では本来の読みを知っておくと安心です。

16. 重複(ちょうふく)

本来の読みは「ちょうふく」です。「じゅうふく」は慣用読みとして辞書やNHKでも許容されており、どちらでも通じますが、フォーマルな場では「ちょうふく」が無難です。

17. 早急(さっきゅう)

本来は「さっきゅう」。「そうきゅう」も慣用読みとして広く定着し、現在は許容されています。ビジネスでは「そうきゅう」と読む人のほうが多いかもしれません。

18. 続柄(つづきがら)

役所の書類でおなじみの語。正式な読みは「つづきがら」です。「ぞくがら」と読む人が大多数ですが、本来は「つづきがら」が正しい読み方です。

19. 代替(だいたい)

本来は「だいたい」。「だいがえ」は「だいたい」と「たいがえ」が混ざって生まれた読みで、口頭では『大体』と紛らわしいため、あえて「だいがえ」と読む現場もあります。

20. 貼付(ちょうふ)

本来は「ちょうふ」。「てんぷ」は「添付」との混同もあって広まった慣用読みです。書類で「貼付(ちょうふ)」と振り仮名が付くこともあります。

21. 凡例(はんれい)

本や辞書の使い方・記号の説明をまとめた部分のこと。読みは「はんれい」で、「ぼんれい」ではありません。「凡」を「はん」と読む数少ない例です。

22. 月極(つきぎめ)

「月極駐車場」の「月極」は「つきぎめ」と読みます。「げっきょく」と読むのは誤り。「極(き)める」=取り決める、から来た言葉で、「月ごとの取り決め」という意味です。

23. 出生率(しゅっしょうりつ)

人口統計では「しゅっしょうりつ」と読むのが本来です。「しゅっせいりつ」も広く使われており許容されつつありますが、ニュースなどでは「しゅっしょうりつ」が標準です。

24. 相殺(そうさい)

「そうさい」が正しい読み。「そうさつ」ではありません。「殺」には「減らす・そぐ」という意味があり、その場合は「さい」と読みます。

25. 既出(きしゅつ)

すでに出ていること。正しい読みは「きしゅつ」です。インターネット上では「がいしゅつ」とネタ的に読む文化がありますが、もちろん正式には「きしゅつ」です。

26. 間髪を入れず(かん、はつをいれず)

「かんぱつをいれず」と一語で読みがちですが、本来は「間(かん)、髪(はつ)を入れず」と区切ります。「髪の毛一本さえ入る隙間もないほど即座に」という意味で、区切りを意識すると語源が見えてきます。

27. 言質(げんち)

後で証拠となる約束の言葉のこと。「げんしつ」「げんしち」と読みがちですが、本来は「げんち」。「言質を取る」で「あとで言い逃れできない約束を取り付ける」という意味になります。

豆知識
「慣用読み」とは、本来の読みではないものの、広く使われるうちに定着して辞書にも認められた読み方のこと。「重複(じゅうふく)」「早急(そうきゅう)」などが代表例です。間違いと決めつけず、本来の読みと併せて覚えておくと使い分けに困りません。

形を言い間違えやすい日本語の慣用句・ことわざ【12語】

続いては、慣用句やことわざの「形そのもの」を覚え違いしやすい日本語です。似た言葉との混同や、漢字の意味の取り違えから生まれた言い間違いが中心です。

28. 的を得る → 的を射る(まとをいる)

長らく「『的を得る』は誤りで、『的を射る』が正しい」とされてきました。ただし三省堂国語辞典は近年、「的を得る」も誤りとは言い切れないとの見解を示しています。とはいえ現状は「的を射る」を使っておくのが無難です。

29. 汚名挽回 → 汚名返上/名誉挽回

「汚名挽回」は「汚名を取り戻す(=また汚名を着る)」と読めてしまうため誤りとされてきました(近年は「挽回=元に戻す」と捉える許容説もあります)。確実に正しいのは「汚名返上」または「名誉挽回」です。

30. 采配を振るう → 采配を振る

本来は「采配を振る」。平成20年度調査では「采配を振る」が28.6%、「采配を振るう」が58.4%で、誤用のほうが多数派でした。なお「振るう」も近年は許容されつつあります。

31. 押しも押されぬ → 押しも押されもせぬ

本来は「押しも押されもせぬ」(押しても押されてもびくともしない=実力十分)。「押しも押されぬ」は混同から生まれた形です。「押すに押されぬ」も正しい言い方です。

32. 怒り心頭に達する → 怒り心頭に発する

怒りが心の奥底から「発する(わき起こる)」のが正しい形。「達する」と言いがちですが、頂点に達するイメージからの混同です。

33. 愛想を振りまく → 愛嬌を振りまく

本来は「愛嬌を振りまく」。「愛想」は「愛想を尽かす」「愛想がいい」のように使う言葉で、振りまくのは「愛嬌」です。

34. 二の舞を踏む → 二の舞を演じる

「二の舞」は舞楽の演目名なので、「演じる」のが正解。「踏む」は「二の足を踏む(ためらう)」との混同です。

35. 足元をすくわれる → 足をすくわれる

すくわれるのは「足」です。「足元」を使うのは「足元を見られる(弱みにつけ込まれる)」のほう。似ているので混同に注意しましょう。

36. 熱にうなされる → 熱に浮かされる

高熱でうわごとを言ったり夢中になったりするのは「熱に浮かされる」。悪夢で「うなされる」という別の言葉と混ざった言い間違いです。

37. 間が持たない → 間が持てない

本来は「間が持てない」(時間や沈黙を持てあます)。「持たない」は近年広がった言い方で、辞書でも触れられるようになっています。

38. すべからく(の誤用)

「すべからく」を「すべて」の意味で使うのは誤りです。本来は「すべからく〜すべし」の形で「当然〜すべきだ」という意味。「学生はすべからく勉強すべし」が正しい使い方で、「全員」「すべて」の意味で「すべからく全員が…」と使うのは誤用です。

39. 雪辱を晴らす → 雪辱を果たす/屈辱を晴らす

「雪辱」自体が「辱(はずかしめ)を雪(すす)ぐ=晴らす」という意味なので、「雪辱を晴らす」では意味が重複します。正しくは「雪辱を果たす」、または「屈辱を晴らす」です。

「二の舞を演じる」と「二の足を踏む」、私もよく混ざりそうになります。「舞は演じるもの」と覚えておくと間違えにくいですよ。

間違えやすい敬語・二重敬語の例【10語】

日本語の原稿用紙

最後は、ビジネスシーンで特に気をつけたい間違えやすい敬語です。敬語を重ねすぎる「二重敬語」や、相手によって失礼になる言葉を中心に紹介します。なお二重敬語の一部は慣用として許容される例もあります。

40. ご覧になられる → ご覧になる

「ご覧になる」だけで尊敬語が完成しています。そこに「〜られる」を足すと尊敬語を二重に使う二重敬語になります。「資料をご覧になりましたか」が正しい形です。

41. おっしゃられる → おっしゃる

「おっしゃる」がすでに「言う」の尊敬語。「られる」を足すと二重敬語です。「社長がおっしゃるとおり」で十分敬意が伝わります。

42. お召し上がりになる → 召し上がる

「召し上がる」で尊敬語が成立しています。「お〜になる」を重ねると二重敬語になります(ただし慣用的に許容される場面もあります)。シンプルに「どうぞ召し上がってください」が美しい言い方です。

43. 拝見させていただきます → 拝見します

「拝見」はそれ自体が謙譲語。「させていただく」を重ねると過剰な敬語になります。「資料を拝見します」で十分丁寧です。

44. とんでもございません → とんでもないことでございます

「とんでもない」で一つの形容詞なので、「とんでも+ございません」と切り離すのは本来は不適切です(広く定着し許容傾向にはあります)。丁寧に言うなら「とんでもないことでございます」「恐れ入ります」が安心です。

45. 了解しました(目上に) → 承知しました/かしこまりました

「了解」は対等または目下の相手に使う言葉とされます。上司や取引先には「承知しました」「かしこまりました」を使うのがビジネスマナーです。

46. ご苦労様です(目上に) → お疲れ様です

「ご苦労様」は本来、目上の人が目下の人をねぎらう言葉。上司や先輩には「お疲れ様です」が適切です。

47. 各位様 → 各位

「各位」には「皆様」という敬意がすでに含まれているため、「様」を付けると二重敬語になります。正しくは「各位」。「お客様各位」は『お客様』への敬称+『各位(皆様)』で許容される表現です。

48. なるほどですね → おっしゃるとおりです

「なるほど」は本来、目上の人に対して使うと評価しているように聞こえ失礼になりがちな相づちです。「なるほどですね」は文法的にも不自然。「おっしゃるとおりです」「勉強になります」と言い換えましょう。

49. させていただきます(の乱用) → いたします/します

「させていただく」は本来、相手の許可を得て、自分が恩恵を受ける場合に使う表現です。許可も恩恵も関係ない場面で乱発すると回りくどく聞こえます。「発表させていただきます」は「発表いたします」で十分です。

ビジネスメールでの注意
敬語は「丁寧にしよう」と意識するほど二重敬語になりがちです。尊敬語・謙譲語は一語で完結していることが多いので、「敬語を重ねていないか」を一度見直すクセをつけると、すっきりと品のある文章になります。

間違えやすい日本語との上手な付き合い方

ここまで49語を見てきて、「自分も誤用していた…」と落ち込む必要はありません。冒頭で触れたとおり、言葉は生き物のように変化し続けるものだからです。

大切なのは、本来の意味を知った上で相手や場面に合わせて使い分けることです。

  • 改まった場・ビジネス文書:本来の意味・正しい形を使うと、教養と信頼につながります。
  • 日常会話・SNS:多くの人に通じる言い方を優先しても問題ありません。誤用を相手に指摘して水を差す必要はありません。

文化庁も、調査結果について「どちらが正しい・間違いと決めつけるためではなく、言葉の変化を客観的にとらえるためのもの」という趣旨の姿勢を示しています。誤用を「言葉狩り」のように責めるのではなく、変化の過程として楽しむくらいの気持ちがちょうどよいのかもしれません。

とはいえ、相手が本来の意味で受け取る可能性がある以上、正しい意味を知っておいて損はありません。「知った上であえて崩す」のと「知らずに間違える」のとでは大きな差があります。

言葉は変わるもの。でも「本来はこうだった」という知識は、いざというときに自分を助けてくれます。引き出しは多いに越したことはありませんね。

間違えやすい日本語についてよくある質問(Q&A)

Q1. 「的を得る」は完全に間違いなのですか?

かつては明確に誤りとされていましたが、現在は見解が分かれています。三省堂国語辞典は「的を得る」も誤用とは言い切れないと判断を改めました。ただし「的を射る」のほうが広く正しいとされているため、迷ったら「的を射る」を使うのが安全です。

Q2. 「ら抜き言葉」(見れる・食べれる)は間違いですか?

「見れる」「食べれる」などのいわゆるら抜き言葉は、文法的には誤りとされてきましたが、文化庁の調査でも使用は年々増えています。話し言葉では一般的になりつつありますが、文章や改まった場では「見られる」「食べられる」を使うのが無難です。

Q3. 誤用でも、相手に通じれば問題ないのでは?

日常会話なら通じることが最優先で問題ありません。ただしビジネス文書・敬語・公的な場面では、本来の用法を知っている人が読む可能性が高く、誤用が信頼を損なうこともあります。場面に応じて使い分けるのが理想です。

Q4. 「全然大丈夫」のような『全然+肯定』は誤りですか?

実は誤りとは言い切れません。「全然+肯定」は明治・大正期の文豪も使っており、夏目漱石の作品にも登場します。「全然+否定」が規範とされたのは比較的最近のこと。近年は「全然いい」「全然大丈夫」も許容されつつあります。

まとめ・間違えやすい日本語を正しく使うために

間違えやすい日本語49語を、4つのジャンルに分けて見てきました。

意味の誤用では、「役不足」「確信犯」「破天荒」など、本来とは正反対の意味で広まっている言葉が多いことがわかりました。

読み間違いでは、「重複(ちょうふく)」「月極(つきぎめ)」のように、慣用読みが定着しているものも少なくありません。

言い間違いでは、「采配を振る」「汚名返上」など、似た言葉との混同に気をつけたい慣用句が並びました。

敬語では、「ご覧になられる」のような二重敬語や、相手によって失礼になる言葉に注意が必要です。

日本語は時代とともに変わり続けます。誤用を恐れて萎縮するのではなく、本来の意味を知った上で、相手と場面に合わせて気持ちよく言葉を使い分けていきましょう。それが、間違えやすい日本語との一番上手な付き合い方です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。気になった言葉があれば、ぜひ今日の会話で本来の意味のほうを使ってみてください。きっと「お、できる人だな」と思われますよ。

本記事の数値は、以下の公的調査・大手校閲メディアを参考にしています。