天気の子の評価と感想!どこよりも熱く考察とレビューを記載!

今回は、天気の子の感想やレビュー、また考察についてネット上のどこよりも熱く語っていきます!

賛否両論の評価が多い本作ですが、非常に良く出来た作品であったことはことは間違いないため、ぜひそれが一人でも多くの人に届けば良いと思い、本エントリーを書きました!

かなりの長文になりますが、ぜひ一読ください!

以下、目次となります。

天気の子のあらすじ

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高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高(ほだか)。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。

彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。

そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。

ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らすその少女・陽菜(ひな)。

彼女には、不思議な能力があった。

(引用:映画『天気の子』公式サイト

主人公、帆高(ほだか)の背景に関する言及は少なく、それよりも東京での生活に焦点が当てられ、物語は進行します。

物語の初めは、東京での困窮した生活が描かれ、その後、須賀との再会や陽菜(ひな)との出会いを通じて、次第に彼の世界が安定し、広がり始めます。

終盤では、それまでの伏線の回収と、陽菜(ひな)の秘密が語られ、帆高は大きな選択を迫られることになるという流れです。

天気の子の大まかな感想・レビュー

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下記でかなり詳しく、かつ長文で詳細な評価や感想、また考察を語っていきますが、本項では、まず、結論として、大まかな感想を述べます。

以下、見やすいように、星評価(5段階)で記載します。

映像・演出  :★★★★★

物語・配役  :★★★★

音楽     :★★★★★

総合評価   :★★★★★

備考     :新海誠好きなら、見て損はない作品!

レビューサイトでは、様々な意見がありますが、個人的には、本作は十分に視聴価値があり、見る人に何かを訴えかける名作であったと断言できます。

ただ、それと同時に多くの考察ができる、稀有な映画であったため、エンタメ映画に慣れ過ぎた視聴者にとっては、やや難解に感じる場面があったことも事実です。

そのポイントのみをフォーカスして、分かり辛かったと論じている意見が散見され、映画レビューが賛否両論になっています。

しかし、これほどの大作をただ自身の理解力を上回ったからと言って、「分からない」と切り捨てるのは、あまりに勿体ないです。

ぜひ、自身の目で確かめて、先入観なしに作品を受け止めた後、十分に咀嚼してみまししょう!

天気の子の良かった評価ポイント!

天気の子の良かった点について、本項では端的に言及していきます。

様々な評価ポイントが挙げられる傑作のため、ぜひ目を通してみて下さい!

①:美しく幻想的グラフィックス

新海誠監督映画の大きなセールスポイントの一つとして、この描画の美しさが挙げられるでしょう。

光の繊細な描写や、新宿を中心とした背景描写の緻密さには、劇中、思わず感嘆の声を上げてしまうほど見惚れました。

また、キャラクターの挙動も滑らかであり、デッサン狂いや、パース狂いなどを感じることも少なかったです。

「君の名は。」と同等か、それ以上に美しく幻想的な絵を堪能できます!

②:物語に柔和した音楽

今作は、前作「君の名は。」同様、主題歌をRADWIMPSが担当しており、この作品のために5曲も書きおろしているという熱の入れようです。

どの楽曲も完成度が高く、特に主題歌である「愛にできることはまだあるかい」は個人的に非常に好きです。

天気の子の世界観を抽象的に表した、名曲です! 

③:考察しがいのある深い物語

前作の「君の名は。」より、エンタメを意識した作品ではなく、鑑賞者に対して問いかける、メッセージ性が高いストーリーになっています。

そのため、繰り返しの視聴も可能な奥行きの深い仕上がりになっており、見るたびに気づきを得られる物語と言えます。

昨今のアニメ映画の中でも、特に考えさせられる作品だったと言えます! 

天気の子の悪かった点・改善ポイント!

良い評価の裏には、当然悪い面も存在します。本項では、私が鑑賞後に気になった点について、記載していきます。

①:前作より多く考察を必要とする点

考察しがいがある物語については、上記の良い点で挙げましたが、視聴者によっては、それがマイナスポイントに見られる場合もあります。

特に、映画や小説をほとんど読まず、能動的に作品を捉える癖がない方にとっては、疑問符が残るシーンが散見されたはずです。

あまりに語り過ぎると、逆に深みがなくなるため、この点のさじ加減は難しいところになりますが・・。

②:キャラクター背景について説明不足な点

上記の考察が必要な点と同様に、キャラクターの背景描写が少ないため、人によっては、やや物語に感情移入しにくいという欠点が挙げられます。

補完できる要素は、ヒントのように劇中に多く散りばめられていますが、それらを上手くピックアップ出来なかった方は、 キャラの輪郭を上手くつかめず、もどかしく感じてしまうことも多いでしょう。

特に主人子帆高の描写の少なさについては、賛否両論あります。

③:空の世界をもう少し見たかった

個人的に、一番気になった点の一つです。

本作の売りの一つである、空の上の秘密の世界について、その描写が少なすぎたのが残念でした。

空の世界の成り立ち自体は、劇中に登場するキャラクターより最低限の説明があったため、それで補完することができます。

しかし、私としては、もっとあの美しい世界を、「映像」で表現して欲しかったと感じました。

帆高と陽菜の2人しか見ていない、劇中において一番神秘的な場所だったため、そこを駆け足で描写した点は少し残念でした。

天気の子の詳細な感想及びレビュー!

さて、上記では大まかな感想を述べましたが、本項では、より詳しいレビューについて語っていきます。

感想は見る人によって異なり、全く同一なものはないため、一つの意見として参考にして頂ければ幸いです。

①:鬱屈とした閉塞感と小さな世界の対比

本作品は、東京を舞台にして話が進みますが、都会に溢れる、どこか鬱屈とした気だるい閉塞感をよく描写できていました。

だからこそ、それと対比になる、帆高と陽菜、そして凪の掛け合いは、微笑ましく、輝いて、画面上に映っていました。

現実という「大きな閉じた世界」にある、「小さいけれど温かく笑顔があふれる世界」は、大きな世界が冷たいほど、儚くも、その煌めきを増します。

特に、その脆さを象徴するシーンとして、ホテルでの帆高と陽菜のやりとりや、帆高が口にする神への祈りが挙げられます。

神様、お願いです。これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください。

(引用:映画『天気の子』公式サイト

上記の言葉が、観客の心に強く響いたのは、現実を見れば、その時間が続くことはないと分かっているにも関わらず、その刹那的な幸福が続くこと願わずにはいられないからです。

このような、陰鬱な現実世界との対比が多い作品であり、その点は非常によく描写できていました。

陽菜が料理を作り、帆高と一緒に食べるシーンも、小さな幸せの描写であり、個人的に非常に印象に残っています。

②:キャラが抱えている闇が昇華する様が良い

本作に登場するキャラは、脇役も含め、みなそれぞれが闇を抱えています。

主人公の帆高や、ヒロインの陽菜はもちろんのこと、愛する人と死別した須賀圭介や、就活が上手くいかない須賀夏美など、どのキャラも現実に対して息苦しさを感じていました。

それら屈折したフラストレーションが、物語の終盤に大きく弾けるわけですが、 その盛り上がりは、やはり非常に良かったです。

線路を全力疾走する帆高や、身を挺して警官に飛び掛かる須賀圭介、そして原付で疾走する須賀夏美など、どのキャラも、今まで受け入れてきた、漫然とした生き辛さに対して、牙を向いたように見えました。

③:愛の重さについて真摯に描いた作品

総じて天気の子は、について描いた作品です。実際に新海誠監督についても、以下のセリフを言わせたくて、本映画を制作したと語っています。

「天気なんて、狂ったままでいいんだ!」

(引用:映画『天気の子』公式サイト) 

例え、全ての人と引き換えでも、愛おしい人の命を優先するというのは、数多の映画で表現され、語りつくされたテーマです。

しかし、それをここまで強く真摯に描いている作品は中々ありません。

きっと帆高は、あの瞬間、東京だけでなく、世界中がずっと雨だとしても、一ミリの迷いも無く、陽菜を助ける選択をしたでしょう。

人間を突き動かす衝動は様々あります。しかし、その中でも、やはり愛は特別な感情です。

それを思い出させてくれる希少な映画であると言えるでしょう!

天気の子の考察ポイント!

本項では、映画「天気の子」の考察ポイントについて、説明していきます。

多くの箇所にて考えるポイントがあった作品ですが、その中でも気になった点をピックアップして紹介していきます。

①:なぜ、キャラの背景描写がほとんどなかったのか

本作品は、前作「君の名は。」と違い、上記したように、キャラクターの背景描写がほとんどありません。

主人公帆高が、なぜ家出をしたのかについては、曖昧な理由しか語られませんし、陽菜と凪の姉弟が、子ども達2人のみで生活している理由についても、明瞭な背景は提示されません。

単純に映画の時間枠に入りきらなかったとも考えられますが、それらをあえて語らなかった点を考察すると、製作者はおそらくは、各キャラを、視聴者自身に置き換えてもらいたかったのではないでしょうか。

語られない背景は、ヒントを集めたとしても、完全には補完できず、穴が残ります。

その穴に、ユーザーの過去の経験をはめ込むことで、よりキャラクターが身近となり、物語の没入感が高まります。

実際に私は、学生時代に生き辛さを感じていたため、帆高の語られなかった学生生活に、自身の生活を当てはめて見ていました。

②:銃は何を表現しているのか

本作には、様々なキーアイテムが登場しますが、その内の一つとして、銃が挙げられます。

物語の序盤で、帆高が偶然入手した後、歌舞伎町内で暴漢を撃退する際に一度使用し、その後、終盤でも再度登場します。

素直にこのアイテムを見るのであれば、理不尽な暴力や権力に抵抗するための象徴と捉えられますが、少し変わった見方をすると、自由を得るための決意としても考えられます。

銃の撃鉄は重いです。その重さは、ただ単に物理的な重さだけではなく、引き金を引いた後に伴う、罪の重さも含まれます。

しかし、それらを顧みず、不退転の決意を明示するために、このアイテムが使われたと考察しました。

③:線路を逆走する意味は?

終盤、廃ビルへと向かうため、線路上をひたすら帆高が疾走するシーンがあります。

線路は、他の映画でもよく取り上げられる象徴的なアイテムであり、基本的に後戻りできないということを暗示する場合が多いです。

しかし、その上で自分の足で駆け抜けることにより、運命に逆らう様を端的に表現していると考察しました。

④:降り続ける雨の世界

本作のクライマックスで、帆高は天気が正常に戻ることよりも、陽菜の命を選択します。

その結果、東京には雨が降り続くこととなり、そこに住む人の生活も大きく変わることとなりました。

たった一人の少女を愛するために、世界の成り立ちを変えてしまったことを気に病む主人公ですが、彼に対して、須賀圭介は以下のことを言います。

「世界なんてさー、どうせ、もともと狂ってんだから。」

(引用:映画『天気の子』公式サイト) 

この言葉は、本映画を端的に表している重要なセリフの一つだといえます。

途中、映画内で言及があった通り、人間は世界という大きな庭の中で、借りぐらしをしているにすぎません。

だからこそ、例え雨が降り続けようと、船などの交通手段を使って、人々はしぶとく順応し、そこで生きています。

通常であれば、狂った世界が続くという後味の悪いエンドですが、この言葉により、それを思いだすことができ、物語を別の視点で見ることができるようになります。

⑤:「君の名は。」との繋がりは?

これは、多くの人が勘違いしているポイントですが、本作については「君の名は。」との繋がりはありません。

「君の名は。」のラストは、2022年の春に瀧と三葉が再開することで終わります。しかし「天気の子」では、2021年夏から東京では雨が降り続いているため、この時点で矛盾が生じます。

そのため、この2作品は、パラレルワールドであり、特に直接的なつながりがあるわけではありません。

劇中に「君の名は。」の主人公である瀧が登場したことで混乱した方もいるかも知れませんが、彼は、「君の名は。」とは別の並行世界を生きているキャラクターです。

このような多元的な解釈については、映画においてよく行われている手法ですね!

天気の子を見るべき人は?

さて、では天気の子は、どのような人に向いている作品と言えるでしょうか。

以下に当てはまる人は、ぜひ視聴をおすすめします!

①:新宿付近をよく知っている人

新宿近辺に詳しい人は、ぜひ見てもらいたい作品になります。

私自身、新宿はよく行く街のため、劇中、見かけたことがある風景が何度も登場しました。

その再現度の高さを見るだけでも、十分に視聴価値がありますし、東京近郊に住んでいる方は、聖地巡礼をしてみても面白いかもしれません。

「長崎ちゃんぽん」のお店がちらりと映った時は、思わず、くすっとしてしまいました! 

②:考察が好きな人

「なぜ、この登場人物は、このような考えに至ったのか。」、「このアイテムが提示する意味は何か」など、映画を通して様々なことを考察するのが好きな方は、ぜひ視聴してみましょう!

上記した様に、考えながら見ると、より深みが広がる作品のため、きっとお気に入りの映画になるはずです!

逆に、1から10まで、全ての答えを劇中で提示する映画が好きな方にとっては、本作は、鑑賞後、もやもやが残ってしまう作品と言えます。 

③: 圧倒的映像美に酔いしれたい方

物語の本質はどうでも良いから、ただ美麗な映像美に酔いしれたいという方も、本作は十分に観る価値のある映画です。

特に大きなスクリーンで見れば、迫力は段違いであり、 細部に渡るまで新海誠監督の世界を堪能することができます!

天気の子を見た人に見てもらいたい他作品は?

天気の子が気に入った方にぜひチェックしてもらいたい作品について、記載していきます。

①:君の名は。

アニメ映画史上、空前の大ヒットを成し遂げた、新海誠監督の代表作です。

上記のしたように、天気の子よりも万人受けしやすい作りになっており、物語を理解しやすく、キャラクターへの感情移入も行い易いです。

もちろん、映像美についても素晴らしいため、その点でもぜひ見てもらいたい作品の一つと言えるでしょう!

②:小説 天気の子

映画では無いですが、新海誠著の原作小説になります。

高い文章力によって執筆されており、安心して読み進めることができる良書です!

映画を見た後でも十分楽しめるため、文字で天気の子の世界に触れたい方は、ぜひ一読してみましょう!

まとめ

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

天気の子について、どこよりも熱く、考察や感想、レビューを語っていきました!

本作品は、話題性の大きい作品のため、様々な人が視聴しています。

そのため、ネット上で、本作について心のないレビューをしたり、酷評している方が散見されましたが、ぜひ、それらに惑わされず、フラットな状態で視聴してみて下さい。

きっとあなたの心に深く残る名作となるはずです!

また、本記事については、随時感想受付中なので、天気の子を視聴した方で、ぜひ一言感想を書きたいという人は、お気軽にコメント欄にご記載頂ければ幸いです!

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