竹馬の乗り方のコツとは?作り方・練習方法・由来や歴史・世界の竹馬まで徹底解説

竹馬(たけうま)は、2本の竹に足場をつけて乗り、バランスを取りながら歩く昔ながらの遊びです。道具はとてもシンプルなのに、いざ乗ってみるとグラグラして前に進めず、苦戦した思い出がある方も多いのではないでしょうか。

その分、はじめて自力で数歩あるけたときの達成感は格別です。視線がぐっと高くなり、いつもの景色が少しだけ違って見えるのも竹馬ならではの魅力です。

この記事では、竹馬の乗り方のコツや上達のための練習方法、家庭で作れる作り方から、平安時代までさかのぼる由来と歴史、「竹馬の友」ということわざの意味、さらにフランスやカリブ海など世界の竹馬まで、まるごと徹底解説します。

子どものころ、竹馬で少し高い目線になるだけでワクワクしましたよね。あの感覚を思い出しながら読んでみてください。

竹馬とは?基本の遊び方と魅力

竹に乗って遊ぶ竹馬(インドネシアのエグラン)

竹馬は、日本大百科全書では「2本の竹竿にそれぞれ適当な高さの足掛けをつくり、馬になぞらえてこれに乗り、竹の上部を握って歩行する子供の遊び道具」と説明されています。竹を馬に見立てて乗るので「竹馬」と書くわけですね。

歴史的には、大きく2つのタイプがありました。1つは、葉のついた笹竹を馬のように股に挟んで走り回る素朴な遊び。もう1つが、現在おなじみの、足場(横木)を取りつけた2本の竹に乗って歩くタイプです。今の私たちが「竹馬」と聞いて思い浮かべるのは後者の方です。

基本の遊び方はとてもシンプルです。左右の竹の足場に片足ずつ乗り、竹の上部を両手で握って体を支えながら、竹と足を一緒に動かして一歩ずつ前に進みます。慣れてきたら、誰が遠くまで歩けるか競争したり、片足だけで立ってみたりと、遊びの幅がどんどん広がっていきます。

特別な広い場所や電源がいらず、竹さえあれば楽しめる手軽さ、そして乗れたときの達成感の大きさが、竹馬が長く愛されてきた理由です。

竹馬の乗り方の5つのコツ

竹馬に乗って歩く人たち

竹馬は、力まかせに乗ろうとするほど転びやすくなります。次の5つのコツを意識すると、グラつきが減って一気に乗りやすくなります。

1. 重心を少し前に置く

竹馬は、まっすぐ垂直に立とうとすると後ろに倒れやすくなります。竹をわずかに前へ傾け、つま先立ちのイメージで体重を前にかけると、自然と前に進む力が生まれて安定します。

2. 視線は足元ではなく遠くへ

不安だとつい足元を見てしまいますが、下を向くと前かがみになって姿勢が崩れ、かえってバランスを失います。3〜5メートルほど先の地面を見るつもりで、顔を上げて歩きましょう。

3. 手を握る位置を決めておく

竹を持つ手が高すぎたり低すぎたりすると、力がうまく伝わりません。脇をしめて、胸からみぞおちくらいの高さで握ると、竹を引き上げやすく操作が安定します。最初に自分に合う位置を決めておくのがコツです。

4. 足と手を同時に動かす

右足を上げるときは右手で竹を持ち上げ、足と竹をワンセットで前へ運びます。足だけ、手だけが先に動くとバランスが崩れます。「足と手は一緒」と声に出しながら練習すると、リズムがつかみやすくなります。

5. 足場の低い竹馬から始める

いきなり高い竹馬に挑戦すると、転んだときのケガが心配です。まずは足場の高さが10〜15センチほどの低い竹馬から始めましょう。低いほど転んでも着地しやすく、恐怖心なく練習できます。

最大のコツは「前へ前へ」です。止まろうとするとかえって倒れるので、勇気を出して一歩踏み出すのが上達の近道ですよ。

竹馬に乗れないときの練習方法

「何度やっても乗れない」という人も、順番に練習すれば必ず乗れるようになります。あせらず段階を踏むのが大切です。

壁を使ってカニ歩きから

はじめは壁に竹馬を立てかけ、体を壁にあずけながら横向きに少しずつ動く「カニ歩き」から始めます。壁が支えになるので、足場に乗る感覚と重心のかけ方を安全につかめます。壁づたいに動けるようになれば、もう半分乗れたようなものです。

誰かに支えてもらって前進

次は、後ろや横から肩や背中を支えてもらい、まっすぐ前に進む練習です。支えがあるうちに「足と手を同時に動かすリズム」を体に覚えさせます。慣れてきたら、支える力を少しずつ抜いてもらいましょう。

パカポコ(缶ぽっくり)で予備運動

竹馬がどうしても怖いなら、空き缶とひもで作る「缶ぽっくり(パカポコ)」がおすすめです。竹馬より低くて安定しており、3歳ごろから遊べます。足と手を同時に動かす動きは竹馬とまったく同じなので、最高の予備運動になります。

これらをクリアすれば、あとは平らで広い場所で何度も繰り返すだけです。転ぶことを恐れず回数を重ねた人ほど、早く乗れるようになります。

竹馬の作り方(竹・木材・缶ぽっくり)

竹馬は市販品もありますが、身近な材料で手作りすることもできます。作る楽しさも竹馬遊びの一部です。

竹で作る本格的な竹馬

用意するのは、まっすぐな竹を2本と、足場にする短い木か竹、そして固定用の丈夫なひもや針金です。竹の長さは、握る位置が胸の高さにくるくらいが目安です。足場は最初は低め(地面から10〜15センチ)に取りつけ、ひもや針金でしっかり固定すれば完成です。ぐらつきがないか、大人が必ず確認してから乗りましょう。

角材・木材でも作れる

竹が手に入らなくても、ホームセンターの角材や木材で代用できます。足場をネジや釘でとめれば、竹よりも丈夫な竹馬になります。1969年にはステンレス製の既製品も登場し、高さを調整できるタイプも市販されています。

空き缶で作る缶ぽっくり

小さな子向けには、空き缶で作る缶ぽっくりが手軽です。スチール缶を洗ってよく乾かし、缶の上部にキリで穴を2か所あけ、ひも(凧糸など)を通して裏側で玉結びにするだけです。缶の上に足を乗せ、ひもを引っぱりながら歩きます。材料費もほとんどかからず、工作としても楽しめます。

竹馬の由来と歴史をたどる

竹馬で遊ぶ子どもたちを描いた19世紀の版画

竹馬の歴史は意外なほど古く、日本では平安時代にはすでに、葉のついた竹にまたがって走る遊びが「竹馬」と呼ばれていました(日本大百科全書)。

足場をつけて乗るタイプは「高足(たかあし)」「鷺足(さぎあし)」とも呼ばれ、室町時代の田楽(でんがく)で使われた「高足」から変化したものとみられています。それが江戸時代になって、子どもの遊び道具として広まりました。

江戸の様子を記した1853年の『守貞漫稿(もりさだまんこう)』には、「今世江戸にて竹馬と云ふもの、七八尺の竿に縄を以て横木をくくり足かかりとす」とあり、長い竿に縄で横木をしばって足場にした、今とほぼ同じ竹馬が描かれています。

視点を世界に広げると、足場つきの歩行具はさらに古く、古代ギリシャでは紀元前6世紀までに使われていたという記録もあります。竹馬のような道具は世界各地にありますが、日本やアジア・オセアニアのものと、ヨーロッパのものは起源が異なるともいわれています。

平安時代の子どもも竹馬で遊んでいたと思うと、千年以上も受け継がれてきた遊びなんだと実感しますね。

「竹馬の友」ということわざの意味と由来

竹馬といえば、「竹馬の友(ちくばのとも)」ということわざを思い浮かべる方も多いでしょう。意味は「幼いころに竹馬で一緒に遊んだ友人」、つまり幼なじみや昔からの親友のことです。

出典は中国の歴史書『晋書(しんじょ)』の殷浩伝(いんこうでん)です。東晋の桓温(かんおん)という人物は、ライバルの殷浩(いんこう)について「殷浩は幼いころ、自分が捨てた竹馬を拾って使っていた。だから自分の方が上なのだ」と語った、という故事が元になっています。

実はこの故事、もともとは「相手は昔から自分より格下だ」という、ややマウントを取るようなニュアンスでした。それが時代とともに「竹馬で一緒に遊んだ仲」という部分だけが強調され、現在のような温かい意味で使われるようになったのです。同じ言葉でも、由来を知ると印象が変わって面白いですね。

このような故事成語の成り立ちは、以下の記事でまとめて紹介しています。

缶ぽっくり・春駒など似た昔あそび

竹馬には、地域や時代によってさまざまな仲間の遊びがあります。代表的なものを整理しました。

名前 特徴
缶ぽっくり(パカポコ・缶下駄) 空き缶にひもを通した簡易版。竹馬より低くて安定し、3歳ごろから遊べる。竹馬の予備運動に最適。
高足・鷺足(さぎあし) 足場つき竹馬の古い呼び名。鷺(さぎ)が片足で立つ姿になぞらえた呼び方とされる。
笹馬(ささうま) 葉のついた笹竹を股に挟んで走る、最も古いタイプの竹馬。乗るというより「馬ごっこ」に近い。
春駒(はるこま) 馬の頭をかたどった棒にまたがって遊ぶおもちゃ。竹馬と同じく「馬に見立てて遊ぶ」系統の遊び。

こうして並べてみると、竹馬は「身近な道具を馬に見立てて乗る」という発想から生まれた遊びの一つだと分かります。中でも缶ぽっくりは、今も保育園や幼稚園で人気の定番です。

世界の竹馬とスティルツ文化

カリブ海のカーニバルで踊る竹馬ダンサー、モコジャンビー

足場の高い棒に乗って歩く道具は、英語で「スティルツ(stilts)」と呼ばれ、世界中に独自の文化があります。日本の竹馬とよく似た遊びや実用例を見てみましょう。

地域 竹馬・スティルツの文化
フランス・ランド地方 19世紀まで、羊飼いが湿地で羊を見張るために竹馬を実用品として使用。遠くまで見渡し、ぬかるみを渡るためのもので、達人は走ったりアクロバットまで披露した。
カリブ海(モコジャンビー) 西アフリカに起源を持つ竹馬の踊り手。200年以上の歴史があり、高い竹馬に乗ることで精霊に近づくと信じられた。仮面と華やかな衣装でカーニバルを盛り上げる。
インドネシア(エグラン) 竹で作る竹馬「エグラン」。子どもの遊びであると同時に、競走の競技としても親しまれている。
古代ギリシャ 紀元前6世紀までに、足場つきの歩行具が使われていたという記録が残る。

湿地を渡る実用品だったフランス、神事と結びついたカリブ海、競技として楽しむインドネシアなど、同じ竹馬でも国によって役割がまるで違うのが興味深いところです。

竹馬で身につくバランス感覚と運動効果

竹馬は単なる遊びにとどまらず、子どもの体づくりにうれしい効果がたくさんあります。

  • バランス感覚…不安定な竹馬の上で姿勢を保とうとすることで、体の平衡感覚が自然と鍛えられます。
  • 体幹の強化…ぐらつきをこらえる動きは、お腹や背中のインナーマッスルをよく使います。
  • 足腰の筋力…足場を踏みしめて進むため、脚やお尻の筋力アップにつながります。
  • 集中力…転ばないように意識を集中させるので、注意を持続させる力が育ちます。
  • 正しい姿勢…顔を上げて背すじを伸ばさないと進めないので、自然と姿勢がよくなります。

テレビゲームでは味わえない全身運動ができるのも、竹馬が見直されている理由の一つです。乗れるようになるまで何度も挑戦する過程で、あきらめない心や達成感も得られます。

「できなかったことが、練習したらできた」という体験は、子どもにとって大きな自信になりますよね。

安全に楽しむための注意点

竹馬は高い位置に乗る遊びなので、安全への配慮は欠かせません。次のポイントを守って楽しみましょう。

竹馬で遊ぶときの注意
  • 転んでもケガをしにくい、土や芝生の広い場所で遊ぶ。アスファルトや人混みは避ける。
  • 足場や固定部分にぐらつき・ひび割れがないか、乗る前に必ず点検する。
  • 脱げやすいサンダルではなく、かかとのある運動靴をはく。
  • 初心者や小さな子は、必ず大人がそばで補助する。
  • 慣れるまでは足場の低い竹馬を使い、高さは少しずつ上げる。

ルールを守れば、竹馬はとても安全に楽しめる遊びです。最初の一歩を踏み出すときだけ、しっかりサポートしてあげてください。

竹馬にまつわる雑学クイズ5問

ここまでの内容のおさらいも兼ねて、竹馬にまつわる雑学クイズに挑戦してみましょう。答えはボックスをひらくと確認できます。

第1問

「竹馬の友」ということわざの意味は、次のうちどれでしょう? (A) 強いライバル (B) 幼なじみ・昔からの親友 (C) 旅の道連れ

正解は (B) 幼なじみ・昔からの親友。中国の『晋書』殷浩伝の故事が由来です。

第2問

足場をつけた竹馬の古い呼び名で、ある鳥が片足で立つ姿になぞらえた名前は?

正解は「鷺足(さぎあし)」。サギが片足で立つ姿に由来します。「高足(たかあし)」とも呼ばれました。

第3問

19世紀まで、フランスのランド地方で竹馬を実用品として使っていたのはどんな人たちでしょう?

正解は「羊飼い」。湿地で羊を見張り、ぬかるみを渡るために竹馬に乗っていました。

第4問

カリブ海のカーニバルで活躍する、竹馬に乗った踊り手のことを何と呼ぶでしょう?

正解は「モコジャンビー」。西アフリカ起源で、高い竹馬は精霊に近づく存在と考えられてきました。

第5問

小さな子でも遊べる、空き缶とひもで作る竹馬の簡易版を何と呼ぶでしょう?

正解は「缶ぽっくり(パカポコ)」。竹馬の予備運動にも最適な、定番の手作りおもちゃです。

よくある質問(FAQ)

竹馬は何歳から乗れますか?

個人差はありますが、足場の低い竹馬なら5歳ごろから挑戦できます。それより小さい子は、まず3歳ごろから遊べる缶ぽっくり(パカポコ)で感覚をつかむのがおすすめです。

どうしても乗れません。コツはありますか?

「重心を前に」「視線を遠くへ」「足と手を同時に」の3つを意識してください。それでも難しければ、壁づたいのカニ歩きや、誰かに支えてもらう練習から段階的に進めると乗れるようになります。

家でも簡単に作れますか?

はい。竹がなくても、ホームセンターの角材で作れます。さらに手軽にしたいなら、空き缶とひもの缶ぽっくりが工作感覚で作れておすすめです。いずれも、乗る前にぐらつきがないか大人が確認しましょう。

竹馬にはどんな効果がありますか?

バランス感覚や体幹、足腰の筋力が鍛えられ、集中力や正しい姿勢も身につきます。乗れるまで挑戦する過程で、達成感やあきらめない気持ちも育つ全身運動です。

まとめ

竹馬は、2本の竹に乗ってバランスを取りながら歩く、平安時代から千年以上続く昔あそびです。

乗り方のコツは「重心を前に・視線を遠くへ・足と手を同時に」の3つが基本。乗れないうちは、壁づたいのカニ歩きや缶ぽっくりでの予備運動から始めると、無理なく上達できます。

「竹馬の友」の故事や、フランスの羊飼い、カリブ海のモコジャンビーなど、由来や世界の竹馬を知ると、ただの遊びが一気に奥深く感じられます。

道具はシンプルでも、得られる達成感と運動効果は本物です。安全に気をつけて、ぜひ親子で竹馬に挑戦してみてください。

最初の数歩が歩けたときの「乗れた!」という笑顔は、何ものにも代えがたいものです。あせらず楽しんでいきましょう。