スマートボールとは?遊び方・ルールやコツ・パチンコとの違いから歴史・由来まで徹底解説

スマートボールとは 遊び方とルール 徹底解説 サムネイル

温泉街の路地や、お祭りの夜店の片隅で、ガラスの台に向かってカチャカチャと玉をはじいている人を見かけたことはありませんか。あの懐かしい遊びが「スマートボール」です。

パチンコによく似ていますが、ルールも歴史もまったく別物。100円玉ひとつで、昭和にタイムスリップしたような時間を楽しめる、奥の深い遊技です。

この記事では、スマートボールの遊び方やルール、高得点を出すコツ、パチンコとの違い、名前の由来、そして18世紀フランスにまでさかのぼる歴史まで、まるごと徹底解説します。

縁日や温泉街で「気にはなるけど入ったことはない」という方、多いんですよね。読み終わるころにはきっと遊びたくなりますよ。

スマートボールとは?昭和レトロな遊技の正体

スマートボールとは、ガラス板で覆われた台の上で金属の玉をはじき、盤面に空いた穴へ入れて出玉を増やしていく遊技です。見た目はパチンコ台を手前にぐっと寝かせたような形をしていて、台の右下にあるレバーを引いて玉を発射します。

玉を垂直に近い盤面で扱うパチンコに対し、スマートボールは盤面を水平気味に寝かせて遊ぶのが特徴で、業界では「横モノ」と呼ばれます。ビリヤードやピンボールに近い、玉ころがしの遊びだと考えるとイメージしやすいでしょう。

100円を投入すると25個ほどの玉が出てきて、それを1個ずつはじいて遊びます。穴に入れば玉が増え、最終的に手元に残った玉の数で景品と交換できるのが基本の流れです。現在は大阪の新世界をはじめ、観光地や温泉街、お祭りの夜店などにわずかに残っています。

「パチンコの子ども版でしょ?」と言われがちですが、実はパチンコより歴史が古い、れっきとした独立した遊技なんです。

スマートボールの遊び方とルールを解説

玉をはじいて穴に入れるレトロな玉遊技機 スマートボールと同じ系統

玉をはじいて盤面の穴に入れる遊技機のイメージです。スマートボールも基本はこれと同じ仲間で、玉と穴とバネ仕掛けのレバーがあれば成立する、とてもシンプルな遊びです。

基本の遊び方の流れ

スマートボールの遊び方は、難しい知識がいらないのが魅力です。はじめての人でも、座って数分で要領をつかめます。

  1. 好きな台に座り、コイン投入口に100円を入れると、25個前後の玉が手元の受け皿に出てきます。
  2. 玉を1個ずつ発射口にセットし、台の右下にあるレバーを引いて離します。バネの力で玉が盤面へ飛び出します。
  3. レバーを引く強さで玉の勢いが変わるので、ねらった穴に入るよう力加減を調整します。
  4. 玉が「入賞口」に入ると、ごほうびの玉がジャラジャラと払い出されます。
  5. 遊び終えて手元に残った玉が一定数を超えていれば、お菓子や日用品などの景品と交換できます。

点数と入賞のしくみ

盤面には数字の書かれた穴がいくつもあり、入る穴によって払い出される玉の数が変わります。一般的には、入賞口に入ると5個から15個ほどの玉が出てくる仕組みです。

さらに、特定の「スタートチャッカー」に玉を通すと役物が開き、追加で15個前後の玉が払い出される台もあります。なかでも盤面の中央あたりにある大きな数字の穴は大量獲得のチャンスで、ここに何個入れられるかが勝負の分かれ目になります。

入る場所 もらえる玉の目安 ねらい方
外側の小さな穴 5個前後 力を弱めにして手前で止める
入賞口・チャッカー 10〜15個 勢いと角度を一定にして通す
中央の大穴 大量獲得 狙いすぎず、何度も挑戦して確率を上げる

出玉と景品交換のルール

遊び終えたときに手元の玉が増えていれば、その玉を景品と交換できます。お店によって基準は違いますが、出玉が20個以上あれば景品交換ができる、というのが昔ながらの目安です。

現存するスマートボールはすべて、ギャンブル性が低い「普通機」に分類される、いわゆる「みなし機」です。大金が動くものではなく、あくまで駄菓子屋やゲームコーナーの延長で楽しむ、ほのぼのとした遊技だと考えてください。

玉が増えていくジャラジャラという音が、なんとも気持ちいいんですよね。景品より、その音とレトロな空間を味わいに行く人も多いんです。

スマートボールで高得点を出すコツ

運の要素も大きいスマートボールですが、ちょっとした意識で出玉は変わります。長く遊ぶための上達のコツを3つ紹介します。

レバーの力加減を一定にする

最大のコツは、レバーを引く強さを毎回そろえることです。力がバラバラだと玉の飛ぶ位置も安定せず、ねらった穴に入りません。まずは弱め、中くらい、強めと、自分の中で3段階の力加減を決めて、同じ力で再現できるよう練習しましょう。

大量得点の中央口をねらう

払い出しの多い中央の大穴や入賞口に、玉が向かいやすい力加減を早めに見つけるのが大切です。最初の数発は「お試し」と割り切って、どの強さで打てばどこに飛ぶかを確かめます。当たりの力加減が分かったら、あとはそれを淡々と繰り返すだけです。

入賞口で玉を増やして長く遊ぶ

玉を一気に使い切らず、入賞口で少しずつ補充しながら遊ぶと、長い時間楽しめます。出玉が増えてきても欲張って強打を連発せず、安定して入る打ち方をキープするのが、結果的に出玉を残すコツです。あくまで遊技なので、勝ち負けより「いかに長く気持ちよく遊ぶか」を目標にすると満足度が高くなります。

プロの常連さんを見ていると、本当に同じフォームで淡々と打つんですよ。あの安定感こそが上達の証拠です。

スマートボールとパチンコの違い

スマートボールはよくパチンコと混同されますが、似ているのは「玉を使う」という点くらいで、中身はかなり違います。主な違いを表にまとめました。

項目 スマートボール パチンコ
盤面の向き 水平気味に寝かせる「横モノ」 ほぼ垂直に立てる
系統 ピンボール・ビリヤード系 同じく玉遊技だが独自進化
玉の発射 右下のレバーを手で引く ハンドルで連続的に打ち出す
ギャンブル性 低い(普通機・みなし機) 高い(換金を前提とする店も)
交換できるもの お菓子や日用品などの景品 景品(店によっては実質換金)

もっとも分かりやすい違いは盤面の向きです。台に座ってのぞき込むように遊ぶスマートボールに対し、パチンコは立てた盤面に向かって座ります。スマートボールは玉を1個ずつ自分のタイミングではじくため、せかされずにのんびり遊べるのも大きな魅力です。

「スマートボール」の名前の由来とコリントゲーム

「スマート」という名前は、英語で「しゃれた」「粋な」を意味する smart に由来すると考えられています。ただし、いつ誰がこの呼び名を付けたのかという明確な記録は乏しく、流行のなかで自然に定着した愛称という側面が強いようです。

スマートボールを語るうえで欠かせないのが、その前身にあたる「コリントゲーム」です。これは昭和初期に日本へ紹介された玉遊びで、名前の由来には諸説あります。玩具メーカーの小林脳行が自社名「小林」をもじって名付けた商標だという説が広く流布していますが、もともとイギリスに「コリンシャン・バガテル」という呼び名が存在したという指摘もあります。

いずれにせよ、コリントゲームが日本中に広まり、それがアメリカのピンボールの影響を受けながら独自に発展して、コインを入れて遊ぶスマートボールが生まれた、という大きな流れは共通しています。

スマートボールの歴史をたどる

19世紀の風刺画に描かれたバガテル スマートボールの祖先にあたる玉遊び

19世紀のアメリカの風刺画に描かれた「バガテル」です。台に空いた穴へ玉を入れて競うこの遊びこそ、スマートボールやピンボールの共通の祖先にあたります。

起源は18世紀フランスのバガテル

玉と穴を使うこの種の遊びのルーツは、18世紀のフランスにあるとされています。1777年、パリ近郊のバガテル城で開かれたパーティーで、傾けた盤面にピンを立てたビリヤード台のような遊具が披露されました。これが「バガテル」と呼ばれ、貴族たちの遊びとして欧米へ広まっていきます。

アメリカでピンボールへ、日本へコリントゲームへ

19世紀に入るとバガテルは欧米各地に伝わり、アメリカではバネ仕掛けや電気仕掛けを加えた「ピンボール」へと発展しました。一方の日本へは、昭和初期に玩具メーカーの小林脳行が「コリントゲーム」として紹介し、家庭やお祭りの遊びとして親しまれるようになります。

帝発式スマートボールと1950年代の大流行

コインで遊ぶ業務用のスマートボールは、1933年(昭和8年)に登場した「帝発式」が知られています。三葉などのメーカーからも台が発売され、専門の遊技場が各地に生まれました。

そして大きな転機が1955年(昭和30年)です。この年にパチンコの連発式が禁止されてパチンコ店が一気に減り、その受け皿としてスマートボールが1950年代に爆発的に流行したと言われています。当時は街のあちこちにスマートボール場があり、庶民の身近な娯楽でした。

衰退と、今に残るスマートボール

その後、パチンコやテレビゲームなど新しい娯楽が次々と登場し、スマートボール場は少しずつ姿を消していきました。現在残っている台はいずれも古い「みなし機」で、新しく製造されることはほとんどありません。

一方で、この遊びを残そうとする動きもあり、2013年には日本スマートボール協会が設立されました。レトロブームのなかで、若い世代やインバウンドの観光客が新世界の店に足を運ぶ姿も見られます。

パチンコ規制の余波で広まったというのが面白いですよね。スマートボールは時代の波に何度も乗り、そして耐えてきた遊びなんです。

スマートボールが今でも遊べる場所

スマートボールが今も遊べる大阪・新世界の街並み

スマートボールが今も現役で楽しめる、大阪・新世界の街並みです。串かつ屋や射的の並ぶレトロな通りに、スマートボール場がひっそりと残っています。

もっとも有名なのは大阪・新世界で、通天閣のお膝元に専門店が現役で営業しています。そのほか、江ノ島などの観光地や、各地の温泉街、お祭りの夜店などでも、簡易型のスマートボールに出会えることがあります。

残念ながら東京・浅草の老舗専門店は2020年に閉店するなど、その数は年々減っています。全国の専門的な営業店に設置された台数も、2018年末の時点で200台に満たないほどで、今ではすっかり貴重な存在になりました。見かけたら、ぜひ100円玉を握って座ってみてください。

夜店の遊びをもっと味わいたい方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

知って楽しい豆知識クイズ

ここまで読んだあなたなら、もう答えられるはず。スマートボールにまつわる豆知識クイズに挑戦してみましょう。

第1問:スマートボールはパチンコと比べて、盤面の向きにどんな違いがあるでしょう?

答え:スマートボールは盤面を水平気味に寝かせた「横モノ」で、パチンコはほぼ垂直に立てます。のぞき込むように遊ぶのがスマートボールです。

第2問:スマートボールやピンボールの共通の祖先とされる、18世紀フランス生まれの遊びの名前は?

答え:バガテルです。1777年にパリ近郊のバガテル城で披露されたのが始まりとされています。

第3問:1955年に起きた「あること」がきっかけで、スマートボールは1950年代に大流行しました。その出来事とは?

答え:パチンコの連発式が禁止されたことです。パチンコ店が減り、その受け皿としてスマートボールが流行しました。

よくある質問(Q&A)

Q. スマートボールは1回いくらで遊べますか?

多くのお店で1回100円が目安です。100円で25個前後の玉が出てきて、入賞すれば玉が増えるので、上手に遊べば100円でかなり長い時間楽しめます。

Q. 子どもでも遊べますか?

遊び自体はとても簡単で、お祭りの夜店などでは子どもも楽しめます。ただし専門の遊技場は風営法上の扱いとなる場合があり、年齢の制限があることもあるので、店頭の表示を確認してください。

Q. 出た玉はお金に換えられますか?

いいえ。現存するスマートボールはギャンブル性の低い遊技で、出玉はお菓子や日用品などの景品と交換するのが基本です。大金が動くものではありません。

Q. スマートボールとパチンコはどちらが歴史が古いですか?

玉遊びとしてのルーツはどちらもバガテルやピンボールにさかのぼりますが、業務用としてはスマートボールも非常に古く、1950年代にはパチンコ規制の影響で大きく流行しました。決してパチンコの後追いで生まれたわけではありません。

まとめ

スマートボールは、ガラス台の上で玉をはじき、穴に入れて出玉を増やす昭和レトロな遊技です。盤面を寝かせた「横モノ」である点が、垂直のパチンコとの大きな違いでした。

そのルーツは18世紀フランスのバガテルにあり、アメリカのピンボールや日本のコリントゲームを経て、1950年代に大流行した歴史を持ちます。

遊び方はシンプルですが、レバーの力加減を一定にし、大量得点の穴をねらうというコツを意識すると、ぐっと長く楽しめます。

大阪・新世界をはじめ、今もわずかに残るスマートボール。レトロな空間と玉の音を、ぜひ一度味わってみてください。

次に温泉街や新世界を訪れたら、ぜひスマートボール場をのぞいてみてください。100円玉一枚で、昭和の時間旅行が楽しめますよ。