今回は青春小説のおすすめ作品を紹介していきます!
青春時代ならではの友情や、淡い恋模様を描いた名作ばかりを選出したため、ぜひ参考にして頂ければ幸いです!
選出基準は以下となります
- 中学生や高校生、また大学生など、青春時代の学生が主人公となる作品
- 読後感が比較的良く、読みやすい作品
- 感動要素や、練られた伏線など、読書価値が高い作品
以下、目次となります。
目次
青春小説おすすめランキング|24位~21位
24位:君は月夜に光り輝く (佐野徹夜)
- 発行日:2017年2月
- 発行元:KADOKAWA
- 受賞歴:第23回電撃小説大賞「大賞」受賞
- 備考 :映画化
高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。
彼女の名前は、渡良瀬まみず。余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知る。
「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」
「本当に?」
この約束から、止まっていた僕の時間がふたたび動きはじめた。
切なく泣ける、電撃小説大賞を受賞した、恋愛青春小説です。
設定は、よくある難病を扱った話ですが、心理描写が丁寧にされており、ストレスなく読み進めることが出来ました。
また、幕引きの仕方がやや淡泊な点が玉に瑕でしたが、その点も含めて、サクッと読める小説と言えるでしょう。
23位:あと少し、もう少し(瀬尾まいこ)
- 発行日:2012年10月
- 発行元:新潮社
あと少し、もう少し、みんなと走りたい。陸上部部長の桝井は、中学最後の駅伝大会に向けてメンバーを募り練習をはじめる。
元いじめられっ子の設楽、不良の大田、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介。
寄せ集めの6人は県大会出場を目指して、襷をつなぐ。
中学生駅伝をテーマとした青春小説であり、個性豊かな6人のランナー達を爽やかに描きます。
各登場人物について、しっかりと心情描写されるため、感情移入して一気に読める点が魅力でした。
陸上が好きな方ならもちろんのこと、そうでない方でも十分に楽しめる作品のため、その点でもおすすめします!
22位:くちびるに歌を(中田 永一)
- 発行日:2013年12月
- 発行元:小学館
- 備考 :漫画化・映画化(主演:新垣結衣)
長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。
合唱部顧問の松山は産休に入るため、東京の音大に進んだ柏木に、合唱部の指導を依頼する。
それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。
ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子と女子の対立が激化する。]
引用: くちびるに歌を | 小学館
著者が中田永一とありますが、これは小説家・乙一の別名義となります。
アンジェラ・アキ作曲「手紙 拝啓 十五の君へ」のテレビドキュメンタリーをもとに執筆された青春小説です。
合唱部に打ち込む中学生のドラマが丁寧に描かれており、本から歌声が聞こえてきそうなほど、爽やかな仕上がりでした。
また、五島列島の風景描写にも優れており、読書中、ビジュアルを鮮明に思い浮かべることが出来る点も魅力です。
本作は、映画化作品も非常に評価が高いため、気になる方は、そちらもチェックしましょう。
21位:十四歳日和(水野 瑠見)
- 発行日:2019年8月
- 発行元:講談社
表題通り、14歳の中学生を主人公とした、オムニバス形式の物語で、以下4編より構成されます。
- ボーダレスガール
- 夏色プール
- 十四歳エスケープ
- 星光る
どの編も、その年頃ならではの瑞々しい感覚に溢れており、読んでいて新鮮な気持ちになれました。
また、筆者の丁寧な文体も好印象であり、各キャラクターの感情の機微を掴みやすかったです。
青春小説おすすめランキング|20位~11位
20位:Just Because! (鴨志田 一)
- 発行日:2017年11月
- 発行元:メディアワークス
- 備考 :アニメ原作小説
高校三年の冬。残りわずかとなった高校生活。このまま、なんとなく卒業していくのだと誰もが思っていた。突然、彼が帰ってくるまでは。
中学の頃に一度は遠くの街へと引っ越した同級生。
季節外れの転校生との再会は、「なんとなく」で終わろうとしていた彼らの気持ちに、小さなスタートの合図を響かせた。
「青春ブタ野郎」シリーズで有名な鴨志田一が描く、同名のテレビアニメの原作小説となります。
ストーリー自体は、著者らしく高校生の青春を丁寧に描いており好感が持てました。
しかし、情景描写や心情描写にやや難があり、気になる部分が多かったです。
そのため、可能であれば、アニメを視聴した後、本作を読むことを推奨します。
19位:どこよりも遠い場所にいる君へ(阿部暁子)
- 発行日:2017年10月
- 発行元:集英社
切なく爽やかなボーイ・ミーツ・ガール!
月ヶ瀬和希は、ある理由から知り合いのいない環境を求め、離島の采岐島高校に進学した。
采岐島には「神隠しの入り江」と呼ばれる場所があり、夏の初め、和希は神隠しの入り江で少女が倒れているのを発見する。
七緒という名前しかわからない、身元不明の彼女が気を失う寸前につぶやいた「1974年」の意味とは?
ミステリーやファンタジーなどの要素も混じった、恋愛青春小説です。以下5章から成り立ちます。
- 1章「入り江の少女」
- 2章「神隠しとマレビト」
- 3章「嵐に消える」
- 4章「未来よりも遠い場所」
- 終章「あの夏で待つあなたへ」
離島や神隠しの入り江、1974年など、様々なキーワードが登場しますが、それら伏線がきれいに回収される構成は素晴らしかったです。
序盤はやや読みにくい文章に閉口しましたが、そこさえ乗り切れば、話に引き込まれること間違いなしでしょう!
18位:少女(湊かなえ)
- 発行日:2009年1月・2012年2月
- 発行元:早川書房・双葉文庫
高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。
その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ。
「人が死ぬ瞬間を見たい」
由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。
由紀と敦子という、2人の女子高生にスポットライトを当てた作品です。
青春時代の学生が持つ、無垢な好奇心や、内に秘める残虐性について、緻密な文章で色鮮やかに描きます。
また、彼女の作品らしく、非常に練られた良質なプロットのため、終盤の展開を含め、大いに楽しむことが出来るでしょう!
他、湊かなえのおすすめ小説については、以下の記事にもまとめているため、合わせて参考にして下さい。
17位:手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ(藤田 祥平)
- 発行日:2018年4月
- 発行元:早川書房,
『Wolfenstein』などのネットゲームにはまって高校を中退、母親の自殺、自身の鬱を乗り越え、大学で創作を学びながら、星系開発ゲーム『Eve Online』で海外列強チームと対峙した日々。
無数の文学とゲームに彩られた、驚異に満ちた半生を描く書き下ろし小説。
今回紹介する青春小説の中でも、とりわけ異彩を放つ作品です。
著者の自伝的小説でもあり、文字通り、ネットゲームに青春を捧げ、電子と共に生きた記録を、余すことなく語っています。
作中では、現実と非現実が入り混じる興味深い描写もあり、その点も合わせて大いに楽しめました。
16位:君の膵臓をたべたい(住野よる)
- 発行日:2015年6月
- 発行元:双葉社
- 受賞歴:2016年本屋大賞第2位
- 備考 :映画化
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていた。
引用: 君の膵臓をたべたい | 双葉社
著者「住野よる」のデビュー作であり、実写映画やアニメ映画、また漫画など様々な媒体へメディアミックスされ、大ヒットを記録した青春小説です。
生と死や恋愛など、王道の要素を全て詰め込んだ作品であり、現代風の恋愛小説のお手本のような仕上がりとなっています。
個人的には、リアリティが足りない点がやや気になりましたが、総じて、人を好きになることの意味について教えてくれる、良い小説だと言えるでしょう
15位:DIVE!!(森絵都)
- 発行日:2000年4月~2002年8月
- 発行元:講談社
- 受賞歴:第52回小学館児童出版文化賞受賞
- 備考 :アニメ化・漫画化
森絵都、初の「スポ根」小説シリーズ。
日本ではまだマイナースポーツの水泳競技《飛込み》。
学園生活を送りながらダイビングクラブに通い、オリンピックをめざしはじめた少年ダイバーたちをドラマチックに描く!
森絵都のが描く、水泳の飛び込みをテーマとした、スポーツ青春小説です。
人物の書き分けが上手く、各キャラに深く感情移入しながら、読み進めることが出来ました。
また、情景描写も優れており、実際に飛び込みを目の前で見ているような臨場感ある筆致が、好印象でした。
青春時代ならではの、情熱溢れる作品を読みたい方に特におすすめの作品のため、該当する方は、ぜひ一度手に取ってみて下さい!
14位:島はぼくらと(辻村深月)
- 発行日:2013年6月
- 発行元:講談社
- 受賞歴:2014年本屋大賞第3位
母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。
美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。
父のロハスに巻き込まれ、東京から来た源樹。
熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。
四人はフェリーで本土の高校に通う。
「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。
故郷で知った大切なこと、すべてが詰まった書き下ろし長編。
五十嵐大介の表紙が目を引く、辻村深月が描く離島を舞台にした青春小説です。
離島暮らしをほのぼのと描くだけでなく、過疎問題や、島独自の医療問題など、難解なテーマもしっかりと取り上げおり、それでいて、重くなり過ぎないように調整されていました。
また、各登場人物もよく深堀されており、心が温まるシーンも多く、読了後は心地よい感覚に包まれました。
13位:本と鍵の季節(米澤穂信)
- 発行日:2018年12月
- 発行元:集英社
堀川次郎は高校二年の図書委員。
利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。
そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。
亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが・・。
「氷菓」シリーズで有名な米澤穂信が描くミステリ青春小説です。彼の著書らしく、ほんのりビターな読み味の全6編が収録されています。
各短編毎に、プロットがしっかりと練り上げられており、伏線の回収も見事で、スムーズに読み進めることが出来ました。
以下の集英社文芸単行本の公式ページで試し読みもできるため、興味がある方は、下記リンクからアクセスしてみましょう!
12位:桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ)
- 発行日:2010年2月・2012年4月
- 発行元:集英社・集英社文庫
- 受賞歴:第22回小説すばる新人賞受賞
- 備考 :映画化・漫画化など実績多数
青春小説の大家、朝井リョウのデビュー作であり、ベストセラーとなった傑作です。
バレー部主将の桐島の退部をきっかけに起こった、同級生5人の変化をオムニバス形式によって語ります。
桐島自体は本編には直接登場せず、他登場人物の語りにより、その人物像が描かれる点が特徴です。
著者の作品らしく、思春期の青少年の感情を瑞々しく描写しており、読み応えがありました。
また、朝井リョウの他おすすめ小説については、以下の記事にまとめているため、合わせて参考にしてください。
11位:君の話(三秋 縋)
- 発行日:2018年7月
- 発行元:早川書房
手違いから架空の青春時代の記憶を植えつけられた孤独な青年・天谷千尋は、その夏、実在しないはずの幼馴染・夏凪灯花と出会う。
戸惑う千尋に灯花は告げる、「君は、色んなことを忘れてるんだよ」。
出会う前から続いていて、始まる前に終わっていた恋の物語。
三秋縋が描く、非常に切ないSF青春小説です。
「義憶」と呼称される、ありもしない記憶を植えつけることが出来る、近未来を舞台とした物語になります。
著者の作品らしく、孤独な主人公と美しいヒロインが主軸となるため、既に他作品を読了している方は、やや既視感があるかもしれません。
しかし、相変わらずテキストは巧みであり、儚く消え入りそうな心情を淡々と、正確に描き出していました。
特に終盤は、伏線回収も含めて突出した仕上がりだったため、ぜひあなたの目で確かめてみて下さい。
青春小説おすすめランキング|10位~1位
10位:明るい夜に出かけて(佐藤多佳子)
- 発行日:2016年9月
- 発行元:新潮社
- 受賞歴:第30回山本周五郎賞受賞
今は学生でいたくなかった。コンビニでバイトし、青くない海の街でひとり暮らしを始めた。
唯一のアイデンティティは深夜ラジオのリスナーってこと。
期間限定のこのエセ自立で考え直すつもりが、ヘンな奴らに出会っちまった。
つまずき、人づきあい、好きだって気持ち、夢・・。若さと生きることのすべてが詰まった書下ろし長篇。
深夜ラジオにハガキを投稿する、ハガキ職人の主人公のお話です。
上手く社会に溶け込めない人の、灰色の青春を扱っており、それに共感できる人であれば、本作への没入感もより高まるでしょう。
特に、深夜ラジオのリスナーであり、青春時代をそれと共に育った方であれば、他のどんな作品よりも感情移入してしまうはずです。
他にも、個性豊かなキャラが多く登場するため、その点でも楽しく読み進めることが出来ました。
9位:線は、僕を描く(砥上 裕將)
- 発行日:2019年6月
- 発行元:講談社
- 受賞歴:第59回メフィスト賞受賞
- 備考 :漫画化
水墨画とは筆先から生み出される「線」の芸術。描くのは「命」。
両親を交通事故で失い、喪失感の中にあった大学生の青山霜介は、アルバイト先の展覧会場で水墨画の巨匠・篠田湖山と出会う。
なぜか湖山に気にいられ、その場で内弟子にされてしまう霜介。反発した湖山の孫・千瑛は、翌年の「湖山賞」をかけての勝負を宣言する。
小説家兼、水墨画家という異色の経歴を持つ、砥上裕將の傑作青春小説です。
流石本職の絵師が書いただけあり、臨場感溢れる水墨画の描写で、まるで自身がその絵の前に立っている錯覚を受けるほどでした。
また、ストーリー自体は王道であり、両親を失った主人公青山の再生がテーマですが、きめ細やかな心理描写が多く、そちらも好印象でした。
8位:ヒトリコ(額賀 澪)
- 発行日:2015年6月
- 発行元:小学館
- 受賞歴:第16回小学館文庫小説賞及び松本清張賞受賞
深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。
そのときから日都子は、心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。
ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。
誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感。絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。苦くて新しい青春小説。
引用:ヒトリコ | 小学館
額賀澪のデビュー作となる作品です。
荒削りな部分も多く、やや高すぎる順位かもしれませんが、学生時代にいじめや仲間外れなど、辛い経験をした方にとっては、心を打つ内容のため、本順位としました。
物語の前半は、陰湿な描写も多く、古傷を抉られる方もいるかもしれません。
しかし、物語後半で、孤独な主人公である日都子が少しずつ変化する姿に、大きな希望を感じました。
7位:69 Sixty Nine(村上龍)
- 発行日:1987年
- 発行元:集英社
- 備考 :映画化(主演:妻夫木聡)
1969年、東京大学は入試を中止し、街にはビートルズが流れ、ヒッピーは愛と平和を叫んでいた。
佐世保に住む高校三年生の僕は、何かデカイことをしたくてうずうずしていた。
村上龍の自伝的な青春小説です。
読み手によっては、本作が1位でも全く問題ありませんが、彼の作品らしく、かなりアクが強い仕上がりになっているため、本順位としました。
作者自身「こんなに楽しい小説を書くことはこの先もうないだろう」と、明言している通り、笑いやエネルギーに満ちた傑作です。
作中では、バリケード封鎖やフェスティバルなど派手なことをしますが、その根底は「女にもてるため」であり、それを包み隠さず主張しているところが、正しく青春であると言えるでしょう!
6位:よろこびの歌(宮下奈都)
- 発行日:2009年10月25
- 発行元:実業之日本社
- 受賞歴:第26回坪田譲治文学賞候補
著名なヴァイオリニストの娘で、声楽を志す御木元玲は、音大附属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。
挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。
しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる。
合唱を通して、女子高生達の友情や葛藤を瑞々しく描いた、連作短編形式の青春小説です。
各短編により主要人物が変わるのが特徴で、主人公玲のエピソードから始まり、他5人の人物の物語を経て、再び玲の話へと戻ります。
丁寧かつ繊細な筆致により、様々な背景を持つ10代の学生の心情を、真正面から描写している点が好印象でした。
学生の方が読めば、共感できるはずですし、私のような大人が読めば、きっと十代の眩しさを思い出せるでしょう!
5位:きみの友だち(重松清)
- 発行日:2005年10月
- 発行元:新潮社
- 備考 :WOWOW FILMSにより映画化
わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる。
足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。
学校の人気者ブンちゃんは、モトくんが気に入らない。優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。
家族小説で有名な重松清ですが、青春時代の学生を主人公とした小説も多く手掛けています。
その中でも、本作は特におすすめの一冊で、10個の短編から構成される連作長編です。
様々な角度から友達について深く語っており、人によっては、自身の人間関係を見直すきっかけになるかもしれません。
他、重松清のおすすめ小説については、以下の個別記事を参考にしてください。
4位:砂漠(伊坂幸太郎)
- 発行日:2005年12月
- 発行元:実業之日本社
仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。
麻雀に勤しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。
一瞬で過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡で出来ていた。
明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。
引用:砂漠|実業之日本社
ベストセラー作家である、伊坂幸太郎が送る、個性豊かな大学生が織り成す、青春群像劇です。
作中では著者のユーモアセンスが遺憾なく発揮されており、登場人物の会話のテンポも良く、どんどん読み進めることができました。
特に、西嶋というキャラは秀逸で、読書中は何回か吹き出しそうになるほど面白かったです。
他、伊坂幸太郎のおすすめ小説については以下にまとめているため、合わせて参考にしていただければ幸いです!
3位:夜のピクニック(恩田 陸)
- 発行日:2004年7月
- 発行元:新潮社
- 受賞歴:第2回本屋大賞及び、第26回吉川英治文学新人賞受賞
- 備考 :映画化、舞台化
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。
甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために。
学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。
「永遠の青春小説」という謳い文句がぴったりの、青春ど真ん中である、高校三年生を主役においた作品です。
その時期ならではの青少年の心の揺らぎや煌めき、また暗い面も含めて、余すことなく瑞々しく描いていました。
「歩行祭」というイベントを背景としているため、基本的には歩く描写が多いですが、スラスラと読み進められたのは、心情描写が秀逸だったからでしょう。
2位:風が強く吹いている(三浦しをん)
- 発行日:2006年9月
- 発行元:新潮社
- 受賞歴:第1回ブクログ大賞文庫本部門大賞受賞
- 備考 :アニメ化、漫画化、ドラマ化など実績多数
箱根駅伝を走りたい。そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。
「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ?
十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ることに夢中で突き進む。
自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく。風を感じて、走れ!純度100パーセントの疾走青春小説。
駅伝をテーマとした、疾走感溢れるスポーツ青春小説の傑作です。
アニメ化や、漫画化など、多様なメディアミックスも行われ、人気を博しました。
実際に肌に風を感じるほど、臨場感あふれる描写が多く、クライマックスは感動して涙がにじみました。
スポーツ系の小説が苦手な方でも、駅伝に興味がない方でも夢中になってしまうこと間違いなしなので、ぜひ食わず嫌いをせず、手に取ってみて下さい!
1位:聖の青春
- 発行日:2000年2月・2002年5月
- 発行元:講談社・講談社文庫
- 受賞歴:第13回新潮学芸賞、第12回将棋ペンクラブ大賞受賞
- 備考 :映画化・ドラマ化済
重い腎臓病を抱えながら、命懸けで将棋を指す村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。
名人への夢半ばで倒れた「怪童」の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。
実在した夭折の将棋棋士、村山聖を主人公とした小説です。
彼の幼少期から、プロ棋士になるまでの過程、そして、プロとして切磋琢磨し、癌で逝去するまでの全ての道程を詰め込んだ傑作です。
彼は自身の短い生涯を、文字通り、全て将棋に捧げていました。
そのため、淡い恋愛や、学生ならではのエピソードはなく、今回紹介する小説の基準からやや外れます。
しかし私自身、本作を読了後、彼の生き様そのものが青春であると強く感じたため、
選出するに至りました。
今と真摯に向き合い、愚直に生きた村山の生涯は、まばゆく光り輝いており、読者はそこから多くのことを学べます。
将棋のルールが分からない方でも、問題なく読めるため、毛嫌いせずに、ぜひ手に取ってみましょう!
まとめ
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。青春小説のおすすめ作品について、一挙紹介していきました。
どれも名作ばかりなので、気になる作品があれば、ぜひ手に取って頂ければ幸いです!
今回紹介した以外にも、素晴らし青春小説は多く執筆されているため、本記事については、随時追記していきます。
また、おすすめの青春小説がある方は、ぜひコメントにて投稿頂ければ幸いです。
他、本関連のエントリーはこちら!