今回は池井戸潤のおすすめ本について、ランキング形式にて紹介していきます!
ドラマ化や映画化もされており、多くの名作を残している池井戸潤ですが、その中でも特に読んでもらいたい作品を一挙まとめました!
以下、目次となります。
目次
池井戸潤とは?
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。
『果つる底なき』で江戸川乱歩賞、『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』で直木賞を受賞。
主な作品に、半沢直樹シリーズ、花咲舞シリーズなどがある。
(引用:池井戸潤|実業之日本社)
元銀行員の小説家となります。
1998年、『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビューした後、自身の経験を生かして、様々な作品を精力的に発表しています。
著作はドラマ化や映画化などのメディアミックスも盛んに行われており、代表作である半沢直樹シリーズのドラマは、社会現象になるほどの大ヒットを記録しました。
池井戸潤のおすすめ本ランキング|1位~10位
1位:オレ達バブル入行組(半沢直樹シリーズ)
- 発行日:2004年12月・2007年12月
- 発行元:文藝春秋・文春文庫
- 受賞歴:第22回山本周五郎賞候補
- 備考 :半沢直樹シリーズ1作目・TVドラマ化
融資課長の半沢直樹は、支店長に無理押しされた五億円の無担保融資が焦げ付き、窮地に立たされる。
支店長に責任を転嫁され、怒りに燃える半沢は何とか融資を回収しようとする。
調査をするうちに、意外な裏があることが判明し・・。
逆境にさらされるバブル入行組の男たちの意地と挑戦、そして友情を描く痛快ミステリー。
通称「半沢直樹シリーズ」と呼ばれる、銀行員半沢直樹の活躍を描いた作品です。
著者の元銀行員の経験を存分に活かした作品であり、経済小説でありながら、勧善懲悪のストーリーのため非常に読みやすく、痛快です。
シリーズについては、以下のように続いています。
- オレたちバブル入行組(本作)
- オレたち花のバブル組
- ロスジェネの逆襲
- 銀翼のイカロス
2位:下町ロケット(下町ロケットシリーズ)
- 発行日:2010年11月・2013年12月
- 発行元:小学館・小学館文庫
- 受賞歴:第145回直木三十五賞受賞
- 備考 :ドラマ化済
研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。
そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。
創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた・・。
(引用:下町ロケット | 小学館)
主人公の佃を主軸として、彼と社員との奮闘を描きます。
理系でなくても読みやすいように配慮された作りであり、何より綿密な取材の元、リアリティのある話を楽しむことが出来ます。
本作もシリーズ化されており、以下のように作品群が続きます。
- 下町ロケット(本作)
- 下町ロケット ガウディ計画
- 下町ロケット ゴースト
- 下町ロケット ヤタガラス
3位:ノーサイド・ゲーム
- 発行日:2019年6月
- 発行元:ダイヤモンド社
- 備考 :ドラマ化済
大企業のエリート社員である、主人公君嶋隼人は、ある出来事を契機として、横浜工場に左遷されます。
彼は、そこで同社ラグビー部ゼネラルマネージャーの兼務を命じられ、再建のために奔走します。
池井戸潤の作品らしく、胸が熱くなる展開が続き、ページを捲る手が止まりません。
また、ラグビーを知らない方でも読みやすいように、配慮された作りになっているため、その点も良かったです。
4位:鉄の骨
- 発行日:2009年10月・2011年11月
- 発行元:講談社・講談社文庫
- 受賞歴:第31回吉川英治文学新人賞受賞
- 備考 :NHKテレビドラマ化
ゼネコン業界の闇にスポットを当てた、傑作小説です。
若きゼネコンマン富島平太は、建設現場から公共事業の受注部署に異動になります。
しかし、そこは別名「談合課」と称される部署で、裏で様々な駆け引きを行っていました。
実在した事件を基に描かれているため、描写は非常にリアリティがあり、読者を引き込みます。
また、会社と言う巨大な枠組みの中で、翻弄されるサラリーマンの葛藤も、臨場感を持って描かれており、強く感情移入することが出来ました。
5位:空飛ぶタイヤ
- 発行日:2006年9月
- 発行元:実業之日本社
- 受賞歴:第136回直木三十五賞候補、第28回吉川英治文学新人賞候補
- 備考 :映画化済
走行中の大型トレーラーが脱輪し、はずれたタイヤが若い母子を直撃した。
トレーラーの製造元ホープ自動車は、トレーラーを所有する赤松運送の整備不良が原因と主張するが、社長の赤松は到底納得できない。正確な整備記録が残されていたのだから。
独自に真相に迫ろうとする赤松を阻む、大企業の厚い壁。
会社の経営は傾き、窮地に立たされた赤松は、家族からも孤立し、絶望のどん底に堕ちたに見えたが、そこへ週刊誌の記者が、驚愕の情報をもたらす。
2002年に発生した、三菱自動車のリコール隠し事件を背景として、描かれた傑作経済小説です。
池井戸潤の他作品と同様に、大企業という巨大機関を相手に、中小企業の経営者が奮闘する姿を描きます。
主人公にとっては、胸を締め付けられるような辛い展開が続きますが、それら苦痛を全て取り払うかのような素晴らしい終盤に、心を打たれました!
6位:七つの会議
- 発行日:2012年11月
- 発行元:日本経済新聞出版社
- 備考 :映画化済
トップセールスマンだったエリート課長・坂戸を「パワハラ」で社内委員会に訴えたのは、歳上の万年係長の八角だった。
いったい、坂戸と八角の間に何があったのか?
どこにでもありそうな中堅メーカー・東京建電とその取引先を舞台に繰り広げられる生きるための戦い。
だが、そこには誰も知らない秘密があった。
全8話からなる、連作短編集形式の経済小説です。
各話が終わるにつれて、会社の秘密が徐々に浮き彫りになる構成のため、読み進めるほど、作品に惹きつけられました。
他の池井戸潤作品と比べて、話の顛末がやや弱く感じましたが、それでも、十分に読書価値がある一冊です。
7位: ルーズヴェルト・ゲーム
- 発行日:2012年2月・2014年3月
- 発行元:講談社・講談社文庫
- 備考 :テレビドラマ化
大手ライバル企業に攻勢をかけられ、業績不振にあえぐ青島製作所。リストラが始まり、歴史ある野球部の存続を疑問視する声が上がる。
かつての名門チームも、今やエース不在で崩壊寸前。
社長が、選手が、監督が、技術者が、それぞれの人生とプライドをかけて挑む「奇跡の大逆転(ルーズヴェルト・ゲーム)」とは。
熱い意志を持った登場人物達が、次々と襲い来る困難を乗り越えるという、池井戸潤が得意とする構成の物語です。
野球に興味がない方でも、十分に楽しむことが出来るため、ぜひ、食わず嫌いをせず手に取ってみましょう!
8位:不祥事(花咲舞シリーズ)
- 発行日:2004年8月
- 発行元:実業之日本社
- 備考 :テレビドラマ化・漫画化
「ベテラン女子行員はコストだよ」そう、うそぶく石頭の幹部をメッタ斬るのは、若手ホープの「狂咲」こと花咲舞。
トラブルを抱えた支店をまわり、業務改善を指導する舞は、事務と人間観察の名手。
歯に衣着せぬ言動で、歪んだモラルと因習に支配されたメガバンクを蹴り上げる!
主人公花咲舞の痛快な活躍が描かれる、エンターテインメント性の高い物語です。
文章のテンポも良く、短編集で読みやすいため、小説が苦手な方でもスラスラと読み進めることができるでしょう。
続編として「花咲舞が黙ってない」も出版されているため、気になる方は、そちらも要チェックです!
9位:陸王
- 発行日:2016年7月
- 発行元:集英社
- 備考 :テレビドラマ化
埼玉県行田市にある足袋業者「こばせ屋」。
百年の歴史を有する老舗だが、その実態は零細企業で業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのに苦心する日々を送っていた。
そんなある日、新たな事業計画を思いつく。それは長年培ってきた足袋製造のノウハウを生かしたランニングシューズ、「陸王」の開発だった。
(引用:池井戸潤「陸王」|集英社)
弱小企業が、大手企業と戦うという、「下町ロケット」を代表とする、著者の他作品と同様の構図の物語になります。
しかし、そこで織り成される人間ドラマは、本作独自のものであり、胸を打たれるシーンがいくつもありました。
何より、ランニングシューズを題材にした話のため、陸上競技経験者であれば、より没入感を持って楽しめるはずです!
10位:アキラとあきら
- 発行日:2017年5月
- 発行元:徳間文庫
- 備考 :テレビドラマ化
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。
生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。
やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。
(引用:アキラとあきら | 徳間書店)
瑛(あきら)と、彬(あきら)。生まれも育ちも全く異なる二人の30年間を描いた大作です。
彼の作品らしく、人情や、仕事に対する情熱、そして勧善懲悪など、ツボを押さえた作品となっています。
また、瑛(あきら)と彬(あきら)の人生が交錯してからは、物語がヒートアップし、ページを捲る手を止めることが出来ませんでした。
池井戸潤のおすすめ本ランキング|11位~16位
11位:ようこそ、わが家へ
- 発行日:2013年7月
- 発行元:小学館文庫
- 備考 :ラジオドラマ化、テレビドラマ化
真面目なだけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。
すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。
花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。
さらに車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。
執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。
(引用:ようこそ、わが家へ | 小学館)
痛快で、勧善懲悪のストーリーがセールスポイントの他の池井戸潤作品とは、一線を画す物語です。
気弱な主人公である倉田太一が、様々なトラブルに巻き込まれ、それを家族や同僚と協力して解決していきます。
サスペンス要素も含む本作ですが、ストーカー問題に焦点を当てつつも、家族の在り方についても言及しているため、その点でも、興味深く読み進めることが出来ました。
12位:果つる底なき
- 発行日:1998年9月・2001年6月
- 発行元:講談社・講談社文庫
- 受賞歴:第44回江戸川乱歩賞受賞
- 備考 :テレビドラマ化
「これは貸しだからな。」謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本がアレルギー性ショックで死んだ。
彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった……。
坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう!
池井戸潤の作家デビュー作となった、記念すべき作品です。
銀行を題材とした、ミステリー小説であり、他作品同様、元銀行員である筆者の経験が存分に生かされています。
作中では、やや現実離れをした箇所もありましたが、全体として、高いレベルでまとまっており、十分に読み応えがありました。
13位:株価暴落
- 発行日:2004年3月・2007年3月
- 発行元:文藝春秋・文春文庫
- 備考 :WOWOWドラマ化
巨大スーパー・一風堂を襲った連続爆破事件。
企業テロを示唆する犯行声明に株価は暴落、一風堂の巨額支援要請をめぐって、白水銀行審査部の板東は企画部の二戸(にと)と対立する。
一方、警視庁の野猿(やえん)刑事にかかったタレコミ電話で犯人と目された男の父は、一風堂の強引な出店で自殺に追いこまれていた。
表題から、金融小説のように見えますが、内容的には、他の池井戸潤作品同様、企業の不祥事を扱った作品となります。
各登場人物が複雑に絡み合い、企業内のドロドロとした内情を余すことなく書ききります。
また、ラストはやや足早でしたが、きちんと締められており、ファンであれば十分に満足できる仕上がりです。
14位:シャイロックの子供たち
- 発行日:2006年1月・2008年11月
- 発行元:文藝春秋・文春文庫
銀行で働く様々な人間にスポットライトを当てた短編集です。
初めは、各話は独立しているように見えますが、終盤に、それらが重なり合い、畳み掛けるような展開へと繋がります。
このような、サスペンスと、金融小説を融合した読み味は、上記で紹介した「果つる底なき」に近く、その作品が好きな方は、本書もツボにはまるでしょう。
15位:かばん屋の相続
- 発行日:2011年4月
- 発行元:文春文庫
池上信用金庫に勤める小倉太郎。その取引先「松田かばん」の社長が急逝した。
残された2人の兄弟。会社を手伝っていた次男に生前、「相続を放棄しろ」と語り、遺言には会社の株全てを大手銀行に勤めていた長男に譲ると書かれていた。
乗り込んできた長男と対峙する小倉太郎。父の想いはどこに?
6つの短編からなる作品です。
連作短編ではなく、それぞれの話が独立しているため、短い時間でも気軽に楽しめる点がメリットです。
また、どの短編も深い読み味があり、キャラの深堀もしっかりとされるため、長編好きな方でも、十分に満足することが出来るでしょう。
16位:BT’63
- 発行日:2003年6月・2006年6月
- 発行元:朝日新聞出版・講談社文庫
父が遺した謎の鍵を手にすると、大間木琢磨の視界に広がるのは、40年前の風景だった。
若き日の父・史郎が体験した運送会社での新事業開発、秘められた恋・・。だが、凶暴な深い闇が史郎に迫っていた。
池井戸潤初期の著作となり、著者の他作品とは、少し毛色の違う物語です。
タイムトリップを扱った小説で、主人公大間木琢磨の父の過去を追うストーリーとなります。
池井戸潤が好きな方におすすめの他作家の本!
本項では、池井戸潤の小説が好きな方に向けて、他作家の類似作品を紹介していきます!
完全に同系統のジャンルではありませんが、読み応えのある作品ばかりなので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
ハゲタカ(真山仁)
- 発行日:2004年12月
- 発行元:ダイヤモンド社
- 備考 :テレビドラマ化
投資ファンド運営会社社長の鷲津政彦は、バブル崩壊後、不景気に苦しむ日本に戻り、瀕死状態の企業を次々と買収する。
敵対するファンドによる妨害や、買収先の反発を受けながらも、鷲津は斬新な再生プランを披露し、業績を上げていく。
企業買収、再生の真実を克明に描いた問題作。
真山仁が描く、企業小説の名著です。シリーズ化されており、以下のような作品群が出版されています。
- ハゲタカ(本作)
- ハゲタカII(バイアウト 改題)
- レッドゾーン
- ハゲタカIV グリード(グリード 改題)
- シンドローム
ドラマ版も有名であり、そちらで視聴した方も多いのではないでしょうか。
主人公鷲津政彦のキャラクターも素晴らしく、何より、買収する側とされる側の熱い駆け引きに、否応なしに引き込まれました。
役員室午後三時(城山三郎)
- 発行日:1971年・1975年
- 発行元:新潮社・新潮文庫
経済小説の開拓者である、城山三郎の著書です。
池井戸潤の作品では、立場的に弱いのものにスポットライトを当て、逆転劇を描くことが多いですが、本作は、大企業の社長である藤堂を主役に据え、話が展開します。
そのため、強者の思考や、それが凋落する様を体感できるため、池井戸潤の作品とは、また違った読後感を得ることが可能です。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
池井戸潤のおすすめ本について、詳しくまとめていきました。
本記事を読んで、少しでも気になる池井戸潤の作品が見つかったのであれば、これ以上嬉しいことはありません!
また、もし池井戸潤作品でおすすめしたいものがあれば、お気軽にコメントにて投稿頂ければ幸いです!
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