はい、ウマキです。
今回のエントリーでは、ドキュメンタリー映画のおすすめを紹介をします!ドキュメンタリーとはノンフィクション同様、演出の無い生の映像を編集した作品を指します。
自然系のドキュメンタリーなどは、TVでよく放映されている為、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
【2017/08/11 1作品追加】
今回は、私の趣向もあり、事件や社会問題を追った作品を多く選出しています。以下、ルールとなります。
- マイケル・ムーアだらけになるのを防ぐため、同監督の作品は2作までとします。
- ドキュメンタリーの題材は問いません。
少しでも気に入る作品が見つかれば幸いです! では、いってみましょう!
目次
ドキュメンタリー映画のおすすめ11選紹介!
スーパーサイズ・ミー
1日3食、1ヶ月間、マクドナルドのファストフードのみを食べ続けたら、人間はどのように変化するのかを記録したドキュメンタリーです。
下らない企画だと思うかも知れませんが、監督兼被験者であるモーガン・スパーロックの変化の様子が克明に描かれています。医師も驚くほど、ファストフードが彼に与える身体への影響は強く、鑑賞者側も驚かざる得ません。
途中、嘔吐するシーンなどもあり、ショッキングですが、肥満体国アメリカに警鐘を鳴らした作品であり、簡易的で美味しいファストフードの裏側を知ることが出来ます。
スーパーサイズの大きさには、正直驚きました。あのサイズが普通に店で提供されているのは、日本では考えられません。
フード・インク
米国の食品業界に警鐘を鳴らす、フードドキュメンタリー映画です。低コスト大量生産が齎す農業の裏側を描きます。パッケージから、牛肉に焦点を当てていると勘違いしがちですが、本作品は、ファストフード及び米国式農業全体の問題点を提起しています。
短期間で安価に、大量の肉を生産するため、特殊な飼料を与えられ、信じられない速度で成長し、自重を支えきれずに、足が折れ死んでしまう鶏や、糞尿まみれの家畜など、ショッキングな映像が鮮明に描かれます。
食について、改めて考え直す機会を提示してくれる、稀有な映画です。衝撃的な内容も含むため、視聴にはある程度の覚悟が必要ですが、ドキュメンタリー好きであれば、一度は視聴して損は無いでしょう。
いのちの食べ方
本映画には、一切のナレーションも無く、BGMすらありません。大量生産される植物や、鳥、牛などの家畜の様子をただ淡々とフィルムに収めた作品です。
このような説明であると、退屈な映画の様に感じてしまうかも知れませんが、効率を第一優先として、大規模な畜産や農業を行った場合、このような光景になるのかと、愕然としながら視聴しました。
静寂の中、ただ黙々と作業をする従業員。流れ作業で物として扱われる、ヒヨコや牛、豚などの家畜。怯えた牛が屠殺され、解体されるシーンは今でも忘れる事が出来ません。
本映画から、どのようなメッセージを感じるかは、おそらく鑑賞者によって異なります。しかし、視聴後は、必ず自身の食について考えてるきっかけとなるはずです。
牛などの解体シーンなど、ゴア表現も多い為、耐性の無い方は視聴には十分に注意してください。分かりやすい問題提起を、映画に求める方は『フード・インク』を、無駄なものをそぎ落とした、シンプルな映像が見たい方は、本作品を視聴してみましょう。
アクト・オブ・キリング
1965年にインドネシアで行われた、『9.30事件』と言われる、100万人以上が虐殺された事件を追った作品です。
本作の非常に特異な点として、虐殺加害者にその殺害方法を実演してもらったり、語ってもらった事を撮影している点です。主人公であるアンワル氏は、信じられないほどの数の人間を殺害していますが、それをカメラの前で誇らしげに語っています。
自身が正義であると信じ切ることが、どのような道徳の変化をもたらし、感覚を麻痺させるのかを、加害者視点から愚直に描いた作品です。
やや、冗長なシーンもありますが、見ていてここまで心がざわつく映画は初めてでした。
ボウリング・フォー・コロンバイン
マイケル・ムーア監督作品です。1999年に発生し、高校生2人が、12人の生徒と1人の教師を殺害した『コロンバイン高校銃乱射事件』を背景とし、『アメリカの銃社会』の歪さを描き出します。
日本では、特殊な職務に従属している人で無い限り、ほとんどの人が現物を見た事がないほど、銃は馴染みの薄いものです。
しかし、本作を視聴することで、身近に銃がある事の意味、そしてそれを産業として成り立たせるために、恐怖を増長させる、歪な産業形態の一端を垣間見ることが出来ます。
彼監督の作品らしく、深刻な問題を扱っているにも関わらず、重くなり過ぎない点も、好印象でした。 人によっては、軽すぎると感じてしまう人もいるかも知れませんが、銃社会について、考える契機をくれる作品です。
シッコ
こちらも、マイケルムーア監督作品となります。アメリカの医療制度が抱える問題を鋭い切り口で捉えています。
私達が日常、何の疑問も無く享受している医療が、国によってここまで異なるのかと驚きました。 本来は困っている人を助ける、相互扶助の制度であるはずなのに、そこにまで資本主義の手が伸びている点は、見ていて恐ろしかったです。
社会保障制度について、改めて考えることが出来る作品であり、正直本作を見て、私は日本に生まれて本当に良かったと感じました。
彼独特のシニカルな皮肉は本作でも健在で、見ていて肩の凝る作品ではありませんが、劇中に登場する、9.11の時にボランティア作業で参加し、肺を悪くした方の訴えは、今でも覚えています。
皇帝ペンギン
自然を題材にしたドキュメンタリーはあまり見ないのですが、何本か視聴した中で、一番印象に残っているのが本作です。
南極大陸に生息するペンギンの生態を、1年間という長期に渡り撮影した映画です。マイナス40度という過酷な環境下で、子作りから、その巣立ちまでを追います。
愛くるしい外見とはことなり、壮絶なペンギンの社会を知ることが出来ます。 また、美麗な映像から紡ぎだされる、大自然の美しさは必見です。何より、海の中を泳ぎ回るペンギンは本当に美しかったです。
ナレーションがやや煩わしいところが難点ですが、そこは好みが分かれるところでしょう。 ゆっくりと映像に溶け込みたい時に、是非視聴してみて下さい!
A
日本で起こった犯罪の中でも、取り分け凶悪な同時多発テロである、『地下鉄サリン事件』を起こした、オウム真理教を扱ったドキュメンタリーです。被写体として、当時オウム真理教の広報副部長であった、荒木浩にスポットを当てています。
事件後間もない教団の信者の生活の姿や、インタビュー映像などが収められており、警察の強引な逮捕の様子もあります。
世間からは、異質な物質の様に見られる彼らですが、どのような思考を持っており、あそこまで凄惨な事件が起こっても、なぜ教団に留まり続けているのか、その一端が分かりました。
鑑賞者によって、抱く感情は様々だと思います。 しかし、日本人であれば、一度は見た方が良いドキュメンタリー邦画です。続編として『A2』も提供されている為、興味がある方はレンタルしてみましょう。
人生フルーツ
名古屋近郊の高蔵寺ニュータウンの一隅で、雑木林に囲まれ自給自足に近い生活を営む建築家の津端修一氏と妻の英子さんの日常を追ったドキュメンタリー。
映画館で鑑賞した作品です。老夫婦の生活を、2年に渡り追った映画で、老いても、お互いが活力に溢れており、自然と共に生きる姿は非常に印象的でした。
スローライフの映像の裏には、出来る事からコツコツと行う事の大切さを、真摯に映し出しています。また、樹木希林のナレーションも映像とよく柔和しており、素晴らしかったです。
誠実に、シンプルに生きる事の大切さを、教えてくれる作品です。 きっと鑑賞後は、穏やかな気持ちになれるはず!日頃の生活に疲れてしまった人は、是非一度鑑賞してみて下さい。
WATARIDORI
鳥達の数千キロにも及ぶ、長い旅路を追ったドキュメンタリー作品です。雄大な自然を背景に飛ぶ、鳥の群れの映像は壮大です。
また、アングルに非常に凝っており、本当に自身が飛んでいるかのような映像が見れる点が驚きでした。
愚直なドキュメンタリーの為、ドラマ性を求める方には向いていませんが、過酷な環境下でも美しく飛翔する鳥達の姿を鑑賞したい方は、是非レンタルしてみて下さい。
ゆきゆきて、神軍
私の大好きな漫画家、篠房六郎氏が薦めていた事で興味を持ち、視聴した作品です。 今回おすすめしたドキュメンタリー作品の中でも、取り分け異彩を放っており、 決して万人に薦められる映画ではありません。
戦時中の部下射殺事件の真相を追う、アナーキストの奥崎謙三を描いています。冒頭から、反政府の語句を所狭しと書き込んだ車が登場するなど、鑑賞者の目を引きますが、本作品の特徴は、彼の躊躇の無い言動にあります。
戦友の慰霊を涙ながらに、その母と追悼するシーンがあるかと思えば、突如怒りだし、人を殴るなど、通常の思考であれば、見ていて眩暈を覚えるシーンが多く出現します。また、カオスなシーンかと思えば、シュールな笑いを誘う場面などもあり、視聴中は画面にくぎ付けになりました。
聞き取りにくい会話があったり、無駄に冗長なシーンもありますが、それでもドキュメンタリー好きであれば、見るべき作品だと思います。
また、戦争体験者の話は、耳を疑うほど凄惨を極め、特に最後の山田氏の話は驚きました。激戦地にいた当事者の体験談として視聴してみても良いかもしれません。
まとめ
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
まだ、ドキュメンタリーについては、鑑賞本数が浅い為、本エントリーについては、今後少しずつ追記していく予定です。
ドキュメンタリーは、脚本なしに描くため、例え客観的な事実を撮ろうと努力しても、監督の意向が、大きく照らし出されます。
その為、映像に映し出されていることが、事象の全てだと思わない事が重要です。映画の問題提起を受けて、自身で再度熟考する機会を与えてくれる事こそ、ドキュメンタリー映画の醍醐味です。
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ウマキ