だるまさんがころんだの由来とは?ルールや全国の掛け声・世界の似た遊びも徹底解説

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「だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ!」。子どものころ、公園や校庭でこの掛け声を聞きながら、息を止めてピタッと止まった経験は、きっと誰にでもあるはずです。

鬼が振り向く一瞬の緊張感と、つい笑ってしまって動いてしまう楽しさ。道具もいらず、何人でも遊べる定番の外遊びが「だるまさんがころんだ」です。

ところがこの遊び、名前の由来や、地方によって違う掛け声、さらには世界中によく似た遊びがあることまで、調べてみると驚くほど奥が深いのです。ネットフリックスのドラマ「イカゲーム」で世界的に注目されたあのシーンも、実は韓国版のだるまさんがころんだでした。

この記事では、基本のルールと遊び方から、名前の由来、全国の掛け声バリエーション、世界の似た遊び、アレンジルールまでをまとめて解説します。

あの「ピタッ」と止まる瞬間、大人になった今でも体が覚えていますよね。

だるまさんがころんだとは?基本のルールと遊び方

広い公園の芝生(だるまさんがころんだを楽しむ広い場所のイメージ)

だるまさんがころんだは、1人の「鬼」と、複数の「逃げる人」に分かれて遊ぶ昔ながらの外遊びです。2人からでも遊べますが、人数が多いほど盛り上がります。

基本の流れはとてもシンプルです。次の手順で進みます。

  1. 鬼を1人決め、壁や木などを「基点」にして、ほかの人に背を向けて立ちます。逃げる人は10メートルほど離れたスタートラインに並びます。
  2. 鬼は「だるまさんがころんだ」と唱えながら目を閉じ、言い終わると同時に振り返ります。
  3. 逃げる人は、鬼が唱えている間だけ前に進めます。鬼が振り返った瞬間に動いていると、見つかってアウトです。
  4. アウトになった人は鬼と手をつなぎ、鬼のそばで「捕虜」になります。
  5. 逃げる人の誰かが鬼(または捕虜)の手にタッチして「切った!」と叫ぶと、捕虜は全員解放され、みんな一斉に逃げ出します。
  6. 鬼は「ストップ」と言って全員を止め、あらかじめ決めた歩数(5歩から10歩が一般的)だけ動いて、誰かにタッチできれば、その人が次の鬼になります。

「進む」「止まる」を繰り返すだけのルールですが、鬼のフェイントや、ギリギリで止まるスリルがクセになります。広い場所さえあれば、特別な道具は何もいりません。

シンプルなのに何度でも遊びたくなる。これぞ定番ゲームの強さです。

ルールをさらに深掘り|鬼と逃げる人の勝ち方・コツ

基本ルールを押さえたら、次は細かい駆け引きです。だるまさんがころんだは、鬼と逃げる人の双方に攻略のコツがあります。

鬼側のコツ

鬼の腕の見せどころは「振り返るタイミング」です。掛け声をわざとゆっくり言ったり、逆に早口で一気に言い切ったりして、相手のリズムを崩しましょう。

「だるまさんが……ころんだ!」と途中で長く溜めるフェイントは、引っかかる人が続出する鉄板テクニックです。

逃げる人側のコツ

逃げる人は、止まったときに崩れない「安定したポーズ」で進むのがコツです。片足を上げた中途半端な姿勢で止まると、ぐらついて動いたと判定されてしまいます。

また、鬼にタッチして捕虜を助ける役は大きく前に出る必要があるため、リスクも大きい役回りです。タッチした直後はすぐ逃げる準備をしておきましょう。

地域によっては、捕虜の助け方や鬼の歩数などに細かなローカルルールがあります。遊ぶ前に全員でルールをすり合わせておくと、もめずに楽しめます。

だるまさんがころんだの名前の由来とは?なぜ10文字なのか

赤いだるま(達磨)人形が並ぶ様子

「どうして“だるま”が“ころんだ”の?」と疑問に思ったことはありませんか。名前の由来には、遊びの仕組みが深く関係しています。

もともとは「10を数える」遊びだった

この遊びは、鬼が振り向くまでの時間を作るために、もともと「いち、にい、さん……」と10拍を数えていたと考えられています。

しかし数を数えるのは単調で、幼い子には少し難しいもの。そこで、10拍の代わりに「ちょうど10文字の言葉」を唱えるようになったとされています。その10文字の言葉として関東地方で選ばれたのが「だるまさんがころんだ」だったため、これが標準的な呼び名として広まりました。

たしかに「だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ」と数えると、きっちり10文字です。リズムよく言えるこの語呂のよさが、全国に定着した理由のひとつといえます。

MEMO
掛け声が10文字なのは「10を数える」名残。地方ごとに違う言葉になっても、多くが10文字前後にそろっているのはこのためです。

「だるま」は達磨大師のこと

掛け声の「だるま」は、禅宗の開祖とされる達磨大師(だるまだいし)に由来します。あの赤くて丸い「だるま人形」のモデルになった人物です。

達磨大師が壁に向かって9年も座禅を続けた伝説から、手足のない丸い形の縁起物が生まれ、「七転び八起き」の象徴になりました。掛け声の「ころんだ」も、転んでも起き上がるだるまのイメージと重なって、語呂よく親しまれてきたと考えられています。

起源ははっきりしていない

意外に思われるかもしれませんが、だるまさんがころんだの起源には明確な記録がありません。書籍『世界の外あそび学じてん』では、掛け声に明治時代以前には存在しなかった言葉が含まれることから、「その歴史はそれほど古くない」と指摘されています。

後ほど紹介するように、世界各地に同じ仕組みの遊びがあることから、日本だけで自然に生まれたのか、海外から伝わったのかも、はっきりとはわかっていません。身近な遊びほど、由来は謎に包まれているものなのですね。

あの赤い人形と同じ「達磨大師」が語源だったとは、ちょっと意外でした。

全国で違う!だるまさんがころんだの掛け声バリエーション

「だるまさんがころんだ」は関東を中心とした呼び方で、実は地方によって掛け声が大きく違います。10文字という長さはだいたい共通しているのが面白いところです。代表的なものを表にまとめました。

地方・地域 掛け声 ひとことメモ
近畿(関西) 坊さん(ぼんさん)が屁をこいた 「だるま」の代わりにお坊さんが登場。やはり10文字でリズムも同じ
東海(愛知中心) 寿がきやのやきうどん 地元で愛されるチェーン店「スガキヤ」が掛け声に
宮城県 くるまんとんてんかん 鍛冶屋の槌の音のような擬音が楽しい
新潟県三条市 お母さんの貼箱 金物の町・三条ならではの「貼箱(はりばこ)」
三重県 かえるのかんぴんたん 「かんぴんたん」は干からびた様子を表す方言
和歌山県 ひみなこと なんと5文字。地方によって長さまで変わる珍しい例
大阪市中央区(法円坂周辺) 練兵場の兵隊さん かつて陸軍の練兵場があった土地柄を映した掛け声

関西の「坊さんが屁をこいた」は、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。子どもがつい笑ってしまう絶妙な言葉選びです。一方、和歌山県の「ひみなこと」は5文字しかなく、地方によって遊びのテンポまで変わっていたことがうかがえます。

「寿がきやのやきうどん」、地元愛が掛け声になっているのが最高に好きです。

世界にもある!だるまさんがころんだに似た遊び

だるまさんがころんだは、日本だけの遊びではありません。「鬼が見ていない間だけ動いて、鬼に近づいていく」という遊びは世界各地にあり、英語ではまとめて「Statues game(彫像ゲーム)」と呼ばれています。動きを止めた姿が彫像のように見えることからついた呼び名です。

韓国「ムクゲの花が咲きました」|イカゲームで一躍有名に

ムクゲの花(韓国版だるまさんがころんだ「ムクゲの花が咲きました」)

韓国版の掛け声は「무궁화 꽃이 피었습니다(ムグンファ コチ ピオッスムニダ)」、意味は「ムクゲの花が咲きました」です。ムクゲは韓国の国花で、写真のような淡いピンクや白の花を咲かせます。

この遊びは、2021年に世界的大ヒットとなったネットフリックスのドラマ「イカゲーム」の最初のゲームとして登場し、一気に世界中へ知られることになりました。巨大な少女型ロボットが振り向くと、動いた人が脱落するあの衝撃的なシーンです。英語字幕では、アメリカ版の呼び名「Red Light, Green Light」と訳されていました。

アメリカ「レッドライト・グリーンライト」

緑と赤が点灯した信号機(アメリカ版レッドライト・グリーンライト)

アメリカでは「Red Light, Green Light(赤信号・青信号)」と呼ばれます。鬼が「Green light!」と言えば進んでよく、「Red light!」と言ったら止まる、という信号機にちなんだ分かりやすいルールです。

掛け声のたびに止まる日本式と少し違い、青信号で進み赤信号で止まるという、まさに交通ルールそのものを遊びにした形になっています。

その他の国々の「だるまさんがころんだ」

世界各国の呼び名を見てみると、お国柄が表れていてとても面白いです。

国・地域 遊びの名前・掛け声 意味
イギリス Grandmother’s Footsteps / Statues おばあちゃんの足音/彫像
フランス Un, deux, trois, soleil 1, 2, 3、太陽
スペイン Un, dos, tres, chocolate inglés 1, 2, 3、イギリスのチョコレート
ドイツ Ochs am Berg 山の上の雄牛
イタリア Un, due, tre, stella! 1, 2, 3、星!
カナダ What time is it, Mr. Wolf? オオカミさん、今何時?
オーストラリア London ロンドン

フランスやイタリアのように「1, 2, 3」と数えてから合言葉を言う国が多いのは、もともと「数を数える遊び」だったという由来を思い出させます。日本の「10文字の掛け声」も、世界の数え方も、根っこは同じだったのかもしれません。

世界中の子どもが、形を変えて同じ遊びをしていたなんて、なんだか胸が熱くなります。

変則ルールとアレンジ集|だるまさんの一日など

基本ルールに飽きたら、アレンジを加えるとさらに盛り上がります。定番の変則ルールを紹介します。

だるまさんの一日

もっとも人気のアレンジが「だるまさんの一日」です。鬼が「だるまさんが……ご飯を食べた!」「だるまさんが……寝た!」のように動作を指定し、逃げる人はただ止まるのではなく、その動作のポーズを取らなければなりません。

「だるまさんが笑った」「だるまさんが泳いだ」など、お題が増えるほど止まったときの姿がユニークになり、見ているだけでも笑えます。

王様だるまさんがころんだ

鬼が動物などの動きを指定し、逃げる人はその動きをしながら進むアレンジです。「うさぎ跳びで進め」「カニ歩きで進め」など、移動方法に制限を加えることで難易度が上がります。

ポーズ縛り・チーム戦

止まるときのポーズを毎回変えるルールや、2チームに分かれてアウトの少なさを競うチーム戦もおすすめです。少人数なら全員参加、大人数ならチーム戦と、人数に合わせて遊び方を変えられるのも魅力です。

室内やバスの中など、外で走り回れない場面で楽しめる遊びを探している方は、以下の記事もあわせてどうぞ。

安全に楽しむための注意点と運動効果

だるまさんがころんだは、急に止まったり一斉に走り出したりする遊びです。日本スポーツ協会も子ども向けの運動プログラムとして紹介していますが、楽しむためには安全への配慮が欠かせません。

  • 体育館や校庭、芝生の上など、平らで広い場所で遊びましょう。
  • 逃げる人が一斉に走り出す場面では、ぶつからないよう周囲をよく見ること。
  • 止まるときに無理な体勢で転ばないよう、足元の段差や石に注意します。

「止まる」「素早く動く」「バランスを保つ」といった動きが自然に身につくため、瞬発力や体幹を養う運動としても優れています。ルールを守って安全に遊べば、体も頭もしっかり使える奥深い遊びです。

だるまさんがころんだクイズ|豆知識を確認

ここまでの内容を、クイズで振り返ってみましょう。全部わかれば、あなたもだるまさんがころんだ博士です。

第1問:「だるまさんがころんだ」の掛け声は何文字でしょう?

答え:10文字(だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ)。もともと「10を数える」名残です。

第2問:関西地方で「だるまさんがころんだ」の代わりによく使われる掛け声は?

答え:「坊さん(ぼんさん)が屁をこいた」。こちらも10文字です。

第3問:ドラマ「イカゲーム」に登場した韓国版の掛け声「무궁화 꽃이 피었습니다」の意味は?

答え:「ムクゲの花が咲きました」。ムクゲは韓国の国花です。

第4問:アメリカで同じ遊びは何と呼ばれている?

答え:「Red Light, Green Light(赤信号・青信号)」。信号機にちなんだ呼び名です。

第5問:掛け声の「だるま」とは、もともと誰のことでしょう?

答え:達磨大師(だるまだいし)。だるま人形のモデルになった禅宗の僧です。

だるまさんがころんだに関するよくある質問

Q. 何人から遊べますか?

鬼1人と逃げる人1人の、計2人から遊べます。ただし3人以上いたほうが、捕虜を助ける駆け引きが生まれて盛り上がります。

Q. だるまさんがころんだはいつからある遊びですか?

明確な記録は残っておらず、起源には諸説あります。掛け声に明治時代以降の言葉が含まれることから、それほど古い遊びではないと考えられています。

Q.「だるまさんがころんだ」と「だるまさんの一日」は何が違いますか?

「だるまさんの一日」は、鬼が「だるまさんが○○した」と動作を指定するアレンジです。逃げる人はただ止まるのではなく、その動作のポーズを取る点が異なります。

Q. 鬼に捕まったらどうなりますか?

鬼と手をつなぎ、捕虜になります。仲間の誰かがつないだ手にタッチして「切る」と、捕虜は全員解放されて一斉に逃げられます。

Q. 室内でも遊べますか?

遊べますが、急な静止や一斉ダッシュがあるため、体育館のように広く平らな場所が安全です。狭い室内では、歩数を減らすなどルールを調整しましょう。

まとめ:だるまさんがころんだは世界に広がる奥深い遊び

だるまさんがころんだは、道具もいらず2人から遊べる、シンプルで完成された外遊びです。

名前の由来をたどると、「10を数える」名残の10文字の掛け声と、縁起物でおなじみの達磨大師にいきつきます。

掛け声は地方によって「坊さんが屁をこいた」「寿がきやのやきうどん」などさまざまに変化し、土地の文化を映しています。

さらに、韓国の「ムクゲの花が咲きました」やアメリカの「レッドライト・グリーンライト」のように、世界中に同じ仕組みの遊びが存在します。イカゲームで世界が熱狂したあの遊びも、私たちがよく知るだるまさんがころんだの仲間でした。

今度遊ぶときは、地方の掛け声や世界版のルールを取り入れてみてください。いつもの遊びが、もっと楽しく奥深いものになるはずです。

次に遊ぶときは、ぜひ「ムクゲの花が咲きました」も試してみてくださいね。